東日本不動産流通機構は4月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート(3月度)」を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で2.7%増加し、3ヶ月ぶりに前年同月を上回った。成約m2単価は前年比で5.7%上昇、成約価格は前年比で7.1%上昇し、ともに2013年1月から63ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比で1.3%拡大した。
地域別動向
- 成約件数は埼玉県を除く各地域が前年比で増加したが、埼玉県は6ヶ月連続で前年同月を下回った。成約m2単価は千葉県と神奈川県他を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部は12年10月から66ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
※今月から、首都圏中古マンション市場の観測記事を開始。
成約単価・在庫件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月ころから上昇傾向にあり、17年4月に50万円を突破(次図)。
18年3月の成約単価は52.11万円。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
首都圏の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇傾向を維持。18年3月に70万円を突破(70.21万円)。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
各地区の内訳は次のとおりである。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
特に、都心3区の成約単価の上昇が著しく、17年9月に112.33万円を記録。
23区では、次の順に成約単価が安いことが分かる。
- 城東<城北<城南<城西<都心3区
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、大きく波を打っているが、城東・城南地区では増加傾向にあることが分かる。
※城東地区の中古マンション市場動向については、「売りたい人が多く、なかなか売れない!?」ご参照。