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湾岸エリアのマンション事情(平成27年第3四半期)

国土交通省が11月27日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。

同レポートは比較的バイアスがかかっていない、新築マンションの市況を知り得る数少ない情報だ。


もくじ

東京圏の地価はほぼ全ての地区で上昇

平成27 年第3四半期(H27.7.1~H27.10.1)において、東京圏(43)では上昇地区が 41(前回 41)、横ばい地区が 2(前回 2)となり、ほぼ全ての地区が上昇となった。

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「平成27年第3四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」より

 

湾岸エリアの地価は上昇傾向が続く

月島、豊洲、有明などの湾岸エリアの地価は、過去1年以上上昇傾向が続いている。

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「平成27年第3四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」を切り貼り

 

湾岸エリアのタワーマンションに興味のある方が多いので、月島、豊洲、有明など、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」をピックアップしておこう。


【佃・月島】新築・中古ともにマンション分譲価格は今後も上昇

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東京五輪の開催が決定して以降、分譲マンションの販売は好調で、新築・中古ともにマンション分譲価格は今後も上昇が予想されている。

  • いわゆる湾岸エリア(豊洲、月島、晴海等)においては、都心への接近性の立地条件等が優れることからマンション需要は根強く、東京五輪の開催が決定して以降、分譲マンションの販売は好調である。
  • その中でも月島エリアは、複数の地下鉄によるアクセスが可能であり銀座地区等への都心への接近性に優れ、その他のエリアに比較し供給が少なく稀少性があること等から、旺盛な取得需要を背景に、新築・中古ともにマンション分譲価格は今後も上昇が予想される。
  • 建築費の上昇等の懸念材料があり、デベロッパーによる採算性の検証が従来にも増して厳格になっているものの、マンション素地の取得意欲は強い。そのため、地価動向はやや上昇傾向で推移している。
  • 当地区は、東京五輪の開催決定以降、湾岸部におけるマンション市況が好転し、現在もその状況は続いている。中古マンションの取引も旺盛であり、築年の経過した物件も含め、高値取引が散見される。
  • また、マンション素地については、デベロッパー等による取得意欲は強いものの、素地の品薄から目立った動きは少ない一方で、月島駅周辺等では複数の再開発案件が計画されている。
  • そのため、強い需要と更なるまちの発展期待により、将来の地価動向は引き続きやや上昇傾向が続くと予想される。

 

【豊洲】今後も新築分譲マンションは強気の価格設定が続く

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中古マンションの価格が上昇しており、新築に割安感が生じていることから、今後も新築分譲マンションは強気の価格設定が続くことが見込まれている。

  • 東京五輪の開催が決定して以降、湾岸部の分譲マンションに対する需要は新築、中古とも旺盛な状態で推移している。特に当地区は、ほかの湾岸部より交通利便性が良好なことから取得需要が強い。
  • 中古マンション価格の上昇により、マンションの取引件数自体は以前に比べ減少している。
  • 建築費上昇の影響からデベロッパーの採算性が厳しくなっているものの、東京五輪開催に伴う将来の開発可能性による発展期待も相まって、デベロッパーによる素地の取得意欲は強く、地価動向は引き続きやや上昇傾向にある。
  • 建築費の高騰及び強いマンション需要から中古マンションの価格が上昇しており、新築に割安感が生じている。したがって今後も新築分譲マンションは強気の価格設定が続くことが見込まれる
  • また、マンション価格の上昇により全体の取引件数は減少することが予想されるものの、湾岸部では東京五輪関連施設の建設等が予定されているため、マンション需要は堅調で、マンション素地に対する稀少性に変化はないため、将来の地価動向は当面の間はやや上昇すると予想される。

 

【有明】今後は価格調整局面を迎える

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マンション価格の上昇及び大量供給の影響により、今後は価格調整局面を迎える可能性がある。

  • 当地区のマンション市況は、東京五輪の開催が決定して以降新築中古を問わず需要は旺盛であり、決定当初ほどの勢いはないものの、依然として好調を維持している。
  • 建設費の上昇によりデベロッパーの採算は厳しくなっているが、好調なマンション市況及び開発用地の稀少性のほか、東京五輪関連施設の建設や国際的な各種イベント施設等の開発可能性による発展期待も相まって、デベロッパーによる開発用地の取得意欲は強く、地価動向は引き続きやや上昇傾向にある。 
  • 当地区及び周辺エリアにおけるマンション価格の上昇及び大量供給の影響により、今後は価格調整局面を迎える可能性があるものの、当面は堅調なマンション需要を維持することが予想され、開発用地に対する稀少性に変化はない。
  • また、上記のとおり、東京五輪関連施設の建設や地区計画による規制誘導の効果等による発展期待が高いことから、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くことが予想される。

 

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