不動産情報サイト「住まいサーフィン」を運営しているスタイルアクト社は9月7日、「管理会社満足度ランキング2017」を発表。
同ランキングの公開は2009年から始まって、今回で9回目。
調査対象者は、「住まいサーフィン」会員のうちマンション購入済みの入居者など。有効回答数は、3年連続で2千人前後を維持している(次図)。
野村、三井、住友の総合満足度が高い
過去3年間の「総合満足度」のランキング20位までを対象に可視化したのが次表。
主なポイントは次のとおりだ。
- 多少の順位の入れ替わりがあるが、「野村不動産パートナーズ」「三井不動産レジデンシャルサービス」「住友不動産建物サービス」の3社の総合満足度が高い
- 伊藤忠アーバンコミュニティ」と「東京建物アメニティサポート」の2社が赤丸上昇中
- マンション管理受託戸数が多い「大京アステージ」と「日本ハウズイング」の2社の「総合満足度」はそれほど高くない
雑感
スタイルアクト社には、丁寧な資料を期待したい
じつは、ランキングにいたる各項目の数値が何を意味しているのか、今回の発表資料には説明がない。
4年前(2013年)の発表資料まで遡ると、次の6項目を、5段階で質問し100点満点で評価していることが分かる。
- (1)管理人 (2)管理会社 (3)管理費・修繕 (4)生活サービス (5)全体満足度 (6)推奨度
たとえば、「管理人」に係る5つの設問のうちの1問目は次のとおりだ。
Q1.管理人は役に立っていますか。あなたの満足度をお答えください。
- 満足している/どちらかといえば満足している/どちらでもない/どちらかというと不満である/不満である
「満足している」が100点、「どちらかといえば満足している」が75点、・・・、「不満である」が0点、ということなのであろう。
あと、今回の調査対象者は、<「住まいサーフィン」会員のうちマンション購入済みの入居者など>とされている。「など」って何だ?
「など」の中に利害関係者が含まれていることはないのか?
スタイルアクト社には、発表内容を正確に理解できるよう丁寧な資料作りを期待したい。
以上の調査対象者の曖昧さと評価手法を理解したうえで――
調査結果はどの程度、実態を反映しているのか?
調査対象者は、いくつものマンションを住み比べて回答しているわけではない。あくまでも、自分の住んでいるマンションを評価しているに過ぎない。
自分が住んでいるマンションがたまたま、ブランド力のあるマンションだと、期待される満足度のハードルが高いというバイアスがかかっていないだろうか。たとえば、少しでも管理人の対応が悪いと、低評価にしてしまうとか。また、その逆も。
いわゆるランキングモノに対しては、前提条件をしっかり確認したうえで、受け止めたほうがいいのではないのかという話。
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