不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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都心のタワーマンションは中国人に占拠されるのか?


東京オリンピック選手村建設予定地の近くに建設中の地上52階建ての免震ツインタワー・マンション。

物件概要
【第2期 予告広告】六本木駅直通16分、駅徒歩9分。総戸数1,450戸(住宅)、SOHO216区画、その他店舗2区画、52階建。販売戸数/未定、1LDK(44.67m2)〜4LDK(123.77m2)。販売価格/未定。平成27年9月下旬竣工(本チラシ掲載日の11カ月後)。

  • ※3月22日(土)、4月11日(金)、5月2(金)日の物件と同じ。

「数々の住宅サイトでランキング1位獲得」で、人気があるとされている52階建ての超大規模なツインタワー・マンション。
けっこういい値段なので、もはや一般のサラリーマンには手が出ない。
中国人が都心のマンションを買い漁っている(日刊現代ニュース8月19日)とか、高級タワマン住民が激白 都心湾岸エリアが中国人に占領される!?(ライブドアニュース 9月14日)で伝えられているように、ほんとうに都心のタワーマンションが中国人に占拠されるのだろうか?

SUUMOが非営利団体「日本温州総商会」と協力し、今年の1月に中国版のサイトを開設したほか(下図参照)、日本温州総商会自らが運営しているサイト「日本捜房」や、台北に本部を置き上海と香港に事務所を構える「日本房産網」、江東区青海に本社を置く「 JC here 」など、中国人向けの中国語の不動産サイトが増えているようだ。
SUUMO中国版サイト

中国人はどの程度、都心の超高層マンションに関心を示しているのか?
他人のサイトのアクセス解析ができる SimilarWeb でこの物件のデベロッパーである住友不動産のサイトのアクセス数を調べてみた。
9月の月間アクセス数は240万件。中国は次のように国別ランキングでは第4位。台湾の6割でしかない。
ただし、中国の6,240件の全てが中国人のアクセスなのか、中国在住の日本人のアクセスなのかは不明。

  • 1位:日本97.52%(2,340,480件)
  • 2位:米国1.02%(24,480件)
  • 3位:台湾0.43%(10,320件)
  • 4位:中国0.26%(6,240件)
  • 5位:香港0.09%(2,160件)



一般財団法人ニッポンドットコムが運営している多言語発信サイト「nippon.com」に掲載されている中国問題専門家ジャーナリスト信太 謙三氏の記事「期待過剰で増え続ける中国語不動産投資サイト」によれば、「日本の不動産が中国マネーで買い占められるというのは今のところ杞憂でしかない」という。

「東京ベイエリアの高級タワーマンションが中国人の金持たちに次々と買われている」といった噂が流れるわけだが、これは事実とはいえない。
「台湾のお客さまでマンションを購入された方はおりますが、大陸の方はまだおりません」
こう語るのは東京港区芝浦で高級タワーマンションの分譲販売を進める企業のスタッフ。
日本のマンションを買っている中国(大陸)の人はやはり、日本に住んでいるとか、また、日本と関係がある方に限られており、投資で日本の不動産を購入するという方は少ないのではないでしょうか」と語る。
こうした意見は取材した日本の不動産会社に共通するもので、「中国からの投資は欲しいが、思うように来てくれない」というのが実情のようだ。

中国の海外商業不動産投資は2013年、76億米ドルと前年比で124%も増えているが、そのカネの行き先は欧米やオーストラリアが中心で、日本にはあまり来ていないとして、シカゴに本社を置く大手不動産会社「ジョーンズ・ラング・ラサール」のデータがその根拠として掲げられている。

(本日、マンション広告2枚)

(DEUX TOURS CANAL&SPA (ドゥトゥール))

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