羽田新飛行ルートの騒音問題(役所では「羽田空港の機能強化」という)は、いったいどれくらいの市民が把握しているのか?
一昨日(7月10日)、『羽田空港のこれから「ニュースレター」第7号(2017年春)』(A4判12ページ)が発行されたことをご存じだろうか?
市民に届かない、届けたくない!? 「ニュースレター」
国交省が運営している「羽田空港のこれから」というサイトの「お知らせ」ページで、同「ニュースレター」が発行された旨が表示されている(次図)。
RSSが配信されていないので、いちいち同サイトを見に行かないと、その存在に気が付くことはない。
国交省HPの「プレスリリース」にも、同省「航空」の「新着情報」にも掲載されていないのである。
これはもう、国交省は「羽田新飛行ルート」の情報発信したことの証拠作りには懸命であっても、市民には広く知られたくないと受け取られても仕方がないのではないのか。
さらにいえば、「ニュースレター」は毎度のことながら、PDFのファイルサイズがとっても大きい。
前回第6号(2016年盛夏)の2.9MBも大きかったが、今回は4.8MB!
PDFをダウンロードする意欲を削ぐには十分な大きさではないか。
ちなみに、「ニュースレター」第7号(2017年春)の最後のページには、「引き続き丁寧な情報の提供や周知を展開します」として、今後もニュースレターやホームページを発信媒体にすることとしている。
このような取り組みの進捗状況や予定についても、今後、本ニュースレターやホームページなどを通じ、幅広くお知らせしていく予定です。
具体的な騒音データが記載されていない!
今回公開されたニュースレターは、発信方法としてこのような問題をはらんでいるのだが、内容的にも気になる点がある。
たとえば、具体的な騒音データがどこにも記載されていないのである。
「実現方策に関する懸念」として、次のように騒音環境の悪化を心配する市民の声が掲載されている(P6)。
- 騒音の大きさで窓が開けられなくなったり、テレビの音が聞こえなくなるといった日常生活への影響はないのでしょうか?
- 騒音がひっきりなしに聞こえることや、飛行機が低空通過することでストレスが溜まるんじゃないだろうか…
これらの声に対して、「騒音の低減方策」や「騒音の発生頻度や圧迫感への対応」として、定性的な記述しかみられない。
- より静かな航空機を使用することで、発生する音を小さくすることができます。到着経路の高度を引き上げることで、聞こえる音が小さくなります。
- 各滑走路の使用回数を調整することで、影響の大きいB 滑走路の出発便数を削減することとします。また、より静かな航空機の使用や高度を引き上げることで、聞こえる音や圧迫感も小さくなります。
まあ、「まったく問題ない」と言われるよりはましかもしれないが・・・・・・。
「聞こえる音が小さくなります」って言われても、何も判断できないではないか。