新築マンションは高いので、中古マンションにすべきなのか。皆はどのように判断しているのか。
※投稿16年7月9日(更新23年5月22日:22年度データ反映)
住宅市場動向調査(国交省)
国交省は毎年3月から5月頃、「住宅市場動向調査」の結果を公表している。
この調査は、「住み替え・建て替え前後の住宅や、その住居に居住する世帯の状況及び住宅取得に係る資金調達の状況等について把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的」として、2001年度より毎年実施されている。
調査報告書には、注文住宅、分譲住宅、中古住宅、民間賃貸住宅、およびリフォーム住宅全般を対象に、購入資金や自己資金比率など、資金調達の状況が整理されている。
400頁を超える報告書本文には、調査結果の概要には全く触れられていない、興味深いデータがいくつも掲載されている。
中古マンションにしなかった理由(した理由)に係るデータを可視化してみよう。
中古マンションにしなかった理由
三大都市圏で新築分譲マンションを取得した世帯が中古マンションにしなかった理由(無回答を除く10項目)の変化を次図に示す。
中古マンションを選ばなかった理由は「せっかくのマイホームは新築の方が気持ち良いから」がダントツ。ただ、その割合は年々低下し、22年度は6割を下回った。
政府の住宅政策(新築マンションを供給し続けることで景気を浮揚させる)のに都合のいい新築信仰はいつまで続くのか……。
2016年度以降2割を超えているのは、次の3つ。
- リフォーム費用やメンテナンス費用で結局割高になると思ったから
- 隠れた不具合が心配だったから
- 給排水管などの設備の老朽化が懸念されたから
中古マンションにした理由
三大都市圏で新築分譲マンションを取得した世帯が中古マンションにした理由(無回答を除く10項目)の変化を次図に示す。
中古マンションを選んだ理由は「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」がダントツ。ただ、その割合は年々低下し、22年度は7割を下回った。
2番目に多かったのが「新築住宅にこだわらなかった」で、4割前後。3番目の「リフォームによって快適に住めると思ったから」は3割前後。
先住者の生活の跡を気に掛けない人であれば、新築マンションよりも安価な中古マンションを選択しない手はないだろう。
あわせて読みたい