不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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超高層マンションのヘリポートは機能するのか

秋葉原に建つ地上37階建ての超高層マンション。

東京駅直通3分、駅徒歩8分。総戸数260戸、37階建。販売戸数未定、1LDK(44.32m2)〜4LDK(126.49m2)。予定販売価格3,100万円台〜13,000万円台。平成19年12月末竣工(本チラシ掲載日の2年4カ月後)。

秋葉原は、生活するのに適した地域か?
日常的に緑や河川に接することができる場所が近くにないので、少なくとも子育て世代には向いていない。
では、どのような人が、秋葉原の超高層マンションに住むのか?

  • 高層階は、IT関係の勝ち組社長。
  • 中層階は、シングルやDINKSで経済的に余裕のある人たち。
  • 低層階は、IT関係の発展途上にあるSOHOか―。

子育てを終え、都心ライフを楽しみたい老夫婦が、利便性の高い超高層マンションに住むケースが増えているが、秋葉原という情報発信基地では、心が癒されないだろう。

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たしかに地上37階の眺望はすばらしいものがあるが、大震災などの非常時のリスクとの引き換えだ。
建物高さが31mを超えると普通の消防車は届かない。法的にはヘリポートの設置義務はないのだが、超高層マンションでは屋上にヘリポートを設置しているケースがいくつかある。
本物件の屋上にも、ヘリポートが設置されているが、いざ大震災というときに役立つのか疑問だ。
天候によっては活動が制約されるし、そもそも膨大な被災者が発生するような大震災時に、すぐにマンションの屋上まで救助に来てくれるのか―。
東京消防庁が所有しているヘリコプターは、中型3機(座席数13席〜14席)、大型3機(座席数23席〜27席)の合計6機しかない。
屋上で救助ヘリの到着を待つような状況が発生しないことを祈るしかない。

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超高層マンションの火災は、1989年に江東区の超高層マンションの事例が有名だ。
玄関が開放されていたために、廊下側に煙が流出し、避難と消火活動に困難を極めた。幸い人命被害はなかったが、当時最高高さでのマンション火災はとてもショッキングな出来事であった。
このあたりについては、「超高層マンション、暮らしてみれば・・・・・・(加藤 純子 著)」の「第6章 タワーリング・インフェルノ実況版」に詳しい。
超高層火災を間近に見た、著者の生々しい実況談は、なかなか読み応えがある。
超高層マンションの購入を検討する人は、一読されることをオススメする。

超高層マンション、暮らしてみれば…

超高層マンション、暮らしてみれば…

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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