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「マンション動く!」の表紙に惹かれて、昨日発売された、週刊ダイヤモンド3月6日号を駅の売店で購入。690円。
表紙には次のようにも謳われている。
- 爆発目前!? マンション市場復活の“マグマ”
“マグマ”って何のこと?
さっそく「Part1 新築購入編」の記事に目を通してみた。
「マグマのようにたまった潜在顧客が、一気に動き出す」――。
期待半分ながら、そんな説が業界でささやかれ始めた。
活況を呈するモデルルームはその前兆か、実態に迫った。
現在のどん底のマンション市場からの脱出機運を盛り上げようとする記事に無理はないか?
以下に検証してみよう。
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「市場は飢えた魚のイケス状態」であることの論拠として掲げられているのが以下の8点。
- 【論拠1】「決して激安マンションなどではない」2つ物件のモデルルームの活況状態。
- ⇒たった2つのモデルルームの活況状況をもって、全体の傾向を論じることはできないだろう。
- 【論拠2】新築マンション業者らは「少なくとも首都圏は回復基調にある」と口を揃える。
- ⇒どのように回復基調にあるのか、具体性に欠けている。
- 【論拠3】不動産経済研究所の福田秋夫取締企画調査部長は「5月から回復の兆しが見え、秋以降には好転に向かうだろう」と予測、今年の首都圏の新規発売戸数は4.3万戸(18.2%増)と見る。
- ⇒不動産経済研究所が発表してきた過去4年の新規発売戸数予想値は実績値よりも2割ほど高め。「秋以降には好転」は、業界を鼓舞する“大本営発表的”なメッセージとならなければいいのだが。
- 【論拠4】大手各社の在庫調整はほぼ一巡した(大手7社の完成在庫グラフ)。
- ⇒S不動産・M不動産・T不動産・T建物の在庫は、たしかに減少傾向が見られる。でも、M地所はやや増加。D京・N不動産は、むしろ在庫が増加傾向にあるぞ!
- 【論拠5】「マンション用地取得に伴う契約書の法律チェックの依頼が増えた」(都内の弁護士事務所)など、他の業界から漏れ伝わる話もある。
- 【論拠7】長谷工アーベストでは「たまっている潜在顧客だけで10万〜11万世帯。(中略)少なくとも15万世帯程度の潜在需要がある」と予測している。
- ⇒不動産経済研究所と同様、長谷工アーベスト(長谷工総研)の年間供給予測も過去4年、2割ほど高めだぞ!
- 【論拠8】長谷工アーベストによる「顧客マインド調査」では、「買い時だと思う」「価格が上昇する」という回答が増えている。
- ⇒この調査の客観性がどの程度担保されているのか不明。仮に「買い時」「価格上昇」マインドが増加しているとすれば、業界サイドのマインドコントロールの成果か。
ということで、爆発目前の“マグマ”が不発、業界の皮算用に終わらなければいいのだが・・・・・・。