不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「契約率」の代替指標としての「マンション・チラシ倍率」の可能性

マンション・チラシの「定点観測」を始めて、来週の6月1日で7年目に入る(6年が経過)。
ここ数年のマンション市況の低迷とともに、マンション・チラシの枚数も減少気味だ。
減少傾向を定量的に確認すべく、(株)朝日オリコミのホームページに公開されている首都圏のマンション・チラシ「1世帯平均配布枚数の月次推移」データをグラフ化してみた(次図参照)。
1世帯平均マンションチラシ配布枚数(首都圏)
月によるバラツキはあるものの、確実に逓減傾向にあることが分かる。
6年前(04年)には月平均30枚前後あったマンションチラシが、最近では15枚に満たない。
ほぼ、半減。
マンション市況の悪化だけでなく、広告としてのチラシ・メディアがネットに侵食されている影響もあるかもしれない。

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業界サイドは、今年に入って契約率の70%超えをマンション市況回復の兆しと、期待をもって宣伝しているが――
そもそも契約率の分母となる発売戸数そのものも下がっているのだから、契約率という指標は、実態を適切に表現できていないのではないか。


不動産経済研究所が毎月中旬に発表している「首都圏のマンション市場動向」を読むと、契約率の定義は、次のとおりであることが分かる。


契約率=当該月の売却戸数÷当該月の発売戸数×100



「契約率」という指標は、売却戸数(分子)が減少してくる(売れ行きが悪くなる)と、供給量の下方修正によって発売戸数(分母)も減少してくるという“負のスパイラル状態”を適切に表現できていないのではないか、と筆者は考えている。
もっと分かりやすくいえば、数年前の契約率70%と最近の契約率70%では、数値の持つ意味が違うのではないかということだ。


「契約率」以外に、マンション市況をもっと的確にとらえた分かりやすい指標はないのか?
筆者が過去に提案した「マンション・チラシ倍率」なる指標はどうだろうか。
すなわち、次式で定義される。


マンション・チラシ倍率=当該月の1世帯当たりの平均マンション・チラシ枚数÷当該月の発売戸数×10,000



上式は、「マンション・チラシ倍率」が、発売戸数1戸に対して、1万世帯に配布されたマンション・チラシの枚数の割合であることを表わしている。
「マンション・チラシ倍率」が「契約率」の代替指標になり得るのではないかと考えたのは、次のような仮定に基づいている。

  • マンション市況が好調であればマンション・チラシをたくさん打たなくても売却できから、「マンション・チラシ倍率」が下がる。
  • 逆にマンション市況が不調であればチラシ枚数が増え、「マンション・チラシ倍率」が上がる。
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実際のデータをもとに、グラフを作成してみた(次図参照)。
「販売戸数」「契約戸数(売却戸数)」「マンション・チラシ倍率」は、いずれも季節変動が大きく、傾向を視認しにくいので、グラフでは、2004年の月次データを基準に指数化した。
首都圏マンション市況の指標
今年に入ってから、契約率は70%を上回り始めるとともに、発売戸数・契約戸数(売却戸数)も回復を見せ始めている様子が見てとれる。
一方、「マンション・チラシ倍率('04年同月比)」は08年8月をピークに漸減傾向にあるものの、05年頃の0.8を下回るような水準には届いていない。


さてさて、「マンション・チラシ倍率」は、「契約率」の代替指標になり得るか。
今後も要観察。

(本日、マンション広告1枚)

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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