マンション建替推進協会は11月18日に７都市で、初のマンション建替士の資格試験を実施する。
「マンション建替士」創設で今後、建て替えは促進するのか……。
初の建替士試験、全国７都市で実施（日刊建設工業新聞）
マンション建替推進協会は11月18日に７都市で、初のマンション建替士の資格試験を実施する。
マンション建替推進協会／11月18日に初の建替士試験、全国７都市で実施
マンション建替推進協会（塚越隆行代表理事）は9日、「マンション建替士」試験を11月18日に７都市（札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡）で開催すると発表した。申し込みは7月17日~10月12日に受け付ける。
マンション建替士の資格試験を実施するのは初めて。合格して協会の資格登録を受けたマンション建替士には、住民主体の建て替えを支援する専門家として実務的な助言などに取り組んでもらう。（以下略）
（日刊建設工業新聞 4月10日）
「マンション建替士」とは
マンション建替士とは何なのか？
同試験を実施するマンション建替推進協会のホームページで確認してみよう。
マンション建替士とは
マンション建替士とは、老朽化したマンションの建替えを推進するために、住民の方々の自主的な建替えを推し進めることを支援する専門家です。
一般社団法人マンション建替推進協会（以下「本協会」という）が実施した試験に合格し、協会の資格登録を受け、かつ協会発行のマンション建替士証の交付を受けたものをいいます。
マンション管理士の受験資格は、次の国家資格を有していること。
※二級建築士はダメ。
- 弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・不動産鑑定士・一級建築士・土地家屋調査士・測量士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者
第1回の試験は18年11月18日（日）。第2回の試験は19年6月中旬（年2回実施する予定なのか？）。
受験料2万円、登録料2万円のほか、3年ごとの更新費用（未定）が掛かる。マンション建替士の需要が高まれば、同協会にとって、結構おいしい士ビジネスになるかも……。
これまでも不動産系の士ビジネスとして、モーゲージプランナーや住宅ローンアドバイザー、愛犬家住宅コーディネーターや空き家管理士などが創設されている（空き家管理士・相談士は、空き家問題の解決に資するか）。これらの民間資格はその後どうなったのか。
「マンション建替士」創設で、建て替えは促進するのか…
これまでの建て替え実績を確認してみよう。
マンション再生協議のホームページには「マンション建替え円滑化法による建替え事例の一覧」として、耐震偽装マンションの建替組合事業等12件を除く、81事例が掲載されている（4月9日現在）。
データ欠損を除いた78事例につき、マンション建替組合認可年ごとの件数を集計したのが次図。
2013年を除くと、二桁に満たない。
さらに、横軸に「組合認可時点の築年数」、縦軸に「建替後戸数/建替前戸数」描いたのが次図。
建て替え後に住戸数が増えない（100％を超えない）事例は少ないことが分かる。「建替後戸数/建替前戸数」の平均値は180％。マンション建替士が支援するにしても、建て替え後の総戸数が大幅に増えないと建て替え実現は難しそうだ。
