不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


総合マンションギャラリーは、演出された候補者のネット動画のごとし

流通センターの跡地に建つ、運河沿いの大規模マンション。

【第2期本広告】銀座1丁目駅直通6分、駅徒歩14分。総戸数144戸、15階建。販売戸数5戸、3LDK(69.11m2)。販売価格3,880万円〜4,100万円、最多価格帯4,100万円台。平成24年8月10日竣工済み(本チラシ掲載日の11カ月前)。

  • ※2012年6月8日(金)・9月15日(土)の物件と同じ。

インターネットを利用した選挙運動が2013年の参院選から解禁された。
これにより、平日は、なかなか候補者の演説を聞くことのできない勤め人にとって、動画などいつでも“生の声”を視聴できるようになった。
また、選挙期間中、ファイスブックやツイッターなどのSNSを利用して、候補者をリアルタイムでフォローすることもできるようになった。
ネットの解禁は、ネットからの情報発信に長けた候補者ほど(もちろん、ネット情報に費やせるおカネをたくさん持っている候補者ほど)、有利であるに違いない。


さて、本日のB4判のチラシのオモテ面の「第2期登録受付開始」の文言。
チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、既に11カ月も前に竣工した物件であることが分かる。
モデルルームの維持費が大変だろうなと思いきや、そうではない。

総合マンションギャラリー

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複数の物件を紹介できる「総合マンションギャラリー」を開設することで(物件ごとのモデルルームを開設しないことで)、維持費を節約しているのだ。

総合マンションギャラリー」は、消費者にとってお役立ちなのか?

「総合マンションギャラリー」で、現地の周辺環境などを映像で視ることはできるが、演出された映像は、物件を判断するうえで有効な情報とはいえない。
また、「コンセプトルーム」は来訪者の購買意欲を高めるという売主都合の効果はあっても、来訪者に必要な物件に係る直接的な情報を提供していない。当該物件の情報を知る上ではまだ「モデルルーム」のほうがましだろう。


「ミストサウナ体感コーナー」や「セキュリティコーナー」、「宅配ボックス」「ペアガラス遮熱性能」といった、“カタログ設備”を喧伝する展示コーナーは、受けはいいかもしれないが、些末な情報だと思う。


マンション選びのためには、住戸の広さ(面積だけでなく、天井高さも)や窓からの眺め、日照、通風、騒音といったリアルな情報が欠かせない。
そういう点では、「総合マンションギャラリー」なんかではなく、現地物件内の実際の住戸を利用したモデルルームのほうが、マンション選びのための有用な情報が得られる。


これって、演出された候補者のネット動画(総合マンションギャラリー)よりも、熱気を直接感じられる街頭演説(現地物件内の実際の住戸を利用したモデルルーム)のほうがいい、というのと同じレベルの話か・・・・・・。

(本日、マンション広告2枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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