国土交通省は5月31日、「住宅着工統計(平成28年4月分)」を公表。
ざっくり言うと
平成28年4月の住宅着工動向について、次のように記されている。
- 平成28年4月の住宅着工戸数は82,398戸で、前年同月比で9.0%増となった。また、季節調整済年率換算値では99.5万戸(前月比0.2%増)となった。
- 利用関係別にみると、実数値では、前年同月比で持家、貸家、分譲住宅ともに増となった。
- 住宅着工の動向については、平成26年4月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響からの持ち直しが見られた後、前年同月比で横ばいの傾向となっていたが、直近では4か月連続での増加となっている。
- 引き続き、今後の動向をしっかりと注視していく必要がある。
また、分譲マンションについては、次のように記されている。
前年同月比では3か月連続の増加(前年同月比7.8%増)。
これだけでは、よく分からないので、いつものようにマンション関連のデータを中心に可視化(グラフ化)してみよう。
全国分譲マンション着工戸数 3か月連続の増加
たしかに「3か月連続の増加」状況であることが確認できる。
マンション傾斜・偽装問題の影響を脱した
※黒色破線は、多項式(5次)の近似曲線。以下同じ。
首都圏では、4か月連続で5千戸超であるものの、季節変動があるのでなんとも言えない。
首都圏について、前年同月比の増減を可視化したのが次のグラフ。
このグラフであれば、季節変動の影響を排除できる。
首都圏の着工戸数が11月(+8.5%)のプラスから、2か月のタイムラグで12月(▲28.7%)、1月(▲20.6%)、2月(▲5.2%)と3か月連続でマイナスになったのはマンション傾斜・偽装問題の影響だったのではないか。
3月(54.8%)に入って大きくプラスに転じて、4月(2.4%)は若干のプラスにとどまった。
東京都分譲マンション 4月の着工戸数は前年同月比0.9%の微増
東京を見ると、着工戸数は2月(4,608戸)に急増したあと3月(3,025戸)に減少、4月(4,323戸)に再び増加しているものの、季節変動があるのでなんとも言えない。
次のグラフであれば、季節変動の影響を排除できる。
過去10年間を振り返ってみると、東京都の4月の着工戸数の変動は激しい。
でも、16年4月の着工戸数は、前年同月比0.9%の微増。
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