学歴の違いで喫煙率に差があることを報じた朝日新聞の記事。
21世紀にもなって、この先進国で未だに喫煙している野蛮人(蛍族を含む)はどのような人たちなのか(笑)
喫煙マナーを守ったうえで、大いに納税に励んでほしいものである。
- 喫煙率、学歴によって差(朝日の記事)
- 25~59歳の男性は4割が「毎日吸っている」
- 35~39歳の高卒男性は5割が「毎日吸っている」
- 高卒男性の喫煙者(毎日吸っている)7百万人(推定)
- 23区にもラストベルト?
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喫煙率、学歴によって差(朝日の記事)
特に25~34歳の若い世代の差が大きく、中卒・高卒の喫煙率は高く、大卒・院卒の喫煙率は低い。
喫煙率、学歴によって差 若者でくっきり
喫煙は格差の問題と大きく関わっている。厚生労働省の研究班が2010年の国民生活基礎調査をもとに調べたところ、学歴の違いで喫煙率に差がついた。
中でも25~34歳の若い世代の差が大きい。男性は中卒の喫煙率が68.4%、高卒が55.9%に対し、大卒は36.5%、大学院卒は19.4%。女性はそれぞれ49.3%、23.9%、6.6%、4.8%だった。
健康格差に詳しい、近藤尚己・東京大准教授は「若者でこれだけ喫煙率に差が広がっているのは、未成年の段階で、すでに情報や環境の面で格差があることがうかがえる。未成年でたばこを吸い始めないための手立てが必要だ」という。(以下略)(朝日新聞デジタル 5月10日)
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、厚労省が打ち出した受動喫煙防止策の原案(飲食店での全面禁煙)に対して、自民党の族議員が抵抗している状況。
21世紀にもなって、この先進国で未だに喫煙を続けている野蛮人はどのような人たちなのか(笑)
25~59歳の男性は4割が「毎日吸っている」
厚生労働省が毎年実施している国民生活基礎調査をひも解いてみた。
※朝日の記事は2010年の国民生活基礎調査による分析結果。当方の分析はそれより新しい2013年の調査データによる結果である。
年齢別の喫煙人口の割合は、次図のとおりである。
「毎日吸っている」人は、25~59歳の男性が多い(4割)。
年齢が高くなるほど「吸わない」人の割合は増えている。
ストレスの多い働き盛りの喫煙率が高く、一線を外れた60代以降は喫煙率が低下しているといったところか。
(2013年の国民生活基礎調査の「第24表 世帯人員数(20歳以上)、喫煙の有無・性・年齢(5歳階級)・教育別」データを元に作成)
35~39歳の高卒男性は5割が「毎日吸っている」
国民生活基礎調査には、学歴別(教育別)の喫煙の有無も掲載されている。
そこで、喫煙率(同年齢人数に占める、毎日吸っている人の割合)と最終学歴の関係を可視化してみた。学歴が低いほど喫煙率が高い傾向がクッキリと表れている(次図)。
中卒男性の25~39歳の喫煙率が最も高く、6割を超えている(同女性は30~44歳が高く5割に迫っている)。
高卒男性35~39歳の喫煙率が最も高い(49.8%)。5割が「毎日吸っている」という状況だ。
大卒男性25~59歳の喫煙率は概ね3割。最も喫煙率が低いのは大卒女性で喫煙率は各年齢にわたって一桁。
(2013年の国民生活基礎調査の「第24表 世帯人員数(20歳以上)、喫煙の有無・性・年齢(5歳階級)・教育別」データを元に作成)
高卒男性の喫煙者(毎日吸っている)7百万人(推定)
上述のとおり、喫煙率は中・高卒が高く、大卒は低いということは分かった。
では、喫煙率の高い中・高卒は何人くらいいるのか?
まずは、年齢・学歴別の人口の確認から。
全国でみれば、高卒の人口ボリュームが多いことが分かる。小・中卒は60歳以上に多い。
(2010年の国勢調査産業等基本集計の「第10-2表 在学か否かの別・最終卒業学校の種類(6区分)、年齢(5歳階級)、男女別15歳以上人口 - 全国」データを元に作成)
「学歴別の人口」に「学歴別の喫煙率」を乗じた結果が次図。
高卒男性(旧制中学卒を含む)の喫煙者が最も多いことが分かる。
上図は年齢別のグラフ。20歳以上の年齢を集計したのが次のグラフ。
全国の喫煙人口2千36万人(推定)のうち、高卒男性の喫煙者は約7百万人(推定)、35%を占めている。
23区にもラストベルト?
卒業者に占める高卒の割合を区ごとに計算した結果を地図に落としてみた(次図)。
なんだかラストベルトのようになっていないか。
卒業者に占める高卒の割合が25%超は、次の11区。
- 1位:足立区(31.6%)
- 2位:荒川区(30.6%)
- 3位:葛飾区(30.4%)
- 4位:江東区(30.0%)
- 5位:江戸川区(29.9%)
- 6位:北区(29.5%)
- 7位:墨田区(28.3%)
- 8位:板橋区(28.2%)
- 9位:大田区(26.7%)
- 10位:中野区(25.8%)
- 11位:台東区(25.2%)