不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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モデルルーム使用住戸は買いか?(メリット・デメリット)

西側を一級河川が流れる、運送会社の跡地に建つ中規模マンションの広告。 

物件概要

大手町駅直通14分、駅徒歩11分。総戸数83戸、12階建。平成31年4月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年3カ月後)。

  • 第1期予告広告】予定販売戸数8戸、1LDK+S(58.60m2)~4LDK(77.55m2)。予定販売価格4,100万円~5,700万円。
  • 特別分譲住戸】予定販売戸数1戸、2LDK+S(83.20m2)。販売価格6,900万円。

新聞全紙大のチラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、「第1期」の予定販売住戸のほかに、「特別分譲住戸」という、あまり見かけない表記に気づく。

「特別分譲住戸」って何だ?

棟内モデルルーム予定住戸により、引き渡し予定より3か月以降現状有姿でのお引渡しとなります。

どうやら「特別分譲住戸」とは、マンション棟内に設けるモデルルームに使用する住戸のことのようだ。

マンション棟内にモデルルームを設けるからといって、マンションギャラリーがないわけではない。チラシには、最寄り駅のガード下の狭いスペースにマンションギャラリーが図示されている。

売主にとって、この経費節減策は吉と出るのか……。

「現状有姿でのお引き渡し」とは?

買主にとって、モデルルーム使用住戸の最大のメリットは価格が安いことだ

「現状有姿でのお引渡し」とされているから、壁紙の汚れやフローリングの傷などの手直しはしないということなのだろう。

テーブルやソファ、照明器具やエアコンが付いているといって、喜んでいる場合ではない(すでに持っているテーブルやソファは処分するのか)。モデルルームを訪れる人が多ければ多いほど住戸が傷むのは、気にならないか。

傷んでいなければラッキー、傷んでいればアンラッキー。そんなリスクを買主が背負わされるのであれば、中古よりもさらに安い価格でなけでば割に合わないではないか。

「引き渡し予定より3か月以降」とは?

モデルルーム使用住戸を購入した人は、入居できる時期が「引き渡し予定より3か月以降」となっている。完売し、モデルルームが閉鎖された後に、入居できるという計画なのだろう。

ただ、「3か月」ではなく、「3か月以降」という表現がなんとも怪しくないか。完売時期が遅れた場合は、入居できる時期がドンドン延びることを意図しているのか。

周りの人たちが先に入居を済ませ、ある程度ご近所同士顔なじみになったころ、遅れて転居してくることになる。しかも、周りからは「あのモデルルームだった住戸のご家族よ」などと思われながら。

周りの住人のほとんどが自分の家の間取りを知っているという状況。モデルルーム使用住戸を購入するということは、プライバシーの一部を安価と引き換えにしていることも意味しているのである。

モデルルーム使用住戸は買いなのか?

竣工間際の売り切り戦略として、「モデルルーム予定住戸」が登場してくるチラシはこれまでにいくらでも観測された。

でも、マンションギャラリーを最寄り駅に設けておきながら、販売開始前から、「モデルルーム予定住戸」を売り出すチラシは珍しい。

買主が住戸の傷みリスクを負担し、プライバシーの一部を切り売りすることで、安価な「モデルルーム予定住戸」の販売が可能になる
しかも本物件の場合、入居できる時期が確定していないかもしれない。モデルルームとして使われる期間は、モデルルームとして使用可能になる時期(建設工事途上)から「引き渡し予定日+3か月+α」までの長期にわたる。

中古価格よりもさらに安くないと割に合わない。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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