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羽田新ルート|港区議会「24年第1回定例会」質疑応答

港区議会「24年第1回定例会」本会議の一般質問(2月15日・16日)で、羽田新ルートに関して、3名の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約2千500文字)しておいた。


もくじ

さいき陽平 議員(みなと未来会議)代表質問

さいき陽平 議員
斎木陽平 議員( こどもの党/みなと未来会議、区議1期、慶応院卒、31歳)

区議:国に対してどのように固定化回避の早期実現を求めていく?

次に、羽田都心上空ルート固定化回避について伺います。令和4年8月3日に開かれた第5回の検討会で示された「今後のスケジュール」では、騒音問題を回避する新しい飛行方式の「課題の洗い出し」、「リスク評価」、「運航者の合意形成」などを経て、「基準素案の策定」を行い、その策定を踏まえ、昨年の夏から秋にかけて第6回の検討会を開く予定であると示されています。

しかしながら、年が明けてもこの第6回の検討会が開かれていません。この第6回の検討会は港区民にとっても非常に重要な会合であるということは自明です。その検討会が開かれていないことに対して、区長、議長が国土交通省に申し入れをしていただいたと伺っております。ありがとうございます。

その結果も踏まえながら、今後、区として国に対してどのように固定化回避の早期実現を求めていくのかについて、区長の見解をお聞かせください。

区長:固定化回避検討会と住民説明会の早期開催を強く求めてまいります

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(5期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、71歳)

次に、羽田新ルート固定化回避の実現についてのお尋ねです。国の第6回固定化回避検討会が当初示されていた昨年夏から秋にかけて開催されなかったことから、先月23日、私は議長と国土交通省に出向き、大臣宛に固定化回避検討会と住民説明会の早期開催等を要請をいたしました。

その際、国土交通省からは、固定化回避検討会が開催できていないことについて、「安全性の検証が途上であるため開催できないが、迅速に行っていく」との回答を得ました。引き続き、動向を注視し、固定化回避検討会と住民説明会の早期開催を強く求めてまいります

阿部浩子 議員(みなと政策会議)代表質問

阿部浩子 議員
阿部浩子議員(立憲民主党/みなと政策会議、区議5期、元衆議院議員秘書、昭和女子短期大卒、56歳)

区議:要請だけではなく国に改善策を求めていくのか?

次に、羽田空港新ルート固定化回避についてです。先日、1月23日に区長と議長は国土交通省に行き、羽田空港の固定化回避と住民説明会の早期開催、羽田衝突事故の再発防止策の徹底について要請されました。令和4年8月に第5回羽田新経路固定化回避に係る技術的方策検討会を開催以降、第6回目が開催されていません

今年の1月2日に羽田空港新滑走路上で日本空港516便と海上保安庁の航空機が衝突する事故も発生しました。私たち区民は1日も早く、羽田空港新ルートの固定化を回避してほしいと願っています。そして、区長は所信表明でも「今後も区民の不安不足に向け国に迅速な対応を行うよう強く要請していきます」と述べられました。

区民の不安な声を区長はどのように受け止め、要請だけではなく国に改善策を求めていくのか、今後の取り組みについて伺います

 

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

区長:区民の不安や疑問を払拭する丁寧な説明を求めてまいります

次に、羽田空港新ルート固定化回避についてのお尋ねです。本年1月23日、私は議長とともに国土交通省に出向き、大臣宛に固定化回避検討会と住民説明会の早期開催等を要請をいたしました。その中で、1月2日に羽田空港で発生した航空機同士の衝突事故は航路下の区民に対し不安を与えるものと考えており、同様の事故が発生しないよう早急な事故原因の究明や再発防止策の徹底等を申し入れました

引き続き、国に対して定期的な意見交換の場など、あらゆる機会を捉え、海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化など、固定化回避の検討を加速するとともに、区民の不安や疑問を払拭する丁寧な説明を求めてまいります

風見利男 議員(共産)一般質問

風見利男 議員
風見利男 議員(共産、区議10期、都立墨田工業高卒、78歳)

区議:都心上空の飛行はやめるよう国に要請すること

羽田都心低空飛行をやめ、海上ルートに戻すとともに、成田空港の利用の拡大についてです。

日本共産党、宮本徹衆議院議員の調査によると、主要7空港での部品欠落は2022年度992個、23年4月から9月は692個です。国土交通省の資料によると、1kg以上の欠落部品は2022年度と23年度7月までに9件です。エンジンカウル25kg、主脚タイヤのゴムの一部10kg、着陸灯と6.4kgなど、9個のうち4個は行方不明です。

人口密集地で落ちたら大惨事になります。都心上空の飛行はやめるよう国に要請すること。


1月2日に旅客機と海上保安庁の飛行機が追突し、海上保安庁職員5名がなくなる悲しい事故が起きました。幸い旅客機の乗客は全員無事に避難することができました。羽田空港の過密運航をなくすことが必要です。

国際便については、可能な限り成田空港を利用するよう国土交通省に要請すること、それぞれと答弁を求めます。

区長:固定化回避に向けた検討を一層加速するよう強く要請

次に、羽田都心低空飛行をやめ、海上ルートに戻すとともに、成田空港の利用拡大についてのお尋ねです。

都心上空の飛行はやめることを国に要請すること及び国際便の利用に関して国に要請することについてです。

区はこれまでも、国に対して、海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化、落下物対策の強化や、今後の航空技術等の進展に伴う飛行経路の様々な運用などにより、新飛行ルートの固定化を回避するよう要請をしてまいりました。また、先月23日、私は議長と国土交通省に出向き、大臣宛に固定化回避検討会と住民説明会の早期開催等を要請をいたしました。


引き続き国の動向を注視し、海上ルートの活用など新飛行ルートの固定化回避や、落下物等への安全対策の徹底を強く求めてまいります

また、国際線の成田空港を含めた地方空港の活用による飛行ルートの分散化など、固定化回避に向けた検討を一層加速するよう強く要請をしてまいります。

雑感(実質的な進展はゼロ)

区長は役人が作成した耳タコ表現を棒読みするだけ。

今回の質疑応答では、実質的な進展はゼロ。

 

港区議会では、定例会本会議で羽田新ルート問題に係る代表・一般質問を取り上げるのは共産党と「みなと政策会議」(⇒改選後:みなと未来会議7人、みなと政策会議4人)だけでなく、自民・公明党議員も少なからず取り上げるのが他の区議会では見られない特徴である(次表)。

とはいえ、毎回取り上げているのは共産だけ。

羽田新ルートに係る定例会本会議代表・一般質問人数 (港区議会の党派別内訳)

羽田新ルートの本格運用開始後に開催された20年第3回定例会では、羽田新ルートに係る登壇者数・文字数(≒質疑応答時間)とも最も多かったのだが、その後減少傾向(次図)。

港区議会 本会議定例会/羽田新ルートに係る 代表・一般質問登壇者数・質疑応答文字数の推移

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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