東京都子育て支援住宅認定制度とは、子育て世帯に配慮した住宅の供給促進と子育て世帯が子育てに適した住環境を選択しやすい環境づくりに寄与することを目的に、2016年2月に始まった東京都の認定制度。
新築マンションの認定第1号は?
TOKYO MX NEWSが2月23日、子育てしやすい環境に配慮した住宅として、東京都から初めて認定されたマンションのことが紹介されていた。
新築初の認定 東京・足立区に“子育てしやすい”マンション
子育てしやすい環境に配慮した住宅として、東京都から新築物件で初めて認定を受けたマンションのモデルルームが完成し、報道陣に公開されました。
このマンションは東京・足立区の東武線西新井駅近くに2018年1月に完成予定で、地上9階建てに81の部屋が入ります。
東京都の「子育て支援住宅認定制度」は2016年2月から始まった制度で、認定にはさまざまな要件が求められています。
認定マンションの特徴の一つが玄関です。ベビーカーを入れることができる十分な奥行きと、畳んでしまえば収納できるスペースが用意されています。(以下略)(TOKYO MX NEWS 2017年2月23日)
新築分譲マンションの認定第1号は、コスモスイニシアが売主である「イニシア西新井」。西新井駅徒歩9分、総戸数81戸、9階建ての分譲マンション。2018年1月下旬に竣工予定。
実は、厳密にいうと、「イニシア西新井」は、東京都の「子育て支援住宅認定制度」の第1号ではない。
新築の<分譲>マンションとしては第1号なのだが、それよりも早い時期に、新築の<賃貸>マンションとしては2件認定を受けているのである(次表)。
ちなみに、中古賃貸マンションは、「イニシア西新井」の認定よりも早い時期に、5件認定を受けている。
そもそも「東京都子育て支援住宅認定制度」とはどのような制度なのか?
東京都子育て支援住宅認定制度とは
東京都子育て支援住宅認定制度とは、子育て世帯に配慮した住宅の供給促進と子育て世帯が子育てに適した住環境を選択しやすい環境づくりに寄与することを目的に、2016年2月に始まった東京都の認定制度。
新築マンションだけでなく、中古マンション、改修マンションも認定対象になっている。
子育て世帯に適した住まいの広さや安全性等を備え、子育て支援サービスとの連携等にも配慮した優良な住宅を知事が認定し、公表することにより、子育て世帯に配慮した住宅の供給促進を図るとともに、子育て世帯が子育てに適した住環境を選択しやすい環境づくりに寄与することを目的とする。
(目的|東京都子育て支援住宅認定制度要綱)
住戸内だけでなく共用部も含めた安全基準、キッズルームなどの子育て支援施設の設置、子育てしやすい立地環境基準など、総項目数93のうち必須項目62(新築マンションの場合)を満たす必要がある。
認定マンションの適合状況は都のホームーページに公開されている。
たとえば「イニシア西新井」の適合状況は次表のとおりである。
もちろん必須項目には全て適合しているが、選択項目については、全て適合しているわけではない。
「立地に関する基準」4項目のうち適合しているのは3項目、「子育て支援施設やキッズルーム等に関する基準」5項目のうち適合しているのは1項目。
制度開始1年で認定実績10件
子育て支援住宅認定制度が始まって1年が経過。
これまでに認定されたのは新築マンション4件(分譲1件、賃貸3件)、中古マンションが6件(次図)。
そんなに多いわけではない。
東京都が創設したマンション絡みの任意の登録制度は、「東京都優良マンション登録表示制度」や「東京都LCP住宅情報登録・閲覧制度」など、いずれも不発状況。
ただ、任意ではなく、強制力のある「東京都マンション環境性能表示」のような比較的うまくいっている登録制度もある。
子育て支援住宅認定制度の今後の展開はいかに・・・・・・。