不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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やけに共用施設を充実させている物件

金曜日、マンション・チラシ5枚。

  • 6月19日(日)の物件と同じ。

上野駅直通7分、駅徒歩15分。総戸数693戸(住戸678戸、管理室等15戸)、20階建×2棟。販売戸数122戸、3LDK(71.77m2)〜4LDK(105.99m2)。販売価格2,930万円〜3,800万円、最多価格帯3,800万円台。平成19年2月上旬竣工(本チラシ掲載日の1年3カ月後)。

『マンション・チラシの定点観測データベース』で、「総戸数693戸」をキーワードに検索しても本物件の過去の記事が見つからなかった。
なぜならば、過去の記事(6月19日)では、総戸数が678戸として登録していたからだ。
本日の記事の総戸数693戸というのは、よくみると「管理室等15戸」が含まれた、水増し戸数であることがわかる。
さて、住戸以外の「管理室等15戸」とは何なのか?
チラシには、写真付きで次のような、とってもゴージャスな共用施設が掲載されている。

  • ウェスティンホテルが開発した究極の「ヘブンリーベッド」を採用したゲストルーム・ヘブンリースイート
  • BOSE最新の5.1chサラウンドシステムを採用。防音スタジオとしても機能するシアタールーム・シネソニック
  • 4つのブースそれぞれに、ナショナルによる先進のマッサージチェアを設置したヒーリングスタジオ
  • 注目のインテリアショップ・シボネとのコラボレーションによる大人のためのライブラリー空間・ブックバー
  • 世界中の優れた遊び道具をコーディネイトするボーネルンドによるユニークなキッズルーム・キッズパレット

駅徒歩15分という不利な立地を、安めに設定した分譲価格だけでは、カバーできないと考えたのか―。
見栄えのする共用施設は、いかにも販売促進効果がありそうだ。
でも、将来不良資産化しそうな共用施設を多数取り揃えているだけに、維持管理・修繕費を負担するのは住民であることを忘れてはならない。
肝心の住戸のほうはといえば、永住仕様からは程遠い。
床暖房もなければ、遮音性の高い二重床仕様でもない。
「1,300家族の夢を乗せて、いよいよ始動」したとは謳っているものの、居住環境よりも利益を優先するデベロッパーの姿勢が見え隠れしてしょうがない。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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