ちきりん著『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』ダイヤモンド社(2019/4/4)を読了。
ちきりん女史が築20年の自宅マンションをリノベーション。”顧客目線”のノウハウが満載。イラストや写真、索引までも付いていて、大変分かりやすい。
”自分の頭で考えている”だけあって、痒い所に手が届いている良書。中古マンションのリノベーションを検討している人には、強くおススメしたい。
リノベは「共同プロジェクト」である
リノベを「共同プロジェクト」とみなしたところが、ちきりん女史のスゴイところだと思う。
等価値交換vs.共同プロジェクト
(前略)自分自身が共同プロジェクト型の取引を生業としていると、リノベを始めたとたん「これも共同プロジェクト型の取引だ!」と直感的に理解できます。でも、今までの仕事がすべて等価値交換型であったという人や、働いたことがなく”買い物”という等価値交換型の取引しか知らない人の場合、リノベも当然、そういう取引だと思い込んでしまいます。
そして「お金はいくらでも払うから完璧な家を作ってちょうだい」とか「大金を払っているのだから、オレの言うとおりやればいい」という態度に陥ってしまうのです。(P37/第3章 リノベは客と業者の共同プロジェクト)
「ご予算は?」の意味
業者から「ご予算は?」と聞かれると多くの人は戸惑うだろう。「ご予算は?」の本質的な意味合いを的確に翻訳しているところはさすがである。
リノベ会社が客に予算を聞くワケ
(前略)「ご予算は?」という質問は、「あなたはいくら払えますか?」という質問ではなく「いくらの予算でプランをお作りしましょうか?」という質問なのです。だから700万円のプランを出してほしければ「予算は700万円です」と言えばいいし、1000万円のプランを提案してほしければそう言えばいい。
私がもう一度このプロセスをやり直せるなら(やってもらえるかどうかはわかりませんが)、「700万円と1000万円、2つの予算でプランを出していただくことはできますか?」と聞いてみるでしょう。それを見比べるのが、いちばん「いくらでなにができるのか」を理解するのに役立ちそうだからです。(以下略)(P54-55/第4章 予算もスケジュールも自分次第)
リノベ会社を絞り込んでいく過程が詳しい
資料請求した10社のなから、さらに絞り込んだ4社に現地調査と初期提案を依頼。その4社から最終的に1社に絞り込む過程が詳細に記されている。
私のリノベ会社選択理由
4社のうち、最初にB社にお断りを伝えました。14枚もの要望書を送ったにもかかわらず、自社が得意とする定番パターンのリノベプランをそのまま提案してきた、という印象が強かったからです。
ミストサウナについても説明もないまま「ガス式はつけられないので電気式にしました」と言われてしまい、ほかの要望についても同じことが起こりそうでした(しかも結果としてガス温水式ミストサウナは無事に設置できています)。
中堅のプロジェクトマネージャーと若い設計士の力関係も気になりました。若い設計士の方は、私より上司であるマネージャーの顔色のほうが気になっている様子だったのです。
次にお断りしたのがA社です。(以下略)(P143-144/第7章 現地調査が始まった!)
本書の構成
全14章。全293頁。
第1部 リノベ前に知っておきたいとても大切なこと
- 第1章 リフォームとリノベはどう違う?
- 第2章 「リノベならなんでも変えられる」はウソ
- 第3章 リノベは客と業者の共同プロジェクト
- 第4章 予算もスケジュールも自分次第
第2部 リノベのリアルプロセス
- 第5章 リノベ会社のタイプを理解しよう
- 第6章 実録! リノベ会社の選び方
- 第7章 現地調査が始まった!
- 第8章 理想のキッチンを手に入れよう
- 第9章 契約から工事へ
- 第10章 リノベ費用と見積書
第3部 リノベ完成! 振り返りとともに
- 第11章 こんな部屋になりました!
- 第12章 引越、そしてモノとの格闘
- 第13章 リノベで「親の家問題」を解決
- 第14章 さあ始めよう!
『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』
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