不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、不動産(マンション購入・賃貸)に係る分析記事を提供しているブログメディア

羽田新ルート|新宿区議会「第2回定例会」質疑全文

新宿区議会の「平成30年第2回定例会」本会議の一般質問(6月13日)で、川村のりあき議員(日本共産党)から「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約3千文字)しておいた。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新飛行ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。


質疑応答のポイント

川村議員(共産)の質問

川村のりあき議員(日本共産党)

川村のりあき議員(共産党、区議4期、早大第2文学部卒、47歳)

質問1:「落下物対策の強化策」「落下物対策総合パッケージ」をどう評価?

羽田空港の機能強化を掲げた新飛行ルートの問題については、2016年「第一回定例会」一般質問を皮切りに、機をとられて質問してまいりました。この間、区民の声に応え、区長や議会から要望書や意見書を提出してきましたが、区民の不安が払拭されたとは到底いえない状況と考えます。

いよいよ新飛行ルート共用まで1年半となった今日、新宿区が行動すべきときと考え、以下質問をします。

3月に「落下物対策の強化策(以下、「報告書」)」と、それを受けた「落下物対策総合パッケージ(以下、「パッケージ」)」が発表されました。
これは国交省、有識者、空港管理者、航空各社等で作る「落下物防止等に係る総合対策推進会議」において、4回のワーキンググループの会議、2回の「総合対策推進会議」を行い、議論の結果を「落下物防止対策基準」、「落下物防止策対策集」「補償等の充実」としてまとめたもので、5月28日締め切りで、「航空法施行規則の一部を改正する省令案に関するパブリックコメント」を行い、7月交付されます。

この報告書とパッケージはハード・ソフト両面から縷々対策が書かれています。ただ、報告書を見ますと、「落下物対策基準」については、「日本ほど欧米当局は取り組んでいない。国際民間航空機関や外国当局、特に、欧米当局への働きかけをしっかり行うべき」との指摘がされるように、落下物対策に対しての大きな温度差があります。

同報告書を読んだ専門家からは、「日本に乗り入れる外国航空会社のパイロット、整備士に研修するとしているが、誰がどのように行うのか、行ったかどうかをどう確認するのか。整理手順、安全点検が日本向けに確実に実行されたか確認できるか」との疑問が出されました。

特に、大事な事故発生時の故障の問題では、成田AOC(成田国際空港航空会社運営協議会)には83社が加盟していますが、未加入の8社は協定に加わらないため、独自の対応となり、落下物の当事者であることを会社が認めない限り、被害者は補償されず、不利益を被るというのです。

区長はこの報告書とパッケージについて、どう評価されていますでしょうか。ご所見をお聞かせ下さい。

質問2:国交省の示す落下物対策の実効性は確保できている?

さらに根本的な問題があります。
外国航空会社には、これら対策をお願いすることはできても、ルールを守らせたり、処分を行う法的な枠組みがないため、拘束力がないという問題です。

日本に乗り入れる機体を独自の基準で整備させることや、機体トラブルによって基準に合わない機体が飛行せざる得ない事態が起こり得ること、ICAO(国際航空民間機関)の組織上、落下物対策に協力しない航空会社の乗り入れ禁止が国際的に通用するかなど、現実的でないと専門家から指摘されています。
区長は国交省の示す落下物対策の実効性は確保できているとお考えでしょうか。ご所見をお聞かせください。

質問3:「教室型説明会」はいつ実現するのか?

安倍首相は新飛行ルートについて、通常国会における施政方針演説で、「地元の理解を得て」と強調しましたが、地元の理解を得る努力が十分とは思いません。

私が2016年「第一回定例会」一般質問から取り上げ、未だ区は「要請中」としている地域別の「教室型説明会」はいつ実現するのか聞かせてください
国が積極的でないならば、新宿区主催で国交省を呼び、説明の場を設定するべきと考えますが、ご所見を伺います。

質問4:新ルート案について中止を求めるべき

先日放送の「噂の東京マガジン」では3度目の特集と銘打って新飛行ルートに対し、港区、大田区、川崎市の住民の反対運動が報じられていました。
数か月の間に「TVタックル」や「羽鳥慎一モーニングショー」、テレビ朝日のモーニングニュース(グッド!モーニング)などでも、住民の反対の声が取り上げられていました。

私どもは、そもそも都心上空で低空で飛行し、騒音や振動、落下物で区民の命を危険にさらす新ルート案について、中止を求める立場ですが、実効性ある落下物対策ができず、地元理解も得られていない以上、「新宿区として新ルート案について中止を求めるべき」と考えますが、区長のご所見を伺います。

環境清掃部長の回答

環境清掃部長

川村議員のご質問にお答えします。羽田空港の新飛行ルートについてのお尋ねです。

回答1:「落下物対策の強化策」「落下物対策総合パッケージ」は従来の対策を充実・強化させたものと認識

はじめに、「落下物対策の強化策(報告書)」および「落下物対策総合パッケージ」をどう評価しているかについてです。

本報告書では「落下物防止対策基準の策定」や「落下物防止対策集の作成」、「補償等の充実」について、専門的に議論し、課題を整理しています。
落下物対策総合パッケージは、報告書を踏まえ、国が具体的な対策を取りまとめたものです。

落下物対策総合パッケージでは、「落下物防止対策基準」を平成30年度内に、国内および日本に乗り入れるすべての外国航空会社に適応し、ハード・ソフト一体となった対策を義務づけることとしています。

ご指摘の外国航空会社での研修の実施や、安全点検の実施確認等についてですが、国に確認したところ、「落下物防止対策基準の施行に合わせ、各航空会社の事業計画の実施の記載を義務づけ、確認を行い、基準の遵守を求め行く」とのことです。

また、補償に関する未加入の問題については、国は被害に対する十分な補償を確保するため、新たに「落下物被害者救済制度」への加入の義務付けを検討していると聞いています。
さらに、補償費の立て替えや、空港運営者による見舞金の給付といった仕組みも構築していくとのことです。

これらのことから、「落下物対策の強化策(報告書)」および「落下物対策総合パッケージ」は従来の対策を充実・強化させたものと認識していますが、さらなる対策について、引き続き国に要望してまいります。

回答2:落下物対策の実効性、国の取り組み状況等について注視

次に、落下物対策の実効性についてです。
外国航空会社への法的な枠組みについて、国は関連法令を改正し、国内および日本に乗り入れるすべての外国航空会社に落下物防止対策の早期実現を義務づけることで、実効性を担保するとしています。
さらに、「落下物防止対策基準」違反が判明した場合には、不利益処分等の実施も検討すると聞いていますので、今後国の取り組み状況等について注視してまいります。

回答3:「教室型説明会」の早期開催に向け、引き続き国との調整

次に、「教室型説明会」の開催についてです。
この間の区の要請に対し、国からは「『オープンハウス型説明会』に加え、地域の要望に応じた形式で情報提供の場を設けたい」との回答を得ています。
このことから、区が説明会を主催する考えはありませんが、「教室型説明会」の早期開催に向け、引き続き国との調整を行っていきます。

回答4:丁寧な説明や正確な情報提供について、国に強く要望

次に、「新ルート案について中止を求めるべき」とのお尋ねです。
羽田空港の機能強化の必要性については理解していますが、安全対策、騒音対策を徹底するとともに、区民に十分な説明を行ったうえで進めていくべきものと考えています。
区では中止を求める考えはありませんが、区民の安全・安心を守るために、引き続き落下物対策などの安全対策、騒音対策の徹底、丁寧な説明や正確な情報提供について、国に強く要望してまいります。

川村議員(共産)のまとめ

川村のりあき議員(日本共産党)

ご答弁をいただき、ありがとうございました。
羽田空港の新飛行ルートにつきましては、これからのそういった法令・規定整備を行っていくというふうなお話ですけれども、先程申し上げたような国際的な枠組みとの関係で、どうなっていくのかということもありますので、区のほうからも安心・安全について、今後とも取り組んでいきたいということでありましたので、ぜひそれはしていただきたいのと、また、「説明会についても引き続き求めていく」ということですけども、これはシッカリとやっていただかなければいけないというふうに思っております。

雑感(騒音問題は?)

川村議員(共産)の質問は、国の落下物対策が中心となっている。残念ながら、騒音問題については触れられていなかった

羽田新飛行ルートについては、極めてまれに発生する落下物よりも、長時間にわたって大勢の市民に影響を及ぼす騒音のほうが議論すべきポイントだと思う。


区の答弁は、区長への質問であったのにもかかわらず、環境清掃部長が応じていた。質問者としては、区長が答弁しなくてもよかったのか?

まあ、質問者も回答者も原稿棒読みだったので、誰が答弁に立っても同じだったのかもしれないが。

ちなみに、川村議員の2度目の登壇(まとめ)は、ノー原稿だったからなのか、発言内容が分かりにくい……。

あわせて読みたい

[PR] SUUMO タワーマンションを探す!販売前の資料請求が成功の秘訣人気の新築マンション

2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.