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羽田新ルート|港区議会「24年第1回定例会」予算特別委員会(質疑応答)

港区議会「24年第1回定例会」予算特別委員会「環境清掃費」(2月29日)で、羽田新ルートに関して、山野井つよし議員(みなと政策会議)の質疑応答があった。

ネット中継録画をもとに、質疑応答(約2千600文字)を可視化しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境課長


山野井つよし議員(みなと政策会議)

山野井つよし議員(みなと政策会議)
山野井つよし議員(みなと政策会議<立憲民主党>、区議3期、元塾講師、成蹊大法学部政治学科卒、46歳)

山野井:1月2日に発生をした事故の原因?

私からは、よろしくお願いします。羽田空港の機能強化について質問をさせていただきたいと思います。

今年は元旦に最大震度7を記録した能登半島地震が発生をいたしました。震源から離れている港区でも揺れを感じ、テレビからは大津波警報が流れるなど、新年早々から自然災害による不安というものを感じずにはいられませんでした。こうした中、翌2日には羽田空港において、飛行機が炎上しているとの報道に接しました。


近年、国内の旅客機に関する情報は空港において、欠落した部品が見つかったですとか、乱気流により機体が揺れ怪我人が出たなどで、犠牲者が出るようなもの、あまり記憶がありません。しかし今回は航空機同士の衝突であり、残念ながら海上保安庁の職員の方に犠牲者が出てしまう、発生してしまうという大変衝撃的なものでした。


前日に発生した能登半島地震への対応のために離陸をされる直前だったと、直前の事故だったということで、本当に残念でなりません。被災地への応援という高い使命感を持ちながら、事故により亡くなられた海上保安庁職員5名の皆様のご冥福とご家族の方々に、これよりお悔やみを申し上げますとともに、負傷されました機長さんの1日も早い回復をお祈りいたします。


さて、今回の航空機事故の衝突事故に関して、地域の方々からは「羽田空港の機能強化で羽田が過密だったから事故が起きたのではないか」ですとか、「管制官が不足していたのではないか」などの声も伺いをいたします。


そこでお伺いをいたします。航空行政は国交省が所管のため区で把握できるということは多くはないかもしれません。けれども、1月2日に発生をした事故の概要とその原因について国から何らか聞いておりますか。お聞きをしたいと思います。

課長:現在運輸安全委員会において進められている

環境課長
(環境課長)

1月2日17時47分頃、日本航空の航空機が海上保安庁所属の航空機とC滑走路で衝突をいたしました。国からは事故の概要や事故による影響、事故後からC滑走路の使用できないための運用変更や8日から運用が再開されることなど、逐次情報提供がありました。

事故の原因究明等の調査については、現在運輸安全委員会において進められていると聞いております。

山野井:羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会、今後の予定?

今回の事故と羽田空港の機能強化、この因果関係は国はおそらく認めないでしょうけれども。機能強化がどこまで影響したかについてはともかく、少なくとも羽田空港の過密化といったものが事故の背景にあるというのは、私は間違いないではないかというふうに思っています

区のほうでも要請しておりますとおり、地方空港の活用ですとか、そういったことで分散化を図っていくことが大事だということを今回の事故で私はますます感じたところでございます。次にまいります。


国土交通省では今回の事故を踏まえ、羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会という検討会を立ち上げ、既に3回開かれているそうです。

そこでお伺いしますが、この検討会とはどのような検討会なのか、その構成されているメンバーやどのような検討されているのか、また、今後の予定について分かっていることがあれば教えてください。

環境課長:本年の夏には中間取りまとめ

事故対策検討委員会のメンバーは早稲田大学の小松原教授を座長とする大学教授や航空評論家など9名の有識者と2つの関係団体で構成されています。

主な検討内容は、パイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化の必要性や、パイロット・管制官の更新の見直しの必要性等です。事故対策検討委員会はこれまで3回開催され、事故概要の説明や管制側と航空機側の運用面のプレゼンテーションなどが行われています。

次回の第4回は3月27日に予定され、4月以降は数回開催されますが、その間、海外調査報告等も行われ、本年の夏には中間取りまとめを行えるよう検討を進めていくと聞いています

山野井:固定化回避検討会の今後の見通し?

ありがとうございます。最後に、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の開催時期についてお伺いをしたいと思います。

本来であれば、この固定化回避検討会は昨年の夏から秋にかけて開かれるはずでした。しかしその時期が過ぎても開催されないことから、先月23日に議長と区長が国土交通省を訪問し、改めて固定化回避の早期実現というものを要請をしていただきました。

区議会や区ではこれまで何度も検討の加速化を求めてきておりますけれども、「安全性の検証が終わっていない」とのことでなかなか開催されておりません。大きな事故が今回発生をしたことで、国土交通省はこちらの方の対応に追われてしまっているのではないか。また、先ほど止めたメンバーの詳細まではお話しいただけてないですけれども、事故対策検討会とこの固定化回避検討会では一部のメンバーも重複をしているということもあります。

そうしたことから、固定化回避検討会の開催がさらに遅れていくのではないかということ、大変危惧をしております。


そこでお伺いをいたしますが、固定化回避検討会の今後の見通しについて何か聞いていることがあれば教えてください

環境課長:早期開催を強く求めてまいります

国交省からは先月23日に区長と議長が要請した際、「事故原因は運輸安全委員会で調査中だが、現時点では直接的に固定化回避の検討に影響してくるものとは考えていない。今回の事故を踏まえ、安全性の検証については丁寧かつ慎重な検討が必要であることを改めて認識しつつも迅速に行っていく」と聞いておりますが、次回の開催についてはまだ示されていないことから引き続き国の動向を注視するとともに、固定化回避検討会の早期開催を強く求めてまいります

山野井:国の動向をしっかりと引き続き注視を

よろしくお願いいたします。今回の2日の事故も含めまして、地域の方は固定化回避には大変大きな関心を持っているということは言うまでもないことかと思います。

いつまでも開催されないこの検討会、固定化回避の検討会が開催をされないということに対しては、一部の識者の方も指摘をされていますけれども、ルートを変えない限り、元のルートに戻していかない限り、技術で都心上空、港区上空を飛ばなくするということはなかなかできないんではないかという思いが、いつまでも開かれないとそういった思いが、やっぱ日に日に強くなっていってしまうということがあります。

国の動向をしっかりと引き続き注視をしていただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。

雑感

予算特別委員会「環境清掃費」で登壇した16名の議員のうち、山野井つよし議員(みなと政策会議)だけが羽田衝突事故・羽田新ルート問題を取り上げたことは評価したい。

ただ、残念ながら環境課長からは新たな情報を引き出すには至らなかった。

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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