全国の市区町村のなかで、Airbnb登録物件が多い自治体はどこか?
- 1位中央区(大阪市)、2位新宿区、3位渋谷区、4位浪速区
- 1年前1位の渋谷区が現在は3位・・・いったい何が起こっているのか?
- 昨年の11月を境に、西高東低に変わった
- 大阪の「民泊」が熱い
- この1年間でAirbnb登録を止めた(あるいは中断した)物件が2~3割
- Airbnbの登録件はまだまだ増えるのか?
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1位中央区(大阪市)、2位新宿区、3位渋谷区、4位浪速区
全国の市区町村のなかで、Airbnb登録物件が多い自治体はどこか?
筆者の独自調査によれば、1位中央区(大阪市)、2位新宿区、3位渋谷区、4位浪速区、5位港区である(次図)。
「1都2府で全国の4分の3を占める!Airbnb登録件数(4月1日現在)」より
1年前1位の渋谷区が現在は3位・・・いったい何が起こっているのか?
1年前にダントツの1位だった渋谷区が、いまでは3位に落ちてしまっている。
いったい何が起こっているのか?
Airbnb内をクローリングして収集した情報を公開しているサイト「AirLABO(http://airlabo.jp/)」のデータを使って調べてみよう。
- AirLABOの詳細については、昨日の記事「Airbnb物件データを可視化したサイト「AirLABO」」をご参照。
AirLABOサイトには市区町村単位で、過去1年間のAirbnbの「リスティング推移」(=登録物件数の推移)が分かる棒グラフが掲載されている(次図)。
棒グラフにカーソルを置くと、数値(青色:前月の件数、赤色:当月の増分件数)が表示される。
これにより、当月だけでなく、過去1年間の登録物件数の数値データを知ることができる。
上記の要領で拾った数値データをグラフ化したのが次図。
昨年の11月を境に、西高東低に変わった
昨年の11月あたりを境に、順位が入れ変わっていることが分かる。
すなわち、1年前にAirbnbの登録件数が最も多かった渋谷区は、新宿区と中央区(大阪市)に抜かれているのだ。
港区も11月あたりを境に、浪速区に抜かれている。
大田区の民泊条例制定(12月7日)によって、都内のAirbnbの増加に幾分ブレーキが掛かったのかもしれない。
大田区ではあきらかに”急ブレーキ”が掛かった様子が観測されている(次図)。
大阪の「民泊」が熱い
では、なぜ中央区(大阪市)や浪速区のAirbnb登録物件には、ブレーキが掛かっていないのか?
原因のひとつとして考えられることは、1月15日に大阪市議会が可決した民泊条例の中身。
すったもんだの末、施行日を6カ月以上先送り(10月以降)することを条件に可決されたのだ。
民泊で一儲けしようとする人にとって、大阪市内では民泊条例施行という規制強化はずっと先のことだとみているのかもしれない。
そのようなことを知ってか知らずか、「住百家」「自在客」「途家」といった中国版Airbnbの登録件数は大阪が東京を上回りながら増加している事象も観測されている。
この1年間でAirbnb登録を止めた(あるいは中断した)物件が2~3割
AirLABOに表示されている「リスティング推移」を示す棒グラフには「停止中」の物件数も含まれている。
「停止中」の物件とは、過去にAirbnbサイトをクローリングして拾ろえたが現在はクローリングで拾えない物件のこと。簡単に言えばAirbnb登録を止めた(あるいは中断した)物件のことだ。
登録物件数のなかにどの程度「停止中」の物件が含まれているのか?
停止率(=停止物件数÷登録物件数)を計算し、グラフにしてみた。
停止率は概ね20~30%。
Airbnb登録を登録したものの、その後登録を止めた(あるいは中断した)物件が2~3割あるということだ。
ただ、「停止中」の物件数を除いた「掲載中」の物件数だけをみても、中央区(大阪市)が現在最もAirbnb登録物件が多い自治体であることには変わりはない。
Airbnbの登録件はまだまだ増えるのか?
Airbnb登録件数の推移を増加率(=(当月-先月)÷先月)のグラフにしてみると、興味深い事象が見えてくる(次図)。
1年ほど前には、中央区(大阪市)と浪速区の増加率は30%超えで圧倒的に勢いがあった。新宿区も勢いがあったが20%程度。
ここ数か月は、中央区(大阪市)・浪速区・新宿区ともに10~15%で推移している。
増加率は1年前と比べて大きく低下しているが、中央区(大阪市)の増加率は14.8%(3月)と最も高い。
なので、中央区(大阪市)を筆頭に、新宿区、浪速区など、登録件数はまだまだ増えそうだ。