港区議会「25年第3回定例会」本会議の一般質問(9月11日~12日)で、羽田新ルートに関して、二人の質疑応答があった。
議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約2,500文字)しておいた。
※時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。
鈴木たかや議員(自民)

鈴木たかや議員(自民党、区議4期、立正大学卒、56歳)
鈴木:羽田新飛行経路の問題をどのようにすることが、選挙で約束した事実を果たすことにつながるとお考えでしょうか
次に、羽田新飛行経路についてです。羽田新飛行経路については、選挙で固定化回避に向けて積極的に発信をしておられたかと思います。選挙で区民の皆様に向けて訴えたということは、新飛行経路の見直しに向けて日々努力をすることが大切だと思います。
私は議長として、武井区政と清家区政どちらも関わらせていただいて、大きな疑問を感じているのがこの点でもあります。武井区政の時は、武井区長個人として反対や見直しの発言を聞いたことはありませんでしたが、区民の皆様からのたくさんの苦情、陳情を受け、港区上空を飛行することはやめてほしいという声を聞き、それを固定化回避の検討という形で国に届けていたという立場にあったかと思いますし、港区も積極的に国の情報収集などに動いていたと、当時の国交省の担当者から私は幹事長の立場で何度も聞いておりました。
我々自民党議員団は、それぞれ活動エリアが違うことから温度差こそありますが、一貫して港区の問題と捉え、関係の深い地域の議員を中心に勉強会の実施や意見聴取、国に対する要望活動を継続してきており、直近では友党・公明党議員団の皆さんとの勉強会も開催しております。
清家区長は、区議会議員時代から新飛行経路には反対という立場でこの問題に取り組んできたと記憶していますし、選挙でも区民に訴えていたと聞いております。それであるならば、区長になった今こそメッセージを強く発信するべきであると思います。
しかし実際は、国交省へ以前から行っていたタイミングで要請行動を行うのみのように思います。残念ながら、要請行動の後、区長はもちろん港区行政からも「何らアクションはない」と国交省からも聞きました。このことはとても残念であり、誠実とは言えないと思います。
選挙で約束したのであれば、実現の可否はともかく、日々努力をするべきではないでしょうか。そうした点からも改めて問います。区長はこの羽田新飛行経路の問題をどのようにすることが、選挙で約束した事実を果たすことにつながるとお考えでしょうか。
我が会派からの区長選挙においての特定の政党への支援についての質問の際に、区長は「特定の政党として支援を受けた認識はなく、それぞれが私の政策に共感をして応援してくれていたもの」といった答弁がありましたが、羽田新飛行経路に関して反対の立場にいる政党の方々が全く何もしていないこの状況を容認していることが、私には理解できません。
補足をすると、「特定の政党と政策の確認、合意をした認識はない」と当時答弁しておりましたが、「事実はない」との表現を使わないことはいかがかと思いますし、さらには「合意」という場面が相対して書面を交わしたということと解釈いたしますが、と都合のいい解釈を加えて答弁する姿勢は、論点ずらしやすり替えとも取られ、不誠実だと思えると言えます。
区長:固定化回避の早期実現を国に強く求めてまいります

清家愛 港区長(1期、元区議4期、青学卒、元産経新聞社会部記者、50歳)
次に、羽田新飛行経路の固定化回避に向けた対応についてのお尋ねです。区はこれまで、区民の生活を守る立場から国や東京都及び関係区との会議において、新飛行経路下における騒音軽減対策や飛行方式の検討に関する情報を収集してまいりました。
本年2月の国土交通省に対する羽田新飛行経路の固定化回避に向けた要請行動以降も、定期的に会合を行い、区独自の航空機騒音測定結果や区民からの陳情内容を伝え、固定化回避に向けた検討の加速及び区民への丁寧な説明を求め続けております。
要請行動の際には、六本木周辺の上空で羽田新飛行経路を飛行する旅客機と米軍ヘリコプターが交錯する空域の危険性について、国土交通省と防衛省の両者に対し解決するよう求めております。さらにマスメディアを通じて広く世論にも訴えております。
今後は、新飛行経路下の近隣区と連携し、海上ルートや地方空港の活用を含め、新飛行経路の固定化回避の早期実現を国に強く求めてまいります。
阿部浩子議員(立憲)

阿部浩子議員(立憲民主党、区議5期、元衆議院議員秘書、昭和女子短期大卒、57歳)
阿部:新飛行経路の固定化を回避、区長のお考え?
最後に、羽田空港の新飛行経路固定化回避についてお聞きします。今年2月に、区長と議長は国土交通省に行き、早期の固定化回避を実現するため、第7回羽田空港新経路の固定化回避に係る技術方策検討会及び住民説明会の早期開催を要請しました。
しかし、まだ開催はされていません。先月末の新聞報道によると、インバウンドの影響を受けて地方空港の国際線の乗降客が大きく増加しているとのことです。茨城空港も、着陸回数が制限されていたのが緩和され、乗降客数が増加しているそうです。
羽田空港の新飛行経路の固定化ではなく、首都圏の玄関口として成田に続き茨城空港も首都圏の発着空港として国が進めていくべきです。1日も早く羽田空港の新飛行経路の固定化を回避していくことが区民から求められています。区長のお考えをお聞きします。
区長:固定化回避の早期実現を国に強く求めてまいります
最後に、羽田空港新飛行経路の固定化回避を国に求めることについてのお尋ねです。私はこれまで国に対し、区民の生活を守る立場から、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会及び住民説明会の早期開催を求めてまいりました。
今後は、新飛行経路下の近隣区と連携し、海上ルートや地方空港の活用を含め、新飛行経路の固定化回避の早期実現を国に強く求めてまいります。よろしくご理解のほどお願いいたします。
雑感(またも繰り返されるコピペ答弁)
清家区長の選挙公約は、「羽田空港新ルート固定化回避」の早期実現!であった。もっとも、この「固定化回避」という官僚が編み出した表現を掲げた時点で、すでに怪しさは漂っていた。
清家氏は区議時代から羽田新ルート問題をたびたび取り上げていたが、「(固定化回避の検討加速)是非、強く進めていただくようお願いいたします」といった、発言にとどまっていた(羽田新ルートに係る区議会での過去発言)。その姿勢は区長になっても変わらない。
前回6月26日の港区議会でも、「固定化回避に向けた検討を加速するよう強く国に求める」と発言。前々回と寸分違わぬ“コピペ答弁”であった。
そして今回もまた、「固定化回避の早期実現を国に強く求めてまいります」と同様の答弁を繰り返した。自民と立憲、二人の質問に対し、全く同じ一文で応じている。
前任の武井区長が役人の作文を棒読みした姿と、清家区長の答弁はほとんど変わらない。選挙で掲げた看板政策を、自らの言葉で掘り下げる気配が見えない限り、「誠実さ」を欠くと言わざるを得ない。
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