不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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見栄え良いレアなタイプの間取り図掲載を抑制するには

住戸配置
倉庫業者の跡地に建つ、親水公園に面した大規模マンションのチラシ。

【予告広告】大手町駅直通9分、駅徒歩13分。総戸数110戸、13階建。販売戸数/未定、2LDK(62.04m2)〜4LDK(90.72m2)。販売価格/未定。平成23年2月中旬竣工(本チラシ掲載日の9カ月後)。



新聞半紙大のチラシ裏面に間取り図2枚。
どちらも見栄えのする南西の角住戸。
しかも一つは、ルーフバルコニー付きだ。


ホームページに掲載されている5種類の間取り図の記号(Ag、B、D、E、LR、MR)や観CGから、各住戸の配置を想定することができる。
すなわち、このマンションは、標準階でいうと南向き住戸(A〜E)と東向き住戸(F〜J)の二棟から構成されているのだ。
記号の「R」は、ルーフバルコニー付き住戸であることを表している。
具体的な住戸配置を描くと右上図のようになる。


標準階でいうとAからJの10種類の間取りがあるにもかかわらず、チラシに掲載されているのは、どちらかといえばレアな南西の角住戸。


業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」では、間取り図の掲載ルールはどうなっているのか?
第4条(必要な表示事項)の別表6(新築分譲マンション)をひも解くと、「建物の配置図及び方位」は、「パンフレット等」での表示は義務付けられているものの、「新聞折込チラシ等」では表示が義務付けられていないことが分かる。
チラシでは、配置図はともかく、方位さえも表示義務がない!
だから、北向き住戸で上下逆さまに描かれた、日当たり誤認誘発間取り図に、方位記号が併記されていないなんてチラシが出てくるのだ。


このような事態を避けるためには、別表6(新築分譲マンション)の「新聞折込チラシ等」の欄においても「建物の配置図及び方位」に○印を付けるだけで解決できる。
もちろん、いい加減な物件を扱っているデベロッパーからの猛反対は想像に難くないが・・・・・・。


さらにドラスティックな提案をするならば、「掲載する間取り図には、販売対象住戸のタイプを代表するものでなければならない」といった趣旨のルールを追加したい。
「代表する」の定義が難しいのだが――。
たとえば「中住戸と角住戸」あるいは「方位別住戸」などの区分に応じて、5割以上を占める間取り図を掲載しなければならない旨を施行規則としてルール化してはどうか。
そうすれば、見栄えのいい南西角住戸やルーフバルコニー付き住戸ばかりが掲載されたチラシはなくなることだろう。

(本日、マンション広告3枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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