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機能するのか?罰則規定のない大田区「民泊条例」

大田区は10月13日、「民泊条例」案に対するパブコメの募集を開始した((仮称)大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業条例案に対する区民意見等の募集について)。締め切りは10月26日。


もくじ

条例案の概要文書(PDF:62KB)を見てチョットがっかり。

大阪府とよく似た大田区の「民泊条例」案

先行している大阪府の条例案の概要文書(PDF:96KB)とあまり変わり映えがしないのだ。

特に「条例制定の背景等」の文章はその象徴。
語順や句読点の位置が若干変わっているが、大阪府の文章にとってもよく似ている。
オリジナリティが感じられない(役所の文書にオリジナリティは必要ないか・・・・・・)。

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条例案で掲げられた項目数は大田区も大阪府も3つだが

条例案として掲げられた項目数は、大田区も大阪府も同じ3つ。

ただ、3つ目の項目が違う。大田区が「近隣住民への説明」を掲げているのに対して、大阪府のほうは「手数料」を掲げている。

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もう少し具体的に見ていこう。

大阪府と同じ「最低滞在期間:7日以上」

大田区の条例案で示された滞在期間は、大阪府と同じ「7日以上」。
すなわち連続して6日以下の「民泊」は禁止という意味だ。


だから、もしこの「最低滞在期間:7日以上」規定が厳格に適用されると、大田区内の多くのAirbnbは生き残れないことになる(国民の多くがまだ気づいていない「民泊」の真実 )。

 

罰則規定を伴わない立入調査権は機能するのか?

大田区の民泊条例案は、大阪府の民泊条例案と同様の問題をはらんでいる。

行政サイドに立入調査権・質問権は付与するものの、罰則規定が設けられていないのだ。

「認定事業者に対して、認定事業が施行令で定める要件に該当しなくなったときや認定要件が守られていない場合には、認定を取り消すことができる」としているが、そもそも立入調査を拒否されたら、認定要件が守られているかどうか判断できないではないか。

罰則規定を伴わない立入調査権では、民泊の健全性は担保されていないことになる(大阪府の民泊条例でマンションの資産価値は守れるか)。

 

「条例に罰則規定がなくても、旅館業法違反で取り締まれる」と主張する人がいるかもしれないが、現時点でAirbnb登録物件に対して旅館業法を振りかざしていないのに、「民泊」条例が制定されたからといって、旅館業法違反を理由に取り締まることができるのだろうか。

 

大阪府議会の「民泊条例」案に係る代表質疑では、結局、罰則規定については何も触れられなかった。というか、実質的な議論はなされなかった(大阪府議会で「民泊条例」の代表質疑)。

 

近隣住民への事前説明義務

大阪府の条例案では示されていなかった「近隣住民への事前説明義務」が大田区の条例案には示されているが、特に目新しい事項ではない。

「近隣住民への事前説明義務」については、内閣府地方創生推進室が2015年7月31日、都道府県知事、政令市市長、特別区区長に向けた通知「外国人滞在施設経営事業の円滑な実施を図るための留意事項についてPDF:216KB)」に示されているからだ。

「近隣住民への事前説明義務」は、近隣住民の不安を除去するためには必須事項である。

 

宿泊税の扱いが不明

大阪府の条例案とのもう一つの違いは、大阪府のほうには民泊施設の認定に係る「手数料」を定める旨が記されているが、大田区の条例案のほうにはこの手数料規定がないこと。

そもそも条例案と表記されてはいるものの、条文案が示されているわけではないので、手数料規定といった些末な事項は、あとで詰めればいい話だ。手数料規定を端折っている点では、大田区の条例案のほうが進化しているともいえる。

ただ、ホテルや旅館に課せられている宿泊税については、大阪府の条例案と同様、言及されていない。どうするつもりなのか気になるところではある。

 

大田区内のAirbnb登録件数は、10月10日現在146件(実態調査結果発表!大田区内のAirbnb登録全物件)。

「民泊」が適切に機能するよう、「民泊条例」制定に係っておられる大田区区議や役所担当者の皆さまには、Airbnbの実態(現状と課題)が記された数少ない本「マンション住民は Airbnb対策を急げ![Kindle版]をご一読いただければと。

Kindleを持っていない人でも、Kindleアプリ(無料)をインスト―ルすれば、スマホでもタブレットでも読むことができる。 

(本日、マンション広告なし)

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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