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<超>超高層マンションというバブル

新宿に65階建て2棟、国内最高層のマンションが建設されるという。

新宿に国内最高層マンション 野村不など、65階建て2棟

野村不動産や東京建物など4社は東京都新宿区に国内最高層となるマンション2棟を建設する。いずれも地上65階建て(高さ235メートル)で、総事業費は2千億円。2019年度から順次着工し、26年度に最終的な完工を目指す。総戸数は2棟合わせて3200戸。(以下略)

(日経電子版 5月3日)

 

完成は2026年度というから、東京オリンピックの6年後だ。

東京オリンピックの前に不動産バブルは崩壊するといわれているなかで、首都圏ではいったいどれだけの超高層マンションが計画されているのか?

 

不動産経済研究所が4月21日に発表した資料「全国超高層マンション市場動向 2016年3月末現在」のなかに、「50階以上の超超高層マンション計画」が掲載されている。

次のように、首都圏14件(都内10件、神奈川4件)、大阪3件、広島1件の場所、階数、総戸数が記載されている。

50階以上の超超高層マンション計画

1. 西新宿三丁目 (新宿区西新宿3) 65階×2 3,200戸
2. 西新宿五丁目 (新宿区西新宿5) 60階 969戸 分譲済
3. 勝どき (中央区勝どき5) 53階 1,420戸 分譲中
4. 勝どき東 (中央区勝どき2,3) 58階・45階 3,120戸
5. 馬車道 (横浜市中区北仲通5) 58階 1,199戸
6. 愛宕 (港区愛宕1) 56階 620戸
7. 勝どき (中央区勝どき5) 53階 1,436戸 分譲済
8. 武蔵小杉 (川崎市中原区新丸子東3) 53階 813戸 分譲中
9. 武蔵小杉 (川崎市中原区小杉町2) 53階×2 1,214戸 分譲中
10. 湊二丁目 (中央区湊2) 50階 500戸
11. 晴海五丁目 (中央区晴海5) 50階×2 2,650戸
12. 月島 (中央区月島3) 50階 1,000戸
13. 西大島 (江東区大島3) 50階 750戸
14. 武蔵小杉 (川崎市中原区小杉町1) 50階・20階 1,500戸

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1. 中之島 (大阪市北区中之島6) 55階 894戸
2. 天満 (大阪市北区曽根崎2) 52階 900戸
3. 千里中央 (豊中市新千里東町) 51階 543戸

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1. 広島 (広島市南区松原町100) 52階 514戸 分譲中

  

各計画の竣工予定時期は記載されていなかったので、ネットで調べて、文字通り”バブルグラフ”を描いてみた(次図)。

バブルの大きさは総戸数の大きさを示す。

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首都圏では、東京オリンピック後に竣工する50階以上の超超高層マンションが、少なくとも5件(11,220戸)計画されていることが分かる。

 

「希少性のある”超高層”を謳えば売れる」という超高層マンション神話が崩壊したマンション市場。

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2015年は異常な年だった!首都圏の超高層マンション市場動向を可視化」より

 

マンション市場が縮小していくなかで(平均価格は上昇するも、マンション市場は縮小(首都圏))、<超>超高層マンションは新たな神話となるのか――。

 

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