「いい不動産取引はいいエージェントか ら」をミッションに掲げているTERASS代表取締役社長・江口亮介氏(著)『住宅購入の思考法』ダイヤモンド社(2024/4/24)を読了。
本書は479頁と分厚いが、ストーリー仕立てなのでスイスイ読める。
青井 翔平(32)と青井 花(32)の夫婦が、苦労と葛藤を経て「住宅購入の思考法」を身に付けていく。マンションの購入を検討中の人におススメしたい1冊。
主な登場人物
- 青井 翔平(32)
大学進学を機に広島から東京に上京し、そのまま東京のIT企業に勤める。入社から10年が立ち、新しいプロジェクトなども任されるようになってきた。優柔不断で押しに弱いが、自分がいいと思ったものに対するこだわりは強い。- 青井 花(32)
翔平の妻であり、大学の同級生。現在は妊娠中で安定期に入ったところ。末っ子ならではの行動力がある。なにごとも自分で調べて納得できる答えを出してきた。趣味は恋愛リアリティドラマを見ること。元ヤンキーで怒ると怖い。- 灰島 慶一郎(47)
新卒から不動産業界に関わり20年以上。賃貸・売買・不動産投資・事業用不動産など多くの経験を積んできた。最初にヘッドハンティングされた会社では、10年連続売上1位となった伝説のエージェント。体格もいいので凄みがあるが。実際はとても人懐っこい。- 赤田 豊(42)
翔平の会社の上司。所属部署の経歴が長いこともあり、社内でもかなり顔がきく存在。毎晩のように誰かと飲みにいっているが、実はかなりの愛妻家。数年前に郊外に注文住宅を建てた。仕事はできるはずだが、距離感が近くちょっとうざいともある。
大事なのは知識ではなく、その背景にある考え方
物語の主人公である青井翔平(32)が伝説のエージェント・灰島慶一郎(47)の教えを振り返るシーン。
家を買うまであと37日
(前略)灰島に「住宅購入は思考法が大事」と言われた理由が今はよくわかる。大事なのは知識ではなく、その背景にある考え方。知識やノウハウだけあったとしても、実際に行動し自分で意思決定しなければいけないこの住宅購入においては、足りないのかもしれない。むしろ知識ばかりを得てしまったがために、足が重くなってしまう可能性があるとすら感じた。
大事なのは思考法。十人十色の住宅購入には、絶対的な正解はない。賃貸か購入どちらがいいか、戸建てかマンションどちらがいいか。それらもすべて目指す家族の形によって異なる。自分にとっての正解を各々が出せるようになるために、そしてゴールヘのたどり着き方を伝えるために、「思考法」と彼は名付けたのだろう。
家探しを初めてから6カ月。早いようであっという間だった。気がつけば季節はすっかり変わっていた。(以下略)
(P451/第7章 家を買うのはゴールじゃない)
本書の構成
3章構成。全479頁。
- 第1章 家を買うのは意外とスムーズに進む?
- 第2章 伝説の不動産エージェントとの出会い
- 第3章 住宅購入のバランスシートで見えてくる現実
- 第4章 家族だからこそ、家のことでは意見が割れる
- 第5章 究極の問いは、どうして家がほしいのか
- 第6章 理想の家を見つける4つのステップ
- 第7章 家を買うのはゴールじゃない
Amazon⇒『住宅購入の思考法』
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