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不動産大手トップの年頭挨拶にみる2017年不動産市場

不動産流通研究所は1月5日、不動産や住宅会社、関連会社各社トップの「2017年 年頭挨拶」をホームページに掲載。

不動産大手各社のトップが2017年の不動産市場をどのように捉えているのか、該当部分を抜粋してみよう。最後に「まとめ」を記しておいた。


もくじ

三井不動産 代表取締役社長 菰田正信氏

「2017年は、昨年起こった多くの想定外の事象が、これからの歴史の中でどういう意味を持つことになるのかが見えてくる年になる」という発言はあるが、2017年の不動産市場への具体的な言及はなし。

 

三菱地所 執行役社長 杉山博孝氏

魅力を伝えられない物件は販売に苦戦するようだ。

分譲マンション市場は、都心部やターミナル駅、郊外でも商業施設近接など、特徴のある物件を中心に堅調に推移している。

消費者の物件を選別する目が厳しくなっているなか、魅力を伝えられる物件とそうでない物件で販売状況には今までよりも差が付く可能性があり、「立地の見極め」や「企画力」がより重要になってくると思われる。

 

住友不動産 代表取締役社長 仁島浩順氏

「新年明けましておめでとうございます。・・・今年も一年間、明るく元気に頑張ろう。」

全265文字の挨拶は、ツイッターで済みそうだ。

現在もなお、経済情勢は国内外ともに不安定であり、引き続き予断を許さぬ状況が続く

 

東急不動産HD 代表取締役社長 大隈郁仁氏

(2017年の不動産市場への言及なし)

 

東京建物 代表取締役 社長執行役員 野村均氏

都心・駅近の物件は好調、利便性が劣る物件はやや軟調という予測。

賃貸オフィス市場については、低水準な空室率と平均賃料の緩やかな上昇傾向が継続するなど、引き続き堅調に推移している。

マンション分譲市場については、都心・駅近の物件は好調だが、相対的に利便性が劣る物件はやや軟調である。

不動産投資市場は、依然活況を呈しているものの過熱傾向が継続しており、慎重な対応が必要である。

 

野村不動産HD 取締役社長 沓掛英二氏

市場予測というよりも、「こうあるべし」という思いを伝えるのも社長の役目か。

私は、2017年の日本の経済環境は、昨年の様に、不透明が強まり、厳しい環境が続くとは考えていません。

大局観として今年は、経済の明るい方向に目を向けるべき年であると思います。不動産市況、特に住宅市場は回復傾向とみるべきと思います。

 

長谷工コーポレーション代表取締役社長 辻範明氏

不透明な状況が続くという。

昨年を振り返ると、国内では日銀によるマイナス金利の導入や消費増税の再延期、東京都知事の誕生、そして海外ではイギリスのEU離脱の選択やアメリカの新大統領誕生、韓国大統領の弾劾案の可決など、変化を求めた選択が行われました。この選択の結果が今年以降に出てきますが、不透明な状況が続くのではないかと思います。

 

大京 代表執行役社長 山口陽氏

(2017年の不動産市場への言及なし)

 

まとめ

  • 魅力を伝えられる物件とそうでない物件で販売状況には今までよりも差が付く可能性(三菱地所)
  • 引き続き予断を許さぬ状況が続く(住友不動産)
  • マンション分譲市場については、都心・駅近の物件は好調だが、相対的に利便性が劣る物件はやや軟調(東京建物)
  • 特に住宅市場は回復傾向とみるべき(野村不動産HD)
  • 不透明な状況が続く(長谷工C)

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