三井不動産レジデンシャルが10月31日と11月1日に開催した区分所有者向け説明会。
三井不動産レジデンシャルから、(弁護士やコンサルタントなど)区分所有者以外の出席を拒否する旨の通知があったが、管理組合がこれを拒否したという。
被害者である住民ですら撮影禁止、録音禁止を言い渡されるという密室で交わされた議論。
詳しくは、傾斜マンション、録音撮影禁止・説明会の中身(日経ビジネスオンライン 11月4日)を参照。
1住戸あたり一律300万円の札束で解決を図ろうとする三井不動産レジデンシャルの作戦は、ブランド毀損への影響を最小化できるか?
Google Trendsで見る限り、三井不動産グループは旭化成グループの陰に隠れている状況だ(次図)。
ではもうひとつのビッグデータTwitterではどうなのか?
つぶやき感情分析とは
Twitterユーザーの反応をネガテッブ・ポジティブで判定する「つぶやき感情分析」。
Yahoo!のリアルタイム検索を使うと、指定した検索ワードについてのつぶやきが表示されるだけでなく、検索ワードに対する「つぶやき感情分析」ができる。
ポジ・ネガ感情の割合をを円グラフで表示したり、ポジ・ネガ感情の推移を時系列のグラフで表示したりできるのだ(次図)。
各社に対するネガ・ポジ感情の推移
この1か月間(10月7日~11月6日)のネガ・ポジ感情の値は以下のとおりだ。
三井不動産に対しては、ネガティブな感情が28%(平均値)、ポジティブな感情1%(平均値)。
今のところのネガティブ感情のピークは11月5日の57%。
三井不動産レジデンシャルのネガティブ感情は16%(平均値)と低い(というよりも三井不動産の陰に隠れてしまっている状況)。
マスコミ報道などを見ると、傾斜マンションの売主を三井不動産レジデンシャルと三井不動産をごちゃ混ぜにしているようなところもある。
傾斜マンションの元請である三井住友建設に対しては、ネガティブな感情が34%(平均値)、ポジティブな感情2%(平均値)。
ネガティブ感情のピークは11月5日の80%。
三井不動産のネガティブ感情(平均値28%、ピーク57%)を上回っている。
悲惨なのは旭化成だ。
ネガティブな感情が44%(平均値)、ポジティブな感情3%(平均値)。
ネガティブ感情のピークはいまのところ、10月24日の61%。
傾斜マンション問題へのネガティブな感情を一手に引き受けてしまている状況だ。
各社に対するネガ・ポジ感情とTwitterのつぶやき数を可視化
各社のネガ・ポジ平均値に、ツイッターのピーク日のつぶやき数を加味したのが次図。
横軸がポジティブ感情の割合、縦軸がネガティブ感情の割合。バブルの大きさがツイッターのつぶやき数の大きさを表している。
旭化成が数多くつぶやかれるとともに、ネガティブな感情を一手に引き受けていることがよく分かる。旭化成建材もまたしかり。
三井不動産のネガティブ感情は低い。
三井不動産レジデンシャルに至っては、ほとんどつぶやかれてもいない。
このような状況は、三井不動産の広告宣伝費が旭化成よりも一桁多いことが影響しているのではないのか。
三井不動産レジデンシャルの区分所有者向け説明会での「撮影禁止、録音禁止」に対して、マスコミの反応は総じて鈍い。
「マンション傾斜・偽装問題の違和感」より。
ソニーやトヨタほどでないにしても、不動産業界の広告宣伝費はメディアに対して十分なタブー性を秘めていそうだ(大手不動産のメディア・タブー性)。
ただ、株価のほうは、旭化成に対してだけでなく、三井不動産についても正直に反応している。
(本日、マンション広告3枚)