不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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新築マンション(3都県)価格動向、鑑定評価員コメント(2012-08-27)


本日、マンション広告なし。

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国土交通省が8月24日、全国主要都市の計150地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。
比較的バイアスのかかっていない、新築マンション市況を知り得る数少ない情報。
都3県の新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」を拾ってみた。


埼玉

  • さいたま市(新都心))【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区の賃貸マンション需要は根強く、更に供給量も少ない為、新築・築浅のマンション賃料は横ばいである。一方、周辺の相当の築年を経たマンション、アパートには空室が見られ賃料は下落傾向にある。



千葉

  • 千葉市(中央区/千葉港)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 湾岸エリアだが海から離れたマンションに好調な売行きが認められるが、総じて湾岸エリアの新築分譲マンションは苦戦している。中古マンションについても、売り物件は出てくるが、エリア外への転出が多いため、買い手が少なく、なかなか成約に至らない。そのため、マンション分譲価格はいまだに震災の影響を受けながら下落傾向にある。

  • 千葉県(浦安市/新浦安)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 中古マンション、中古戸建住宅については、浦安市地縁者を中心とした需要が比較的安定している。しかし、売在庫が増加しており、買手市場が続いているため、値下げ圧力は強い。取引数は未だ低水準であり、まとまった住宅需要は見込めず、当分新規分譲需要もないことから、マンション分譲価格は下落傾向にある。

  • 千葉県(柏市/柏の葉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 市外からのファミリー層の需要減退に回復は見られていないが、地域内のマンション、戸建住宅需要はやや回復傾向が見られており、駅前の高層マンション分譲価格は概ね横ばいで推移している。



東京

  • 千代田区(番町)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 優良な新築もしくは築浅物件を求める需要は引き続き堅調である。計画が公表済みのものを含む新規物件の販売情報をにらみながら、一方で中古の優良物件を物色する動きも続いている。これらの動向を総合的にとらえると、マンション分譲価格は横ばいで推移している。

  • 中央区(佃・月島)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 都心へのアクセス等の立地の優位性から当地区のマンションに対する需要者は底堅く、マンション分譲価格は横ばい傾向であるが、当地区における分譲マンションの新規供給が今後多数予定されていることから、需要との兼ね合いで先行きの価格に対する懸念も存在する。消費税増税の影響については、駆け込み需要等の影響は不透明であることから、分譲価格の動向には今後も注視が必要である。

  • 港区(南青山)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 専有面積が小さく分譲単価を低く設定した新築マンションの供給が増えており、これらに対する個人の需要は堅調である。このため、新築マンションの分譲価格は横ばいとなった。ただし、専有面積が大きく分譲時の単価の高かった中古マンションに対する需要は低調で、これらの価格は引き続き下落している。

  • 港区(高輪)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 東京メトロ南北線沿線では、大手・中堅デベロッパーにより中・小規模のマンション供給が続いており、販売状況も堅調でマンション分譲価格は概ね横ばいである。当期は、南北線沿線の隣接地区で大規模な定期借地権付マンションが販売され、来場者数等好調であり、来期には都営浅草線沿線の隣接地区でタワーマンションの販売が予定されており、周辺地区のマンション開発に与える影響が注目される。

  • 港区(芝浦)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区の超高層中古マンションの供給は、前期及び前年同期と比較すると減少しているが、需給バランスから価格を押し上げることはなく、当期の超高層中古マンションの売り出し価格は前期と同様に概ね横ばい傾向で推移している。隣接する湾岸地区において超高層中古マンションの供給が増加傾向にあるが、当期において当地区に影響は見られない。以上から、当期のマンション分譲価格は概ね横ばい傾向である。

  • 渋谷区(代官山)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 高額マンションの買受需要は弱いが大幅な需給バランスの崩れは見られず、値頃感のある新築分譲マンション価格は横ばいである。また、富裕者層の買い受け(買換え)需要も堅調な兆しが窺える。

  • 文京区(石川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 住宅ローンの低金利、消費税値上げ前にマンション購入を検討する世帯の増加等によりマンション販売は好調である。なお、当地区は、播磨坂を中心とする比較的高級な住宅街であることから、新築マンションについては、比較的グレードの高いものが計画され、マンション分譲価格は、高水準の横ばい傾向である。

  • 品川区(品川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 近年、当地区において新規の大型マンション分譲はない。築5〜9年の大型中古マンションが価格の指標となっており、当該中古マンションの成約専有単価は200万円/坪程度でほぼ安定していることから、マンション分譲価格は横ばい傾向である。

  • 江東区(豊洲)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 東日本大震災後に販売した当地区の高層マンションは即日完売している。帰宅難民の問題を背景に、都心部への接近性が良好で、エンドユーザーが求める防災設備を充実させたマンションの売行きは好調であるが、震災前に竣工した分譲住戸の処分も引続き急がれることから、前期と同様、実質的な価格上昇には至っておらず、マンション分譲価格は概ね横ばいで推移している。

  • 世田谷区(二子玉川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区に新規分譲物件は無いが、当地区周辺の瀬田等の販売物件は当初価格を引き下げることはなく、底堅く推移している。その他に、既存物件の建替えに伴う戸数増加による新規供給計画(平成27年竣工予定)の動きがある。中古マンションについては、1〜2年前の分譲物件を当初価格より10%引き下げて成約している事例がある一方、徒歩10分圏内で築10年以内で、5,000万円程度の価格帯であれば成約につながっている事例もあるため、マンション分譲価格は横ばいで推移している。

  • 武蔵野市(吉祥寺)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 御殿山地区で販売が始まった大型マンション価格は、戸当たり1億円半ばを最高に最多価格帯7,000万円前後である。最寄駅から徒歩10分ながら住環境等は条件が優れるため早期に成約する可能性が高い。吉祥寺駅周辺においては新築物件の供給が少なかったが、現在は吉祥寺通り沿いで建築中の中規模マンションの分譲価格はこの1年変化がないことなどから当地区の新築マンションの分譲価格は、横ばいで推移している。中古マンション価格は、景気を反映した需要の減速傾向によりやや下落傾向にあり、比較的築浅の物件でも若干の陰りが見られる。

  • 立川市(立川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 今春完成した新築分譲マンションは、駅からやや遠いことや環境条件の見劣りなどにより完売に至らず、さらに販売は苦戦している。立地条件の悪いマンションを中心に売れ残り物件の値引き販売が予測されることから、マンション分譲価格は下落したが、当地区のように駅から比較的近く、環境条件も比較的良好な地域では分譲価格の値下がりは止まり横ばいとなった。



神奈川

  • 横浜市(都筑区/筑区センター南)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 分譲マンションは、駅周辺にここ半年間で数棟分譲されているが、20〜40戸程度の小規模なマンションで専有坪210〜220万円程度である。大規模マンションに需要が集まりやすくやや成約状況は芳しくないが、マンション分譲価格は前期に比べ横ばいで推移している。ここ1年の間でセンター北駅周辺の商業施設の建設が始まり、センター北周辺のマンション分譲価格が上昇しつつある。

  • 横浜市(青葉区/美しが丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • たまプラーザ駅南口直結の定期借地権マンションは、3月会員向け販売に続き5月一般分譲も即日完売した。周辺地域で現在販売中のマンションは数次分割販売しているものの一部売れ残りが見られる。たまプラーザ駅15分の物件は若干駅に遠いこともあり苦戦している。分譲価格に特に変動状況は見られないため、マンション分譲価格は横ばいで推移した。

  • 川崎市(中原区/元住吉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 駅に隣接する武蔵小杉駅南口再開発ビルは工事中で、平均分譲価格は6千万円台を超えるため、かつての売り出し物件のように即日完売とまではなっておらず、現在も販売が続いている。しかしこの物件も含め武蔵小杉駅徒歩圏の物件は販売時に完売又は90%以上の成約率となっているものが多く、依然として根強い人気がある。当地区の特徴は交通利便性の良さと隣接する東京と比べての割安感であり、地区全体の開発が中盤にさしかかった現在、高額物件の売却が課題といえ、マンション分譲価格は横ばいで推移している。

  • 川崎市(麻生区/新百合ヶ丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 新築マンション市場については、住宅取得支援策(住宅取得資金に係る贈与税の非課税枠の拡充)等の政策効果により、市況・需給ともに回復基調にあるが、分譲価格に反映されるまでには至っていない。新百合ヶ丘駅徒歩5分の立地で定期借地権付分譲マンションが事業中(総戸数85戸)であり、分譲価格が明らかになった。駅周辺では他に分譲マンションの供給余地はほとんどなく、今後の売行きが注目される。利便性及び品等良好なマンションについては需要が根強く、マンション分譲価格は概ね横ばい傾向で推移している。

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