大手デベロッパーが供給するバス8分+徒歩1分の大規模マンションのチラシ。
【第4期2次本広告】東京駅直通16分(快速利用)、駅バス8分+徒歩1分。総戸数550戸、5棟(14階建×2棟+11階建×3棟)。販売戸数25戸、3LDK(85.02m2)〜4LDK(107.07m2)。販売価格4,800万円〜5,930万円、最多価格帯5,600万円台。平成23年1月中旬竣工(本チラシ掲載日の1カ月後)。
- ※09年10月3日(土)・11月1日(日)、10年1月3日(日)・2月5日(金)・2月28日(日)・4月16日(金)・5月23日(日)・7月18日(日)・8月8日(日)・8月15日(日)・9月19日(日)・11月6日(土)の物件と同じ。
本日のチラシは、B4判の「本広告」。
「期」と「次」を重ねること、遂に「第4期2次」。
『マンション・チラシの定点観測データベース』によれば、これまでの「本広告」による期分け販売の履歴は以下の通りだ。
- 第1期
- 1次:2010年4月6日
- 第2期
- 1次:2010年6月11日
- 2次:2010年7月18日
- 3次:2010年8月15日
- 第3期
- 1次:2010年9月19日
- 2次:2010年10月19日
- 第4期
- 1次:2010年11月13日
- 2次:2010年12月21日
「期」や「次」が混在して分かりにくくなっているのだが、要するに7回に分けて販売されているということ。
期分け販売状況を“見える化”したのが、右上のグラフ。
コツコツと小分けしながら販売している様子がよく分かる。
「平均100m2超」を謳うこの物件、なぜゆえに販売状況が、ぱっとしないのか?
あくまでも推定だが――
最大の要因は、駅バス8分という交通の便の悪さ。
その不便さを「居住者の専用シャトルバス」という、マンション購入者の負担でカバーしようとする後味の悪さ。
二つ目は、「カフェラウンジ」「ゲストルーム」「スカイラウンジ」といった、いまどき珍しいバブリーな共用施設があること。
これら共用施設も、居住者にとっては、将来、不良資産化するリスクがある。
三つ目は、客寄せパンダ的な、マンションの寿命よりもはるかに短い「風力発電設備」の存在。
風車の維持管理費を負担するのは住民だし、騒音や振動音が問題になった時に困るのも住民だ。
そしてなによりも、これらのデメリットに対して、値付けの水準が、買い手の期待価格ほどには低くないことなのではないだろうか。
(本日、マンション広告1枚)