民泊のあり方を議論するには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月、Airbnb登録物件の定量的な分析記事を投稿している。
ざっくり言うと
- 全国のAirbnb登録件数 3万4,000件を突破
- Airbnb登録件数 1都2府で全国の4分の3を占める
- 東京23区Airbnb登録件数 1位新宿区
- 浪速区のAirbnb登録件数 遂に渋谷区を追い抜く
- 京都府警の摘発にも係らず京都市内のAirbnb登録件数増加中
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが公開しているデータをもとに、5月1日現在の全国のAirbnb登録状況を可視化してみた。
全国のAirbnb登録件数 3万4,000件を突破
全国でAirbnbに登録されているのは34,119 件(5月1日現在)。
1か月前(4月1日)は31,708件だった。この1か月で2,411件(7.6%)増加(次図)。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみがAirbDatabankの調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
マスコミは「3万件」という数字を使っているが、それはもはや過去の数字だ。Airbnb登録物件だけでも34,119 件。
中国版Airbnbの3つのサイト(住百家、自在客、途家)の登録物件は、東京・大阪・京都だけで2,971件(4月20日現在)。
だから本家Airbnbと中国版Airbnbの件数を合計すると約3万7,000件(本家と中国版の両方にダブって登録されている物件数については未確認)。
中国版Airbnbは、中国人の中国人による中国人のための民泊仲介サイト。本家Airbnbよりも登録件数の伸び率は大きい(次図)。
中国版Airbnbを見落とすと、民泊議論の方向性を見誤る。
Airbnb登録件数 1都2府で全国の4分の3を占める
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1万2,500件、2位大阪府(大阪市)約9,300件、3位京都府(京都市)約3,700件。
都道府県別のシェアを次図に示す。
1都2府だけで全国の4分の3(74.8%)を占めている。
1都2府のなかでは、特に大阪の伸びが著しい(次図)。
東京23区Airbnb登録件数 1位新宿区
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区(2,488件)。2位渋谷区(2,031件)。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位港区(1,202件)、4位台東区(881件)、5位豊島区(757件)、6位世田谷区(673件)。
国内初の民泊条例施行でマスコミが盛んに取り上げている大田区(254件)は13位。
浪速区のAirbnb登録件数 遂に渋谷区を追い抜く
大阪市内のAirbnb登録件数は、中央区(2,952件)と浪速区(2,076件)がツートップ(次図)。
中央区(大阪市)は新宿区よりもAirbnbの登録件数が多いことは、これまで当ブログで何度も紹介してきた。
浪速区(大阪市)は今月、遂に渋谷区を追い抜いた(次図)。
大阪府警は4月26日、違法民泊を初めて摘発。この摘発の影響がどう出てくるのか、今後要注目(なぜ大阪府警は生野区の違法民泊を摘発したのか?)。
大阪の「民泊」が熱い(Airbnb登録件数が西高東低に・・・大阪の「民泊」が熱い)。
京都府警の摘発にも係らず京都市内のAirbnb登録件数増加中
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区(786件)、中京区(642件)、東山区(550件)の3区が圧倒的に多い。
京都府警は昨年の11月4日、無許可で中国人観光客向けの「民泊」を営んだとして、旅行業者ら2人書類送検した(京都府警が悪質な民泊を摘発!京都市Airbnb登録件数の増加にブレーキは掛かるか?)。
京都府警の摘発後、Airbnb登録件数の急増に一時ブレーキが掛かったが、2月以降、再び増加し続けている(次図)。
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