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羽田新ルート|江戸川区議会「23年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

江戸川区議会の「23年第3回定例会」決算特別委員会(103日)で、羽田新ルートに関して質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約3千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境課長


大橋美枝子 議員(共産)

大橋美枝子 議員(共産)

大橋美枝子議員(共産、区議4期、千葉大卒、74歳)

大橋:「新ルートで都心ルートに移るから減る」減ってない

私は、羽田空港新ルートに関して伺います。ホームページで、昨年度の航空機騒音の測定結果が掲載されました。南風・悪天候の着陸ルートは昨年度は5,360機通過と書かれています。これは5年前と変わらないんですね。

当初、新ルートを作る時の説明の「一定程度、新ルートで都心ルートに移るから減る」という説明があったんですね。ところが、今回は減ってないというのを改めて見まして、これはどういう事情か分かればまず教えてください。


それからもう1点。新ルートで夕方の3時から7時まで、南風・悪天候の場合は都心ルートに移るということだったのに時々航空機が区内上空通っています。それはどういうことでしょうか。以上2点お願いします。

課長:質問、もう一度

環境課長
環境課長

申し訳ございません。1点目の質問はもう一度お願いできますでしょうか。

大橋:国の説明は減りますって言ったのに、どうして減らなかった

5,360機と発表がありました。そうするとこの数は5年前とほぼ同じ数だっていうふうにデータ上を読み取れたんですね。だけど国の説明は減りますって言ったのに、どうして減らなかったのかなっていう、その辺りを聞きたい。

回答があれでしたら、また後でも結構なんですけど。まずはその事情が分かれば教えてもらいたいってことでした。以上です。

課長:後ほど国に確認させていただければ

申し訳ありません。1点目につきましては、「減ることになってる」と、今そのご質問については私初めて聞いたものですから、後ほど国に確認させていただければと思いますがよろしいでしょうか。

大橋:はい

はい。

課長:時間外飛行等、やむを得ず江戸川区上空を飛行することがある

それから2点目の質問でございますが、ルートが違うとか、時間外ということでございますが、区では日々飛行ルートについては監視をしてございます。

ですのでルール以外、飛行時間でなかったり、ルートがそれていたりという場合は、必ず国へ確認をしております。

時間外飛行等につきましては、国の回答は「悪天候であったり、あるいは空港の状況によって本来のルート、江戸川区を飛ばないルート、本来のルートでは安全確保ができない場合に限り、やむを得ず江戸川区上空を飛行することがある」とそのような回答となっております。以上でございます。

大橋:都心ルートが悪天候で、江戸川区を通りますっていうこと?

ちょっとまだよく分からない。悪天候の場合っていうのは、結果的に都心ルートが悪天候で、そっち行けないから江戸川区を通りますっていうこと、そういう説明と理解していいんでしょうか。

課長:その通りでございます

その通りでございます。

大橋:昨年度、減便状況?

そういう説明っていうのは、なんかあまり私も聞いていなかったもんですから確認させていただきました。


やっぱり先ほどの国の説明が「南風の新ルートによって、都心ルートに移るから(江戸川区上空を通過する航空機は)減る」という説明と一応そこにこだわって質問させていただいたところです。


次に減便のことについてなんですけども、昨年度は減便っていうところまで、実際にはコロナの影響で減便が続きましたけども、昨年度はどうだったか分かりますか、減便状況。お願いします。

課長:昨年度もコロナによる減便中でございました

昨年度もコロナによる減便中でございました。以上でございます。

大橋:発端は2013年に8,383機まで急増、その辺の事情?

昨年度の議会の陳情に、減便の間だけでも新ルートの一旦中止という陳情が区議会に出て、審査未了という形になったんですけども、私は区民の声を受け止めていくっていうことで、議会も執行部も両方ともやって欲しかったと、改めて区には引き続き区民の声を丁寧に対応するよう求めたいと思います。


この間私も一貫して議会で取り上げてきましたけれども、その発端は2013年に8,383機まで急増したってことが質問取り上げたきっかけでした。それでその辺の事情が分かれば教えてください

課長:(2010年D滑走路共用開始により)着陸回数が順次増えてった

2010年の10月、羽田空港のD滑走路というところが共用が始まりました。そのため着陸回数が順次増えてった結果このように増えたという認識でございます。以上でございます。

大橋:環境調査、どうしてやっていないか?

この時はいわゆる国が環境調査をやったという認識しています。今回新ルートでやっていないんですけど、どうしてやっていないか分かりますか。

課長:調査対象工事が行われてなかったため

環境調査というのはおそらく、環境影響調査、環境影響評価、環境アセスメントのことだと思いますけれども、D滑走路運用の際は法に基づいた環境アセスメント調査を実施しなければならない建設工事が行われておりました。

しかし、新飛行経路運用の時には調査対象工事が行われてなかったために、調査は行わなかったというふうに考えられます。以上でございます。

大橋:騒音、区民の声を聞くアンケートができないか?

そういう事情はあるかもしれませんが、大幅な変更だったってことは事実ですので、やっぱりこれからも国に環境調査を、機会があれば影響アセスメント調査をどっかでやれないかということは要望してもらいたいと思うところです。


実際に新ルートを色々と調べてみますと、羽田空港を利用する航空機の18.39%約2割近くが江戸川区内陸行きを新ルートと悪天候と合わせると通過しています。

これは本当に多い数だと改めて思いますけれども、新ルートの下の学校でも、学校の全校朝会の先生の話が聞こえないとか、新たに引っ越してきた区民も騒音が気になるという声が新たに私のとこでも寄せられていますので、是非とも区民の声を聞くアンケートというような形ができないかと思いますが、どんなもんでしょうか。

課長:現段階では考えておりません

現段階では考えておりません。以上でございます。

大橋:教室型の対話形式の説明会の開催を求めたい

是非とも、私はやって欲しい。区民アンケートに入れて欲しいということを改めて求めたいと思います。

実際に区民負担が増えているということは客観的な事実ですから、海上ルートに戻すということを改めて国に求めて欲しいということと、そしてそれから、いつも「区が国に言ってる」とお聞きしてるんですけども、教室型の対話形式の説明会の開催を求めたいんですが、いかがでしょうか。

課長:約50回以上にわたって(国に)要望しております

これまで同様、新ルートを中止して海上ルートに戻すこと、このことにつきましては国に求めるつもりはございません


ただ、説明会の開催についてですが、こちらにつきましては令和2年度、新ルートが始まってから、国や都で行われる会議、あるいは国交省の職員と個別でお会いする場面とか様々な場面がございますが、これまでも約50回以上にわたって要望しております。引き続きこの件については強く求めてまいります。以上でございます。

大橋:引き続きこの問題を私も取り上げていきます

前段の回答は残念ですけど、後半はねぜひ引き続きお願いしたいと。

さっき課長が「全ての道は環境に通ず」っておっしゃって、なかなかいい言葉だなと思いながら、やっぱり航空機騒音あるいは最悪の場合落下物とかは本当に環境破壊につながるという立場で一貫して私は質問してるわけです。

是非とも引き続きこの問題を私も取り上げていきますけれども、区として国にきちんと要求していただきたいと、改めて求めて終わります。

雑感

羽田新ルート問題への区議の関心は低い

江戸川区議会の定例会本会議の一般質疑応答で羽田新ルート問題を積極的に取り上げているのは大橋美枝子議員(共産)。あと牧野けんじ議員(共産)が1回(次表)。

羽田新ルートに係る定例会本会議一般質問実績

南風時に都心を通過して羽田に向かう着陸ルート(15時~19時)よりも、北風時に荒川沿いを北上する離陸ルート(7時~11時半・15時~19時)の運用時間のほうがはるかに長いにもかかわらず、羽田新ルート問題への区議会議員の関心はすこぶる低い。

区議の関心が低いからなのか、課長の答弁はとても雑

大橋議員から海上ルートに戻すことを問われて、環境課長は次のように答弁。

  • これまで同様、新ルートを中止して海上ルートに戻すこと、このことにつきましては国に求めるつもりはございません

また、区民の声を聞くアンケートの実施を問われて、環境課長は次のように答弁。

  • 現段階では考えておりません。以上でございます。

「つもりはございません」「考えておりません」って、課長の思いを伝えてどうする。区として国に対して要望しない理由、区民アンケートを実施しない理由をキチンと説明するのが筋であろう。区長が羽田新ルート容認スタンスを表明するのであればまだしも、幹部職員は偏った立場を取ってはならない。

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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