不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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マンション建設は、市の地域整備方針からずれていないか?

土曜日、マンション・チラシ5枚。

東京駅直通39分(快速利用)、駅徒歩2分。総戸数210戸、14階建。販売戸数未定、3LDK(75.04m2)〜4LDK(100.00m2)。販売価格未定。平成19年3月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年4カ月後)。

駅チカ・海チカの敷地に建つ大規模マンション。スーパーゼネコンが設計・施工。事業主も兼ねている。
塩害(海まで1分)と鉄道騒音(駅まで2分)が気になるところではあるが、スーパーゼネコンの設計・施工だから、建物本体の品質のほうは、まったく心配ないだろう。

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本物件の建つ△△駅西地域は、○○市の都市再生緊急整備地域のひとつ。
都市再生緊急整備地域とは、都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて、緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として国が政令で指定する地域(都市再生特別措置法 平成14年6月1日施行)のこと。
財政状況が危険ラインにある○○市は、約169億円を負担して(総事業費約532億円のうち、約141億円は国が負担)、平成18年の竣工を目指して△△駅西地域を整備中。
市のホームページで確認すると、△△駅西地域の整備方針は次のようになっている。

【都市再生緊急整備地域の整備方針】
(平成14年10月25日指定、平成15年7月18日一部変更)

  • 地域名称
    • △△駅西地域
  • 整備の目標
    • ○○市の都心の一角を占めるJR△△駅西地域において、物流・生産機能からの土地利用転換等により、業務集積をはじめとする新しい複合拠点を形成
    • この際、海辺空間との親水性を活かしつつ、にぎわいと回遊性のある都市空間を形成
  • 都市開発事業を通じて増進すべき都市機能に関する事項
    • △△駅の交通利便性を活かし、業務機能を集積するとともに、にぎわいを創出する商業機能を導入
    • 併せて、海辺空間との近接性をも活かしレクリエーション機能等を導入

上記の整備方針では、整備目標として「業務集積をはじめとする新しい複合拠点を形成」することとされている。
また、そのために推進すべき都市機能として、業務機能の集積と商業機能の導入が謳われている。
ということは、市の構想としては、同地域でのマンション建設を想定してなかったのではないだろうか―。
少なくとも、同地域の「用途地域」は、居住環境には向いていない「商業地域」となっている。
本物件の南側の道路を介して、すぐ南東側にパチンコ屋が建設中らしい。
パチンコ屋が建てば、「にぎわいと回遊性のある都市空間を形成」するかもしれないが、居住環境的にはあまり好ましいとはいえないだろう。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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