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羽田新ルート|航空機から排出される超微小粒子による早産リスク(ロサンゼルス国際空港の事例研究)

ロサンゼルス国際空港から15 km以内に住み、08〜16年に出産した母親174,186人を調べたところ、15,134人の早産は交通関連の大気汚染や航空機の騒音と比較して、航空機のUFPへの曝露のリスクが最も高いことを発見したという。


もくじ

論文を知ったキッカケはツイート

#羽田新ルート反対 というハッシュタグの付いたツイートを眺めていたら、元客室乗務員の方が興味深い情報を発信されていた。

『ルート下に住む女性と「早産」との関連性における研究』である。

元客室乗務員の方が興味深い情報を発信
5月16日 ツイート


飛行機による騒音や大気汚染と比べて、飛行機が排出するUFPによる健康リスクが人口が密集する住宅地域では一番高いという。

UFPとは、超微小粒子(ultrafine particle)の略。PM2.5よりもさらに1桁以上小さい、粒子径が概ね0.1µm以下の微粒子を指す。PM2.5と比べて健康影響が大きいが、研究途上にあるとされている(超微小粒子 - Wikipedia)。

 

まずは、スティーブン博士らによる5月9日付けの論文概要を紹介した記事で全体像を俯瞰する。 

※以下、論文(英文)は機械翻訳による。

妊娠中の航空機の排気曝露の危険性(論文概要紹介記事)

ロサンゼルス国際空港から15 km以内に住み、08〜16年に出産した母親174,186人を調べたところ、15,134人の早産は交通関連の大気汚染や航空機の騒音と比較して、航空機のUFPへの曝露のリスクが最も高いことを発見したという。

妊娠中の航空機の排気曝露の危険性

最近発表された研究は、航空機からの超微小粒子(UFP)排出への女性の(妊娠中の)曝露と早産児のリスクの増加との間に関連性を引き出しました。

これは、到来する飛行経路に住んでいる女性の早産と主要空港(この場合はロサンゼルス国際空港)の風下との間のそのような憂慮すべきリンクを示す最初の研究です。調査結果の深刻さを考慮して、調査から得られた重要なメッセージを強調し、政府の政策と利害関係者の行動に影響を与えます。

早産

早産とは、37週間の妊娠が完了する前に発生するものです。英国の出生の約7%は早産であり、毎年早産する約60,000人の赤ん坊を占めています。早産は、呼吸の問題、視力や聴覚の欠陥、感染症、発達の遅れなどの合併症を発症する赤ちゃんのリスクに関連しており、新生児の主要な死因です。

研究の詳細

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の科学者は、調査結果を科学ジャーナル「Environmental Health Perspectives」に発表しました。

彼女らは、空港から15 km以内に住み、2008〜2016年に出産した母親174,186人の出生記録を調べ、妊娠中に飛行機から放出されたUFPへの曝露量を計算しました。この期間中、15,134人の早産がありました。研究者たちは、交通関連の大気汚染や航空機の騒音と比較して、航空機のUFPへの曝露のリスクが最も高いことを発見しました。(以下略)

ルース・スティーブン博士 5月9日

英国の出生の約7%は早産に対して、ロサンゼルス国際空港から15 km以内に住む母親の早産は8.7%(=15,134人÷174,186人)ということになる。

次に、上記記事の元となったEnvironmental Health Perspectivesに掲載された論文をひも解く。

※Environmental Health Perspectives(EHP)は、米国環境衛生科学研究所(NIEHS)の支援を得て毎月発行される、査読済みのオープンアクセスジャーナル。

論文をひも解く

Preterm Birth among Infants Exposed to in Utero Ultrafine Particles from Aircraft Emissions
Environmental Health Perspectivesに掲載された論文(A4判9枚)

4月2日の科学ジャーナル「Environmental Health Perspectives」に掲載された論文「Preterm Birth among Infants Exposed to in Utero Ultrafine Particles from Aircraft Emissions(航空機から排出された超微小粒子に子宮で曝露された早産)」は、かなり専門的な統計分析手法が用いられているので門外漢には理解しにくい。

とはいえ、いくつか興味深い内容が含まれていることは分かる。

ロサンゼルス国際空港周辺で推定される超微小粒子の分布図

そのひとつは、ロサンゼルス国際空港周辺で推定されるUFP(超微小粒子)の分布図である(次図)。

同空港では昼間は海からの風が一定していて(西南西の風)、空港東側の地上レベルのUFP(超微小粒子)の濃度が高くなっている。

1st quartile(第1四分位数:データを小さい順に並べたとき、初めから数えて25%の位置にある数)は、空港から5km程度の狭いエリア(赤色)に分布している。4th quartile(第2四分位数)は、空港から15km程度の広いエリア(紫色)に分布している

超微小粒子の分布図

 

ちなみに、同じ縮尺で上図のUFP(超微小粒子)分布を羽田空港周辺の地図に重ね合わせたのが次図。

UFP(超微小粒子)分布を羽田空港周辺

ロサンゼルス国際空港とは卓越風に違いはあるものの、羽田新ルート周辺に住む妊婦さんは気になるところであろう。日本の研究者による解析が待たれる……。

経済格差が超微小粒子による早産リスクを高めている可能性

もうひとつ興味深いのは、外国生まれのヒスパニック系とアジア系の女性の早産のリスクがより高い可能性。すなわち、経済格差が超微小粒子による早産リスクを高めている可能性があるという指摘だ。

興味深い発見は、UFP(超微小粒子)とPTB(早産)の効果推定値が外国生まれのヒスパニック系とアジア系の女性の間でやや強かったことです。おそらくこれらの女性は米国生まれの母親と比較して妊娠中に雇用される可能性が低いためです。

したがって、彼女らは妊娠中に彼女らの住居でより多くの時間を費やした可能性があり、それはより大きな暴露および/または暴露誤分類の減少をもたらし、おそらく私たちが推定したより強い効果サイズを説明するかもしれない。

あるいは、出生前ケアの利用率が低下したため、外国生まれの女性はPTB(早産)のリスクが高まった可能性があります。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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