不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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マンションの壁面緑化は誰のため?

東京都「壁面緑化ガイドライン」
企業跡地に建つ大規模マンション。

【予告広告】新宿駅直通21分(急行利用)、駅徒歩16分。総戸数116戸(管理事務室1戸、コミュニティールーム1戸含む)、11階建。販売戸数未定、2LDK(60.53m2)〜4LDK(88.35m2)。予定販売価格未定。平成21年2月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年5カ月後)。


  • 街の景観美にも貢献する壁面緑化を施した住まい。時が経つほど、その美しさは味わいを増す。
    • 単なる集合住宅ではなく、ひとつの建物として街に美しい景観を提供したい。
    • その想いから、地上11階建ての伸びやかなファサードには、シンプルなモノトーンの外観デザインをベースに、低層部に施した壁面緑化や、並木道をイメージした外構計画により、爽やかで優しい景観美を追求しました。

新興デベロッパーによる、マンションの低層部の壁面に緑化が施された珍しいマンション。
2001年4月に東京都の改正自然保護条例が施行され、敷地面積1,000m2以上のマンションに「屋上緑化」が義務付けられるようにはなったが、「壁面緑化」が義務付けられているわけではない。
なのに、このマンションでは、大胆にも1階から3階にかけて壁面緑化が施されている。
新聞全紙大のチラシオモテ面に掲載されたエントランス周辺の壁面が緑化で覆われたCGは、たしかに迫力がある。
物珍しさもあって、物件の差別化効果がありそうだ。
でも、マンションに壁面緑化を導入するのは誰のためなのか?
物件の差別化を期待するデベロッパーのため?
それとも微々たるヒートアイランド抑制効果期待の世の中ため?
マンション住民は壁面緑化を望んでいるのか?


チラシの壁面緑化はCGだが、実際の壁面緑化は生き物だ。
マンション購入後、何十年にもわたって適切な維持管理が欠かせない。
東京都が平成18年4月24日に公表した「壁面緑化ガイドライン」の一部を下記に抜粋しておこう。

【質の高い緑化を実現するための維持管理】
植物は生き物です。
生長のために水や肥料が必要で、病気により被害を受けることもあり、美しい壁面緑化を維持するためには、メンテナンスを怠ることは出来ません。
メンテナンス作業は、工法によって異なり、また設置箇所によっては、狭すぎたり、高すぎたりといった問題も発生するので、工法の選択に当たっては、メンテナンスをどれだけ行えるかという視点が重要です。

(本日、マンション広告10枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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