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新築マンション価格動向(1都3県)、鑑定評価員のコメント


国土交通省が5月30日、全国主要都市の計150地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。
東京圏の地価動向(C)国土交通省
都心部を中心に上昇傾向が見られる。
同レポートは比較的バイアスのかかっていない、新築マンションの市況を知り得る数少ない情報。
1都3県の新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」を拾ってみた。



埼玉

  • さいたま市(新都心))【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区は交通利便性が高く、JR京浜東北線や埼京線の利用が可能であることからエンドユーザーの選好性が高い地区であるが、中古マンションの取引はそれほど多く見られなかった。新築マンションについてはエンドユーザーの価格に対する見方がやや慎重になっており、マンション分譲価格は概ね横ばいに転じている。このため、デベロッパーの開発利潤に対する見方もやや厳しくなるため、開発素地価格もそれに影響され横ばいに転じている。



千葉

  • 千葉市(中央区/千葉港)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • JR総武線稲毛駅の積極的な需要に比べて需要が弱い当地区においては昨年竣工された新築マンションは、消費増税による駆け込み需要があったものの未だ完売されていない。今後完売するためには、分譲価格の値下げも考えられるため、引き続きマンション分譲価格はやや下落傾向である。


  • 千葉県(浦安市/新浦安)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 当期も当地区では分譲マンションの供給は見られないが、中古マンション取引は概ね堅調に推移している。但し、東日本大震災前に見られた高額帯の物件に対する需要は乏しく、3,500万円程度の物件が取引の中心であり、4,000万円後半の物件の動きは鈍い。なお、景気の回復への期待から値上がりを期待して中古マンションを売り控えるオーナーが見られるが、取引価格の上昇には結びついていない。以上から、マンション分譲価格は概ね横ばいである。


  • 千葉県(柏市/柏の葉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 好立地の駅前大規模マンションの需要は安定的であり、取引量も堅調に推移している。しかし、柏市及びその周辺市以外、特に東京都区部等からのファミリー層の需要は未だ限定的であり、供給量に対して需要の厚みがやや欠けることから価格上昇には至っていない。そのため、マンション分譲価格は概ね横ばいで推移している。



東京

  • 千代田区(番町)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 当地区は成熟した高級住宅地域であり、高所得者層からの分譲マンション需要は強いが供給戸数は限定的であるため、当地区の新築分譲マンション価格・契約率共に順調に推移している。新築分譲マンションの販売においては、このような販売状況及び建築費の高騰分等を勘案した価格設定が行われて いることからマンション分譲価格はやや上昇している。


  • 中央区(佃・月島)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 都心部への良好な接近性等の立地の優位性からマンションに対する潜在需要は底堅く、また、オリンピック招致の決定以降、分譲価格の上昇が周辺部で認められる。高額物件は不動産市況のみならず、金融マーケットの動きと相関が認められ、金融マーケットの動向にもよるが、当地区周辺において多数予定されている新規分譲マンションの分譲価格には先高感があり、当地区のマンション分譲価格はやや上昇傾向である。


  • 港区(南青山)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 素地不足から当期は新築分譲マンションの新規供給が無く、新築の在庫はほぼ完売しており、また中古マンションの供給も少ないことから新築・中古ともにマンション価格はやや上昇している。なお、知名度の高い当地区はアジア圏からの個人投資家等に投資対象として好まれる。当該投資家は国内の投資家と比較して低い利回りであっても購入することから、価格上昇を牽引している傾向がある。


  • 港区(高輪)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 東京メトロ南北線沿線では、大手・中堅デベロッパーによりマンション供給が続いており、隣接地区で分譲を開始した大規模タワーマンションが引き続き好調である。また、中古マンション市場では供給が限定的で、売り主の売却希望価格に買い主の購入希望価格が追いついてきたことから、高値の成約が見られる。そのため、前期同様当期もマンション分譲価格はやや上昇している。


  • 渋谷区(代官山)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 全般的に中古マンションに対する需要は強いが、旧耐震の物件に対する需要は弱く、需要の中心である築10年程度の物件の品薄感が強い。一方、周辺エリアで当期に供給された新築分譲マンションは平均価格は1億円を超える高額物件であったが売れ行きは順調であることから、引き続き国内外の富裕層による高額新築マンション取得需要が強くマンション分譲価格は高水準で横ばい傾向である。


  • 文京区(小石川)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • マンション用地の仕入れ価格や建築費が上昇傾向にあるため、マンションデベロッパーは販売価格に一部コストを転嫁している。そのような状況下にあるが、当期においても引き続きグレードの高いマンションを中心に高い申込率の分譲マンションも見受けられることから、全般的に安定した市況となっており、前期から引き続きマンション分譲価格はやや上昇している。


  • 品川区(品川)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 低利の住宅ローンや景気回復を背景として、エンドユーザーの住宅取得意欲は強く、建築費の高騰の影響もあり、新築マンションの分譲価格は、やや上昇傾向にある。中古マンションも高額物件を中心に売行きは改善傾向にある。東日本大震災の影響が薄れて湾岸部の人気が回復していることから、当地区のマンション分譲価格は引き続きやや上昇している。


  • 江東区(豊洲)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 当地区や月島地区など、湾岸地域の中でも交通利便性が高い地区は、オリンピックの開催前から新築分譲マンションの人気が高いエリアであった。しかし、オリンピックの開催決定後は、交通利便性の劣る地区においても旺盛な需要が見られるなど、湾岸地域全体に対する需要が高まっており、当地区においても、オリンピックの開催決定後の新築マンションの売れ行きは好調を維持している。今後も大量供給が見込まれているが、堅調な需要と建築費の高騰により販売価格の上昇が確認されているため、マンション分譲価格は前期と同様にやや上昇している。


  • 江東区(有明)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • リーマンショック後、当地区のマンション分譲が苦戦した時期もあったが、オリンピック開催決定後から当地区の新築分譲マンションの売行きは好調を維持している。さらに、湾岸部のうち交通利便性の劣る地区のマンションまで需要が旺盛になっている。今後も大量供給が見込まれるが、堅調な需要と建築費の高騰による販売価格の上昇が確認されているため、マンション分譲価格はやや上昇している。


  • 世田谷区(二子玉川)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 当期も当地区内で新築分譲マンションの供給はないが、平成26年4月の消費増税を受け、今後の市況を見極めるために、消費増税の影響のない個人間の中古マンションの取引もやや軟調に推移している。新築マンションの販売価格が上昇傾向にあることから、中古マンションへの需要が増加することも考えられるため、新築・中古マンションとも分譲等価格は総じてやや上昇している。


  • 武蔵野市(吉祥寺)【マンション分譲価格:横ばい】
    • JR吉祥寺駅周辺地域におけるマンションは新築及び中古ともに需要の底堅さが窺えるが、立地面で劣る物件は完売までにやや時間を要する状況に変わりはない。富裕層の購入意欲も強く、件数は多くはないが高額優良物件の取引も散見される。そのため、分譲価格には上昇機運が見られるものの、需要の中心は一定の相場内で形成されており、総合的にはマンション分譲価格は前期から横ばいである。


  • 立川市(立川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 郊外部における最寄り駅至近の新築マンションは、価格の値頃感から契約率は高い傾向にあるが、住環境のやや劣るマンションはエンドユーザーの環境重視の傾向から、苦戦して在庫を抱えた物件も見られる。しかし、最近、JR立川駅至近に所在し利便性の良好な高層マンションが、即日完売した ケースも見られており、マンション分譲価格は前期と同様にやや上昇している。



神奈川

  • 横浜市(都筑区/筑区センター南)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区は従来から子育て世代を中心に人気が高く、需要と供給のバランスも保たれている。分譲価格は上昇傾向にあったが、今後高騰し続ける建築費を分譲マンションの販売価格に転嫁できるかは、現状及び将来に向けたエンドユーザーの可処分所得の動向に左右されるが、現状では先行き不透明である。そのため、マンション分譲価格は横ばいに転じている。


  • 横浜市(青葉区/美しが丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当期、美しが丘2丁目で分譲が始まったマンションの分譲価格は高い水準での売り出しとなった。市場では分譲価格は上限に近づいたとの認識が広がり、建築費の上昇分を分譲価格に転嫁することが困難な状況になりつつある。エンドユーザーの需要は新築市場から中古市場へと移りつつある状況もう かがえるようになっている。そのため、マンション分譲価格は横ばいで推移している。


  • 川崎市(中原区/元住吉)【マンション分譲価格:横ばい)】
    • 当地区の駅周辺における分譲マンションの販売は確認できなかったため、隣接する武蔵小杉駅周辺地区における分譲マンション市況は好調であることから当地区においても堅調であることがうかがえる。ただし、マンション分譲価格は上限に達しつつあるとの見方が市場において広がっていることから、マンション分譲価格は安定的に横ばいで推移している。


  • 川崎市(麻生区/新百合ヶ丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区内では目立った分譲マンションの供給がないが、駅徒歩5分以内の駅近接エリアで250万円/坪、徒歩10分圏内で200万円/坪程度が分譲マンションの価格設定の上限で前期からの変化はない。分譲物件は周辺地区のものであり、立地に優る当地区とは要因の差異があるものの、周辺地区の状況を 踏まえると当地区におけるマンション分譲価格は総じて横ばいである。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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