中堅物流会社の倉庫跡地に建つ大規模マンションの広告。
物件概要
【予告広告】大手町駅直通7分、駅徒歩7分。総戸数111戸、15階建。販売戸数/未定、3LDK(64.20m2)~4LDK(103.73m2)。販売価格/未定。平成29年11月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年1カ月後)。
新聞半紙大のチラシ裏面に、リバーサイドであることのメリットが喧伝されている。
水辺に開かれたロケーションが開放感を創出する。
通りを挟んですぐ目の前に広がるのは、水辺の麗しい風景。隅田川サイドには視界を遮る建物がなく開放的な住環境が広がります。
また敷地の南側に駐車場を設けて隣接する建物との距離を確保。各住戸へ、豊かに風と光を導く設計としています。
河川沿いのマンションの最大のメリットは、半永久的な眺望が得られること。
モデルルームに出向けば、営業マンから、河川沿いのマンションのメリットをイヤというほど教えてくれることだろう。
では、デメリットは何か?
ここで、あらためて河川沿いのマンションのメリットとデメリットを整理しておこう。
ざっくり言うと
河川沿いマンションのメリット
最大のメリットは眺望
建物など目の前を遮るものが建たないので、半永久的に眺望が確保できることが最大のメリット。また日当たりも良好。
場所によっては夏の花火大会の最適な観覧席になり得る。
夏の冷風、愛犬の散歩、ジョギング
水辺が風の通り道となるので、夏は涼しい風が期待できる。
河川沿いに愛犬を連れて散歩ができるし、ジョギングを楽しむこともできる。
これらのメリットのいくつかは、デメリットにも転じやすい。
河川沿いマンションのデメリット
最大のデメリットは洪水リスク
最大のデメリットは、場所にもよるが洪水リスクの可能性があること。
国土交通省が公開しているハザードマップポータルサイト(次図)で、洪水リスクがどの程度あるのか、シッカリ確認しよう!
住所を入力すれば、「洪水によって想定される浸水深」や「土砂災害の危険性」など、災害リスクが一発で分かる。
意外と知られていない羽虫の襲来リスク
意外と知られていないのが、羽虫の襲来リスク。
両岸がコンクリートでガチガチに固められた都心の河川であればあまり心配ないかもしれないが、草木で覆われた部分が多い河川だと、特に低層階の住民は、蚊はもちろんのこと、小さな羽虫の襲来を受ける可能性が高い。
強風、砂塵、土ぼこり、花粉症
建物を遮るものがないので風が強いこと。
また、河川敷の整備状況にもよるが、強風によって砂塵や土ぼこりが飛んでくること。
河川敷きにはアレルギー源になるイネ科のカモガヤやハルガヤ、キク科のブタクサ、ヨモギなどが生えている。春先だけスギ・ヒノキ花粉症だった人が、1年中花粉症に悩まされることになるかもしれない。
騒音・悪臭
夏になると夜中に花火を打ち上げたり、ばか騒ぎする若者が出てくることがある。
河川の水質にもよるが、特に夏になると悪臭を発する場合がある。
景観がデメリットになることも
河川沿いのマンションの最大のメリットは眺望であるが、場所によっては、ブルーシートの住人を目にすることになる。
都内の路上生活者(ホームレス)の半数近くは河川敷に住んでいるのである(都内の路上生活者(ホームレス)はどこに多いのか?)。
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(本日、マンション広告1枚)