不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


羽田新ルート|豊島区議会「24年第1回定例会」質疑応答

豊島区議会の「24年第1回定例会」本会議一般質問(2月21日)で、羽田新ルートに関して、清水みちこ議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約1,800文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

清水みちこ議員(共産)2月21日【一般質問】

清水みちこ議員
清水みちこ議員(共産党、区議3期、愛知県女子短大卒、57歳)

清水:大事故が発生してもなお、国際競争力や利便性の向上が優先されるとの区長の考えは変わりませんか?

次に大きな第3の質問。羽田空港の新飛行ルートについてです。
今年1月2日、羽田空港で日本航空機と海上保安機との衝突事故が発生しました。日航機の乗客乗員は全員脱出しましたが、海上保安機の乗員5人が死亡。滑走路上で機体が激しく燃え上がる事故の映像は大きな衝撃を広げました。


そこで質問です。このような大事故を再び起こさないためにも、区は国に対して多角的な原因の究明を行い、公表すること、事故の再発防止と安全対策をより具体的に示すよう求めるべきだと考えますが、いかがですか?


同月11日、私と垣内議員は我が党・宮本徹衆院議員、山添拓参院議員、党都議団らとともに国土交通省、海上保安庁、運輸安全委員会、警視庁などから事故の経過や原因究明、事故防止策について聞き取りを行いました。
宮本氏、山添氏や参加者が労働現場から、「業務が増えているのに、管制官数は抑制され、いつか事故が起きるのでは」と声が出ていた。新飛行ルート運用開始による運航便の増大、過密化が事故の背景にある可能性がある。「海から入って海へ出る」元の運用に戻すべきことを指摘したのに対し、担当者は「事故要因は今後の解明」としながらも、「過密化も事故の背景にあり得るという認識はある」と答弁いたしました。


都心上空を低空飛行する新飛行ルートは、国際線増便のため2020年3月から運用開始。本区の千早、長崎、南長崎などの地域が新ルート直下になっており、事故や落下物、騒音、振動、資産価値の下落などが区民の命と暮らしを脅かしています。

私は運用開始前から何度も高野前区長に対し、新ルート中止・撤回を求めてきました。しかし、国際競争力、観光客の誘致、利便性の向上などから、現時点で羽田空港新ルートの撤回を求める考えはないと拒否し続けてきました。

昨年第2回定例会の一般質問で、我が党は就任間もない高際区長に、新ルート中止・撤回を国や都に求めるよう質しましたが、高野前区長と同じ答弁でした。

そこで質問です。高際区長は就任以来、区民の声を聞く、区民目線を強調してきました。これほどの大事故が発生してもなお、国際競争力や利便性の向上が優先されるとの区長の考えは変わりませんか?

区民の命、暮らしを守るためにも、再発防止のためにも、羽田空港の新飛行ルート中止・撤回するよう国に求めるべきですが、いかがですか。答弁を求めます。
以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

環境清掃部長:原因究明を踏まえた再発防止策を徹底するよう国に対して引き続きに求めてまいります

岡田英男 環境清掃部長
(岡田英男 環境清掃部長)

私からは羽田空港の新飛行ルートについてお答えいたします。はじめに、1月2日の羽田空港での衝突事故に関して、原因の公表および再発防止、安全対策を国に求めることについてです。

事故発生直後、国は直ちに緊急の安全対策として、1月6日に滑走路への誤進入を常時レーダーで監視する人員を配置するとともに、同月9日に航空の安全・安心の確保に向けた緊急対策を取りまとめております。

さらに、同月19日に羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会を立ち上げ、さらなる安全・安心対策の検討を開始しております。事故の詳細な原因等につきましては、今後、国の運輸安全委員会において調査がなされることとなっております。


区の対応といたしましては、事故発生以降、国の動向を踏まえ、機会を捉えて国に要請することを想定しておりましたところ、「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会分科会」が事故発生後、初めて2月19日に開催されたので、当分科会において担当部長から直接、国土交通省に対してしっかり原因究明を行うとともに、再発防止のための安全対策を徹底するよう要請を行っております。


次に、羽田空港新飛行ルートの中止・撤回を国に求めることについてです。
羽田空港の機能強化については、これまでもご答弁しております通り、東京の国際競争力を高めるとともに、多くの観光客の誘致、都民・区民の利便性を向上する上で必要と考えております。

一方、区民の安全・安心を守ることは区の重要な役割であり、新飛行ルートに係る騒音や落下物対策等を徹底するよう国に対して引き続き求めてまいります
また、1月に発生した事故についても、原因究明を踏まえた再発防止策を徹底するよう国に対して引き続きに求めてまいります。

こうしたことから、羽田空港新飛行ルートの撤回を求める考えはございません
以上を持ちまして、清水みちこ議員のご質問に対する答弁を終わります。

雑感

豊区議会では羽田新ルートに係る質疑応答はあまり活発ではない。19年以降の定例会で羽田新ルートを取り上げたのは共産党と生活者ネットの塚田議員だけ(次表)。

区長が変っても、暖簾に腕押しの答弁は変わらない……。

羽田新ルートに係る 定例会本会議代表・一般質問実績

あわせて読みたい

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.