第217回 国会 衆議院「安全保障委員会」において4月11日、松尾明弘 衆議院議員(立憲)により「米軍ヘリ飛行と羽田新ルート問題について」の質疑があった。
ネット中継録画をもとに、テキスト化(約4千文字)しておいた。
※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。
- 松尾明弘 衆議院議員(立憲)
- 松尾:在日米軍のヘリコプターの離発着状況、把握?
- 地方協力局長:逐一詳細を把握しているわけではございません
- 松尾:(米軍ヘリと羽田着陸便との交差)リスクについて?
- 航空局交通管制部長:十分安全間隔を確保するということにしている
- 松尾:航空法に抵触、軍用ヘリが日常的に行ってもいい?
- 航空局交通管制部長:安全を最優先に配慮して行われている
- 松尾:在日米軍の組織改編、赤坂プレスセンター(米軍ヘリの往来)どう変化?
- 防衛政策局長:(当該人員)ヘリによる移動、想定されておりません
- 松尾:もう1回教えてもらっていいですか?
- 防衛政策局長:アップグレードに伴うヘリ移動、想定されていない
- 松尾:(情報公開の重要性、必要性)大臣の見解?
- 中谷防衛大臣:米側から、できる限りの情報を得るように努め・・・
- 松尾:ベースになるのは国民の信頼・理解だ
- 雑感(政府、米軍ヘリ増加の影響に答えてない!?)
松尾明弘 衆議院議員(立憲)

松尾明弘 衆議院議員(立憲民主党、当選回数2回、東大法卒、50歳)
松尾:在日米軍のヘリコプターの離発着状況、把握?
ちょっと、話変わりまして在日米軍の総司令部の移転の話、少しさせてください。
在日米軍のですね、総司令部がですね、移転をするかもしれないと。そしてアップグレード、今進めている。サテライトオフィスを港区にあります赤坂プレスセンターといったところに設置をした。こういったことがですね、報道されまして、先週もこの安全保障委員会でも少しお話をさせていただきました。
この赤坂プレスセンターにはですね、ヘリポートがありまして、ヘリの離発着、在日米軍のですね、ヘリコプターの離発着が日常的に行われているのですが、この具体的なですね、在日米軍のヘリコプターの離発着状況、使用状況について、防衛省としてどのように把握をされているのか教えてください。
地方協力局長:逐一詳細を把握しているわけではございません

田中利則 防衛省地方協力局長(中央大法学部卒、1990年防衛庁入庁)
お答えをいたします。防衛省といたしましては、ご指摘の米軍機、赤坂プレスセンターの利用状況について逐一詳細を把握しているわけではございませんけれども、この赤坂プレスセンターにおける航空機の運用に関しましては、米側から「基本的にビルなどの障害物がない都立青山公園側からヘリポートにアプローチをしている。
全ての飛行運用を安全に実施しており、国際民間航空機関ICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われている。赤坂プレスセンターの周囲にはヘリコプターが安全に進入するために必要となる空間が存在しており、全ての飛行を安全に実施している。
ヘリポート周辺の政策研究大学院大学等は米軍の運用において支障にはなっていない。
米軍は日米安保条約、日米地位協定および日米合同委員会の合意に従い、引き続き全ての航空機を安全に運行する」との説明を受けているところでございます。私どもとしましては、引き続き米側に対して安全面に配慮し地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるよう求めてまいりたいと考えております。
松尾:(米軍ヘリと羽田着陸便との交差)リスクについて?
先週、私が配布資料で配ったようにですね、フライトレーダー等のサービスを利用すれば具体的なですね運航状況というのは見られるわけですから、やっぱり具体的にはですね、防衛省としても把握をしていただいて、アメリカの説明がきちんと正しく正確であるといったこともですね随時確認していただければと思っています。
これもですね先週少し話したんですけども、ヘリコプターがですね赤坂プレスセンターは港区にあって、西の方にあります横田基地、あとは神奈川県厚木基地、こういったものに飛んでいくわけで、西に向かって飛び立つわけですね。
青山公園の上っておっしゃってますけども、そうなると今度羽田空港に着陸してくる飛行機とですね、航路がですね交差をするわけです。これが非常にリスクが高いのではないかというふうに考えているのですが、そこのリスクについてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
航空局交通管制部長:十分安全間隔を確保するということにしている

石崎憲寛 国交省航空局交通管制部長
お答え申し上げます。羽田空港におきます新経路の運用にあたりましては羽田空港到着機とヘリコプターなどの有視界飛行方式により飛行する航空機の飛行の安全を確保するために、特別管制空域等を指定しているところでございます。
有視界飛行方式により飛行いたします米軍機につきましては特別管制空域の通過が必要な場合には管制機関への連絡を行うこととなってございます。連絡を受けました管制官は交通状況などに応じまして一時的に特別管制空域外での待機を指示するなど、十分な安全間隔を確保するということにしているところでございます。
松尾:航空法に抵触、軍用ヘリが日常的に行ってもいい?
そういったですね運航上の安全確保というものは行われているとはもちろん思っています。
それは世界中で行われているわけですけども、実際に1月にはワシントンで旅客機と軍用ヘリが衝突して墜落をするという痛ましい事故がありました。あれは川に墜落したので、川で良かったとは言わないですけれども、最小限だったかなと思いますが、あれがやっぱり都心の上空で起こってですね、都心には当然港区なんて密集してますから落ちてきたらもう比ではないぐらいのですね大惨事になるわけです。
こういったリスクはきちんと考えていただきたいと思うのと、あと高度についてですねやっぱり羽田空港の着陸便がですね降りてくるに従ってだんだん航路を下げてくると。ただ港区の上空辺りはだいたい最低でも、最低で750m高度になるというふうに聞いております。
この750mの高度の下をですねヘリコプターが通ろうとすると、今度は日本の航空法で、一番高い建物より300m以上飛ばなければいけないと。こういった航空法の規則に抵触をすることになるんですけども、これを軍用ヘリがですね日常的に行ってもいいとされている理由は何でしょうか。

「首都異常飛行|米軍ヘリの低空飛行問題、津村衆議院議員(立民)」より
航空局交通管制部長:安全を最優先に配慮して行われている
お答え申し上げます。米軍機につきましては、日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律に基づきまして、最低安全高度などの航空法の規定の一部についてはその適用が除外されているところでございますが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することが当然の前提になっているものと認識しておるところでございます。
委員ご指摘の米軍のヘリの飛行につきましては、ICAOのルールや航空法と整合的な米軍の規則に従いまして、安全を最優先に配慮して行われているものと承知しているところでございます。
松尾:在日米軍の組織改編、赤坂プレスセンター(米軍ヘリの往来)どう変化?
はい、このですね日米地位協定の取り決めによってですね、やっぱりその日本の空の安全を守るために定められている航空法の高度の問題がですね、やっぱり日常的に破られている。
法律的には整合性取れてるのかもしれないけども、実態としてはですね危険な状態が続いているわけです。こういった問題はですね、やっぱり1つ1つ解消していくということがですね、やっぱり周辺の住民にとってもひいては日本全体のこの在日米軍に対する感情という面でもですね非常に重要だと思いますので、きちんと取り組んでいっていただきたいと思っております。
一方で、このサテライトオフィスがですね赤坂プレスセンターに設置をされたもしくは今後ですね在日米軍の総司令部が組織改編の方にアップグレードして赤坂プレスセンターにくるようなことがあったらですね、このヘリコプター、軍用ヘリコプターですね行き、来往来というものは増えたり減ったりするのでしょうか。どう変化するのか教えてください。
防衛政策局長:(当該人員)ヘリによる移動、想定されておりません

大和太郎 防衛省防衛政策局長(慶大卒⇒タフツ大学院卒、1990年防衛庁入庁)
今回アップグレードに伴いまして設置される自衛隊の統合作戦司令部と連絡調整を行う部門の人員は市ヶ谷を訪れて連絡調整の一環として業務を行うことが予想されますが、その際ヘリによる移動というものは想定されておりません。
また防衛省といたしましては今般のアップグレードの開始を受けて、東京都や港区などの関係自治体に対して説明を行いました。
防衛省といたしましては引き続き周辺地域に与える影響は最小限になるよう今後とも米側に働きかけを行っていくとともに関係自治体に対して丁寧にご説明をするなど適切に対応してまいりたいと考えております。
松尾:もう1回教えてもらっていいですか?
ヘリコプターの発着の増便がどうなるのかっていうあたりは、今ご答弁頂けなかったかなと思うんです。もう1回教えてもらっていいですか。
防衛政策局長:アップグレードに伴うヘリ移動、想定されていない
お答え申し上げます。今回のアップグレードに伴ってということで申しますと、繰り返しになりますが、この要因が市ヶ谷を訪れて連絡調整を行う際にヘリによる移動というものは想定されていないということであります。
松尾:(情報公開の重要性、必要性)大臣の見解?
あまり変わらないってことですかね。
今聞いてきた通りですね、地域協定もあってこの低い航路を飛んでいてもですね特に何か申し入れはするけれども変わるかどうかよくわからない。どのように飛んでいるかというのがわからないといった状況はですね非常に不健全であるというふうにやっぱり言わざるを得ません。
羽田空港のルートとですねまあ交差をする。これによるリスクというものもやっぱり看過はできないものであって、やっぱりヘリコプターのですね往来についてはやっぱりどうするのかっていうのは考えなければいけないし、どうしても地位協定の問題等でこれを変えることができないのであれば、それは今度はこの羽田空港の着陸便のルート、今まで通り都心の上空飛んでいることが本当にいいのかっていうこともですね合わせて検討していかなければいけないというふうに考えています。
特にですね今の一連のことを通じてやっぱり地域の住民は何が起こってるのかとよくわからない。このサテライトオフィスの移転についても、「移りました」っていう事後報告であったりするわけです。
こういうですね説明責任をきちんと果たす、情報公開をきちんとするということはやっぱり日本が主権国家であり民主国家である以上は絶対に必要だというふうに考えていますけれども、この情報公開をきちんと行っていくこと、この重要性、必要性について、ちょっと大臣の見解教えてください。
中谷防衛大臣:米側から、できる限りの情報を得るように努め・・・

中谷元 防衛大臣(自民党、当選回数12回、防衛大卒、元陸上自衛官、67歳)
今後とも米側からですね、できる限りの情報を得るように努め、速やかに関係自治体の皆様に情報提供するとともに、米側に対して航空機の飛行訓練に際して安全面に最大限配慮しつつ地域の皆様に与える影響を最小限にとどめるように求めてまいります。
特に港区の今再開発というのはもう本当に昔は東京タワー333mしかなかったんですけど、それを超えるタワーがですねもう乱立しておりますのでかなり環境や状況も変わってきつつございますので、こういう点も一度検討してまいりたいというふうに思っております。
松尾:ベースになるのは国民の信頼・理解だ
はいありがとうございます。もう本当にですね何度も言うように緊張感の高まり、東アジアの緊張感の高まり、それに対応しなければいけない必要性っていうものは私も十分認識をしています。
一方で、やっぱりそれに対して対応する本当にベースになるのは国民の信頼・理解だというふうに思ってますので、信頼して説明責任を果たすということも併せて行っていただきたいと要望しまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
雑感(政府、米軍ヘリ増加の影響に答えてない!?)
松尾明弘 衆議院議員(立憲)は4月11日、安全保障委員会で33分間登壇し、次の3件を取り上げた。
- 自衛隊設置法改正について
- ACSA共通規定化について
- 米軍ヘリ飛行と羽田新ルート問題について
「米軍ヘリ飛行と羽田新ルート問題について」は、赤坂プレスセンターに発着する米軍ヘリの問題を中心に、羽田新ルートとの交差リスクなどを質疑。
在日米軍の組織改編に伴い総司令部が赤坂プレスセンターに設置されると米軍ヘリの往来はどう変化するのかという質問に対して、防衛政策局長の次の答弁。
自衛隊の統合作戦司令部と連絡調整を行う部門の人員は市ヶ谷を訪れて連絡調整の一環として業務を行うことが予想されますが、その際ヘリによる移動というものは想定されておりません。
自衛隊の統合作戦司令部の創設や在日米軍の統合軍司令部へのアップグレード(機能強化)に係る連絡調整要員は米軍ヘリ往来増加をもたらさないとしても、米軍総司令部が赤坂プレスセンターに設置されるとなると、連絡調整以外の要員が米軍ヘリ往来の増加をもたらす可能性があるのではないのか。
政府は、連絡調整以外の要員による米軍ヘリ増加の影響については答えてない……。
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