不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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大規模マンション群の出現、小学校が徒歩圏にないのでバス通学

硝子メーカの工場跡地に建つ、5つの街区からなる「全体計画総戸数1,497戸」の最終街区(四街区)の1棟。

【予告広告】東京駅35分(隣駅で快速乗換)、駅徒歩3分。総戸数238戸、11階建。販売戸数/未定、3LDK(70.91m2)〜4LDK(100.86m2)。予定販売価格2,900万円台〜5,800万円台、予定最多価格帯3,400万円台。平成26年4月中旬竣工(本チラシ掲載日の10カ月後)。

  • ※2012年1月14日(土)は「一街区・二街区」、2012年9月16日(日)は「三街区」、2013年1月12日(土)・1月26日(土) 3月9日(土)は五街区、2013年6月15(土)は四街区の物件。

新聞半紙大のチラシ裏面に、買い急ぎを煽るキャチコピー。

  • 一・二街区[全573戸]即日完売
  • 三街区[全370戸]即日完売
  • 五街区[全316戸]即日完売
  • ついに最終四街区 総戸数238戸
    • いそいでね!



全街区の総戸数が1,497戸という、大規模なマンション群が「即日完売」している。
小中学校の受け入れキャパシティは大丈夫なのか?
と思って、「現地案内図」に目をやると、マンション群の近くに、小学校が見当たらない。


ネットでググると、マンション群の建つF市の教育委員会の「学区審議会」の会議録に行き当たる。
マンション群の一番遠いところから小学校まで約1.7km(徒歩35分)もあるので、マンションデベロッパーがシャトルバスを運行させるという計画の内容が記録されているのだ。
バス通学は義務ではなく「原則、徒歩通学」であることや、バスの利用料金(1回50円〜100円程度の想定)、事故が起きた場合の対応などが記されている。
以下に、討議の一部を抽出しておこう。

牟田係長
バスは、緑⇒紫⇒赤のルートの一方向で運行させます。
そして、児童は黄色の丸印で乗り降りすることとなり、この地点から、I小学校までは約500m・10分程度かかります。登下校時間帯は、児童の通学専用のバスとし、バスは中型4台を予定しています。
時刻表は曜日や長期休業用など、状況にあったものを考えており、学校行事などに対する細やかな運行を実施していくため、管理組合・学校・市教育委員会などの関係者で連絡会のようなものを組織したいとの申し出を受けております。
また、放課後ルームは土曜日もあるので、その対応や時間なども担当課と協議するよう指導しました。提案内容については、総合交通計画課にも報告していますが、特に疑義の申し出はありません。
運行ルート


片田委員
なぜ、バスは学校の近くまでいけないのか。
牟田係長
詳しい理由については、確認がとれていません。
※審議会閉会後に総務課に確認。
「I小学校の近くまで運行した場合、Uターンできる場所がないため、ルートがかなり大周りとなり、時間的なロスを生じるため」

大村委員
9ページの地図で、緑のルートのマンションから乗降場所までは、何分くらいを見込んでいるのか。
通学ルート候補図
牟田係長
マンションから乗降場所までは約7分を想定しています。
また、駅方面を経由した場合、1周で約20分と聞いております。


鈴木委員
バスについて、クラブ活動などで朝練習を行う児童もいると思うが、その対応、例えば出発時間や本数はどう考えているのか。また、万が一、事故が起きた場合の保険はどうするのか。
牟田係長
先ほども申し上げましたように、登下校の時間帯は児童の通学専用バスとの提案です。
朝のマンションの出発時間は、6時48分・53分・58分、7時3分・8分・13分・18分・23分・28分・33分と5分置きに10本が予定されています。
時間帯などについては、まだ、業者からの提案の段階ですので、学校とも協議をするよう指導してまいります。

次に、事故に対する保険ですが、「バスに乗るまで」「降りてから」。
そして、「バス乗車中の児童間の悪ふざけによるケガ(運行会社に非がないもの)」は、市内の小中学生が加入している、「日本スポーツ振興センター保険」の対象になると、担当課にも確認しました。
また、運転手に非のある事故などにつきましては、バス運行会社が加入する保険の対象となります。

片田委員
歩いたら何分くらいかかるのか。また、保護者は乗れるのか。
牟田係長
行事等で必要があれば、保護者も乗車できると思います。
資料10ページの地図に約1.7km とありますが、さらに、開発区域内で一番遠いところからですと、約400mの加算となりますので約2.1km です。

片田委員
バス通学を義務付けるのか。徒歩通学も認めるのか。
牟田係長
バスの運行につきましては、あくまでも、民間の会社が計画していることです。
そのため、市教育委員会としましては、原則、徒歩通学と考えます。

飯田会長
費用はどうなるのか。
牟田係長
バスの運行は、マンション管理組合と運行会社との契約となり、開発業者からは、利用者に1回50円〜100円程度の料金徴収を想定していると聞いております。
他市の状況ですが、K市のマンション(880戸)のバス運行について、K市教委に確認しましたところ、「児童はあくまで徒歩通学という扱い。保護者が車で送迎するのと同様のスタンスで、住民側の自主性に基づいて実施している」との認識で、運行時間などの事前協議は実施したそうです。
運行費用は開発業者負担と聞いています。

大規模マンションの出現に、行政サービスが追い付いていない状況が垣間見える。
一番の被害者は、通学バスを利用せざるを得ない小学生だろう。


この辺りの問題については、今年の3月15日に開催された定例市議会(文教委員会)の議事録にもしっかり記録さている。

S委員
A硝子跡地の子供なんかとんでもないところにバス通学させられる事態をつくってしまった
これなどは、教育委員会だけは悪いわけではない。都市計画部も悪い。
そもそも人が住むことを前提にしていない工業地域にぼこっと1つのマンションを建てさせるわけだから、これは、とばっちりを受けたのが教育委員会とも言える。
けれども、だとしたら、やっぱり事業者に学校用地を出させる等の主張をするべきだが、何もしないのは、やはり責任を果たしてない。
小中学校を新設して、適正化を図るのは当たり前のことである。

「事業者に学校用地を出させる等の主張をするべき」というのは、ごもっともな意見だが、後の祭りだ。


もし議事録どおり「利用者に1回50円〜100円程度の料金徴収」になるとすると、そんな格安料金でバス事業を運営できる会社はないだろうから、マンション住民の貴重な”税金”である管理費から補てんすることになるのではないか。
だとすれば、小学生以下の子供を持たない世帯は、納得がいかないだろう。
このような状況において、この通学バス(シャトルバス)が将来にわたって運行される保証はあるのか?
ちなみに、「通学バス」について、チラシでは全く触れられていない。


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