消費者庁は6月11日、訪問販売業者の愛建ホームに業務停止命令を出すとともに、悪質な住宅リフォーム工事の訪問販売に注意を促す情報を発信した。
訪問販売業者の愛建ホームに業務停止命令
特定商取引法違反の訪問販売業者に対する業務停止命令(6か月)について
- 消費者庁は、屋根等の住宅リフォームの施工を行っていた訪問販売業者である株式会社愛建ホーム(福岡市博多区)に対し、本日、特定商取引法第8条第1項の規定に基づき、平成27年6月12日から同年12月11日までの6か月間、訪問販売に関する業務の一部(新規勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。
- 認定した違反行為は、勧誘目的不明示、再勧誘、書面記載不備及び不実告知です。
「近所で工事をしている。屋根が剥がれているのが見えた」などと、1万円前後の安価な屋根瓦の補修工事の契約をし、その後、同工事を行うために消費者の住居を訪問した際に、屋根がかなり傷んでいるなどとして高額な屋根全体の工事等の勧誘を行い、屋根・外壁等の建物補修等の住宅リフォーム工事の訪問販売を行っていたという。
※詳細は、認定された違反行為(←7頁以降に5つの勧誘事例が掲載されている)を参照。
同社のHPはとてもよくできているので、まさかこのような悪質な勧誘行為がなされているとは誰も思わなかったであろう。
悪質な住宅リフォーム工事訪問販売に御注意!!
消費者庁の注意情報(PDF)には、「トラブルに遭わないために注意すべきポイント」として4つ掲げられている。
- 突然の訪問に御注意!安価な金額でもすぐ契約しない!
- 「近所で工事をやっている」と言われても安心しない!
- 高額な工事を勧められたら、ちょっと待って!必ず複数社から見積りをとりましょう!
- 断りきれず契約してしまったら・・・⇒8日間以内ならクーリング・オフが可能
さらに具体的にイラスト付きの説明もある。
- (実際に工事をしていなくても…)近所で工事をしています。お宅の屋根のしっくいが割れていますよ。1万円で修理できますが、どうですか?
- (屋根を撮ったという写真を見せて)このまま放置していると大変なことになりますよ。屋根全体を修理する必要があります。
とか。
このへんの勧誘の手口については、経済ジャーナリスト岩崎 博充氏の新書「退職金は、動かすな~狙われるあなたの老後資金」の「第三章 セカンドライフの夢が破たんする」に詳しい。
- 「だいたい、『ご近所の屋根の修理に来ていたが、上のほうからふと見たら、お宅の屋根もだいぶ傷んでいるようだ。仕事が予定より早く終わったので、今日なら格安で修理する』などと言ってくるケースが多い。今直しておかないと雨漏りする可能性があるとか、今直しておけば10年ぐらいは安心、など、いろいろ理由をつけてくるんです」
- 屋根の上というのは、住人がすぐに上って確認するわけにはいかないので、「近所の屋根で作業していたら偶然見えた」というセールストークが定番だそうだ。
(同書P115)
受注額500万円未満のリフォーム工事は建設業の許可が不要。
リフォームは無資格でもできるから、悪徳業者が跋扈する。
お年寄りをダマすという意味では、オレオレ詐欺と五十歩百歩ではないか――。
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