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3分で分かる、東洋ゴム工業の免震ゴム偽装問題(まとめ)

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photo by cellar_door_films

 

東洋ゴム工業の子会社による、免震ゴムの試験データ不正操作による偽装問題。

3月30日現在の状況を簡単にまとめておいた。

東洋ゴム工業の一連のプレスリリース(2月9日~3月30日)

東洋ゴム工業が2015年2月9日、偽装データの可能性が高いとして、国交省に「自主的に報告」。

3月13日には大臣認定の性能評価基準に適合しない製品の出荷先として、55物件(うち、マンション25件)あることを公表。

 

さらに3月25日には、北川国土交通大臣の指示による「緊急安全性」を確認した結果として、「震度 5 強程度の地震に対して十分な耐震性を有しており、倒壊するおそれはないことを確認」したと発表。

 

そして本日3月30日、「満たすべき安全性」として「震度 6 強から震度 7 程度の地震に対しても倒壊しない構造であることを確認したと発表。

 

これら一連の安全性確認は、「当該免震ゴムの実測データを建設会社様、設計事務所様にご提供し、構造計算の再計算のご協力をいただきました」ということになっている(第三者機関によるピアチェック(専門家による二重チェック)ではない。念のため)。

 

今回、データの偽装は、2014 年 2 月、子会社である東洋ゴム化工品株式会社において、担当者の変更を契機として発覚(東洋ゴム工業 3月13日プレスリリースPDF)。

 

データ偽装が認識されてから1年間も発表されなかったのは、データ偽装の内容、可能性の程度、免震性能評価等の検証(同3月13日プレスリリース)をしていたということになっている。

 

重要なデータの管理をたった一人の担当者に任せていたことや、偽装を認識してから発表するまでに時間がかかり過ぎていることなど、東洋ゴム工業の姿勢が問われている。

同社は、過去にも 断熱パネルの性能偽装(2007年11月)や無許可業者への産廃処理委託(2010年12月)といったコンプライアンス違反を犯している。

 

55物件(うち、マンション25件)の安全性が確認できて、ひと段落かというと、そうではない。

東洋ゴム工業の3月25日発表「当社グループ製造の免震積層ゴムの新たな大臣認定不適合等の疑いについて」によれば、55物件で用いた製品以外についても、大臣認定の性能評価基準に適合していなかった製品等が存在する疑いが発覚したのだという。

 

今回の免震ゴム偽装問題と2005年の姉歯の構造計算書偽造問題(耐震偽装問題)とでは、国交省の対応が異なっている。

前者では偽装の対象となったマンション25件の名前が公表されていないが、後者では姉歯建築設計事務所が手掛けた物件名がすぐに公表されている。

姉歯事件により、建築基準法が改正され、建築確認手続きが厳格化され過ぎるなどにより、全国的に建設業の円滑な業務遂行が妨げられ、景気減速の一因となった(当時の国土交通大臣の冬柴鐵三の名前をとって冬柴不況と呼ぶ)ことは記憶に新しい。

 

姉歯事件後、建築確認申請に要する時間と手間が増えたことなどにより、新築マンションのコストも大きく上昇した(次図参照)。

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マスコミ情報では分からない!過去14年間の新築マンション市場を可視化して分かったことから)

ただでさえ、8%の消費増税の後遺症で伸び悩んでいる新築マンション市場。

国交省は免震ゴム偽装問題で、これ以上同市場を冷え込ませないよう慎重に舵を取っているところなのであろう。

(本日、マンション広告なし)

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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