中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター株式会社は12月24日、Gomez(http://www.gomez.co.jp/)のウェブサイトで「売買不動産情報サイトランキング」と「賃貸不動産情報サイトランキング」を発表。
両ランキングとも、次の4つのカテゴリからなる179項目について、モーニングスター社のアナリストが実際にウェブサイトを使って、評価しているという。
- サイトの使いやすさ
- 情報量とコンテンツ
- 安定性と信頼感
- 便利な機能・サービス
「売買不動産情報サイト」ランキング1位はSUUMO
発表されたサイトは次の7社。
SUUMOだけが7点超えで1位。
( )内の数値は、「総合評価」の得点。理論上の最高得点は10点とされている。
- 1位:(7.33)SUUMO(リクルート住まいカンパニー)
- 2位:(6.75)HOME'S(ネクスト)
- 3位:(6.46)アットホーム(アットホーム)
- 4位:(5.92)goo不動産(エヌ・ティ・ティ レゾナント)
- 5位:(5.54)オウチーノ(オウチーノ)
- 6位:(5.16)センチュリー21(センチュリー21・ジャパン)
- 6位:(5.16)三井のリハウス(三井不動産リアルティ)
Gomezのサイトでは、4つのカテゴリ別のランキングを見るためには、いちいちリンク先を開かなけばならない。
そこで全体を俯瞰できるように、4つのカテゴリの得点も交えて、可視化しておいた(次表)。
「賃貸不動産情報サイト」ランキング1位もSUUMO
発表されたサイトは次の12社。
賃貸の1位もSUUMO。
( )内の数値は、「総合評価」の得点。理論上の最高得点は10点とされている。
- 1位:(7.56 )SUUMO(リクルート住まいカンパニー)
- 2位:(7.50 )HOME'S(ネクスト)
- 3位:(6.53 )マイナビ賃貸(マイナビ)
- 4位:(6.18 )スマイティ(カカクコム)
- 5位:(6.13 )ホームアドパーク(アドパークコミュニケーションズ)
- 6位:(6.08 )goo不動産(エヌ・ティ・ティ レゾナント)
- 6位:(6.08 )アパマンショップ(アパマンショップネットワーク)
- 8位:(5.88 )アットホーム(アットホーム)
- 9位:(5.87 )オウチーノ(オウチーノ)
- 10位:(5.79 )CHINTAI(CHINTAI)
- 11位:(5.27 )ホームメイト(東建コーポレーション)
- 12位:(5.07 )いい部屋ネット(大東建託)
「賃貸不動産情報サイト」ランキングについても、4つのカテゴリの得点も交えて、可視化(一覧表)しておいた。
なぜ、Yahoo!不動産がランキングに入っていないのか?
「売買不動産情報サイトランキング」も「賃貸不動産情報サイトランキング」も上位の2社は、SUUMO(スーモ)とHOME’S(ホームズ)。
ということは、一般の人が不動産情報を調べるときには、SUUMOかHOME’Sのどちらかを見ておけばいいということになる。
さて、今回の発表内容で腑に落ちないことが一つある。
売買にも賃貸にもYahoo!不動産が入っていないことだ。
過去のランキングにもYahoo!不動産はランクインしていなかったのか?
過去データをひも解き、整理してみた。
「売買不動産情報サイト」のランキングでは、Yahoo!不動産は2014年が3位、2013年が6位であった(次表)。
また、「賃貸不動産情報サイト」のランキングでは、Yahoo!不動産は2014年が7位、2013年が6位であった(次表)。
なぜ、2015年のランキングにYahoo!不動産が入っていないのか?
「売買不動産情報サイト」のノミネート基準は次の通りとされている。
- ウェブサイト上で個人向けマンション、戸建て住宅物件の情報を提供していること
- 広い地域にわたる不動産物件情報を提供していること
- 不動産会社から物件情報の提供を受けていること(但し不動産情報サイトから受けている場合も、一定の基準を満たす場合は含む)
- その他、当社調査において一定以上の水準を満たすこと
また、「賃貸不動産情報サイト」のノミネート基準も次のように、「売買不動産情報サイト」の基準とほぼ同じ。
- ウェブサイト上で個人向けマンション、アパート、戸建て賃貸住宅物件の情報を提供していること
- (以下3項目は、「売買不動産情報サイト」のノミネート基準に同じ)
これらの「ノミネート基準」は、2012年からほどんど変わっていない。
なぜ、2015年のランキングにYahoo!不動産が入っていないのか?
ヤフーが中古物件流通促進に向けてソニー不動産と業務・資本提携したことが影響しているのか?
ヤフーがソニー不動産と業務・資本提携したことに対して、大手業界団体「不動産流通経営協会」は12月10日、「不動産情報サイトの中立性を損ねる」と反発し、12月にヤフーへの情報提供を取りやめることを決めている。
あるいは「ノミネート基準」の3番目の項目、「不動産会社から物件情報の提供を受けていること」を満たしていないということなのか?
ひょっとして、Yahoo!不動産がモーニングスター社のアナリストのメガネにかなわなず、4番目の「当社調査において一定以上の水準を満たすこと」という不明瞭な基準によって、「Yahoo!不動産」が低評価を食らったのか?
なんとも不可解だ。
「Yahoo!不動産」が賃貸のトップ12の中にも入っていないことで、ランキング評価全体の信憑性が損なわれていることはないのか――。