不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


構造計算書偽造事件を契機として年間10億円を超える利権が生まれる?

千葉県市川市の建築設計事務所によるマンションなどの構造計算書の偽造を受け、国土交通省は、再発防止策の一環として建築士免許の更新制導入を検討するとのこと(11月24日 朝日新聞朝刊)。
国交省が検討するのは、自動車運転免許のように一定期間ごとに研修や適性検査などを求め、倫理面や能力を調べ直す仕組み(同記事)。
今の建築士制度では、いったん国家試験に合格すれば、仮に技量が落ちても、資格は一生有効。
このような一生有効な資格は、建築士免許に限らず、人権をあずかっている弁護士免許、人命をあずかっている医師免許、子供の将来をあずかっている教員免許などがある。
いずれの資格も社会に及ぼす影響が大きい割には、資格取得者に対する定期的なチェックがこれまで、特に行われてこなかった。
定期的なチェックがなくても、実力のない、あるいは信用のない弁護士・医師・建築士には仕事が回ってこないことで淘汰されるはずであった(ただし、教師は淘汰されない?)。
でも、現実には、これら有資格者による不祥事が、時折マスコミに取り上げられている。
これではマズイということで、医師免許や教員免許に対しては、更新制度を導入する動きがあるようだ。
今回のような稀有ではあるが、社会的なインパクトの大きい事件が発生すると、制度が強化されるのは世の常だ。

    • -

さて、建築士免許の更新制度が導入されるとなると、一体いくらくらいのお金が動くのか?
平成17年3月31日現在の建築士の登録数は、一級建築士316,888人、二級建築士683,926人、木造建築士14,562人 の合計1,015,376人。
仮に、運転免許証なみに、5年に一度の更新講習を実施するして、手数料は一般運転者講習手数料3,150円/人よりも、もう少しかかるとして、6,000円/人としよう。
そうすると、年間で、約12億円(1,218,451,200円/年=1,015,376人÷5年×6,000円/人)のお金が動く。
姉歯秀次一級建築士のおかげで、年間10億円を超える利権が生まれようとしている?

2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.