不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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2020年東京オリンピック誘致で資産価値のアップを期待できるか


本日、マンション広告2枚。

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臨海部に建つ大規模な超高層マンション。

【予告広告】東京駅11分(途中快速乗換)、駅徒歩13分。総戸数600戸、33階建。販売戸数/未定、1LDK(45.94m2)〜3LDK(84.27m2)。販売価格/未定。平成27年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年1カ月後)。

  • ※2012年12月1日(土)の物件と同じ。

新聞全紙大のチラシの裏面のバブリーなキャッチコピー。

  • 自分を取り戻す時間がここにある。
  • オーナーだけの至福リゾート、最上階に共用施設を集約。

バブリーな共用施設がてんこ盛り。
ジムやキッズラウンジ、キッチンスタジオは良しとしても、セラピールームやヒーリングスタジオ、4つのゲストルームとなるとどの程度活用されるのか――。


特に、温水プール(1回1人あたり300円)や二つのスパの維持管理は気なるところだ。
レジオネラ菌事故など発生した場合、管理運営企業にリスク負担能力がなければ、そのリスクを負うのはマンション管理組合(=住民負担)。
※アマゾン『売主が決して伝えない あなたの知らない超高層マンション問題』参照。


さて、このデベロッパーが、この湾岸副都心地区に、このようなバブリーな超高層マンションを建てるのは3棟目。
いずれも33階建てなのだが、興味深いのは、1棟目(総戸数1,085戸、2009年3月竣工済み)が耐震構造(≒最低限の構造形式)であったのに対して、2棟目(総戸数1,089戸、2011年3月竣工済み)が制震構造(>耐震構造)、そして今回の3棟目(総戸数600戸、2015年2月竣工予定)が免震構造(>制震構造>耐震構造)ということ。
これでは、2棟目(制震構造)の住民はまだしも、1棟目(耐震構造)の住民はやりきれないだろう。
本日のチラシには案内図が掲載されていない(ホームページにも掲載されていない)ので、これら3棟の位置関係が分かりにくい。
ネット情報を駆使して、3棟の位置関係を図化するとこんな感じ。
有明地区の超高層マンション3棟の位置関係


ところで、前回の2016年東京オリンピック誘致失敗で資産価値のアップが期待外れに終わった、1棟目・2棟目の住民は、2020年の東京オリンピック誘致に資産価値アップを期待することはできるのか?


残念ながら、2020年の東京オリンピック誘致が実現したとしても、この地区で開催される競技は、次のように、バレーボール会場を除くと、すべて仮設での対応となる計画(関連記事参照)となっている。

  • 【仮設】自転車競技(トラック・レース)@有明ベロドローム
  • 【仮設】自転車競技(BMX)@有明BMXコース
  • 【仮設】体操@有明体操競技場
  • 新設】バレーボール@有明アリーナ(着工2016年12月〜竣工2019年5月)
    • 大会後の用途は、多目的アリーナ

これらの位置関係を示すと、こんな感じ。
有明地区の超高層マンション3棟・オリンピック関連施設の位置関係
2020年の東京オリンピック誘致決定後、速やかに転売するのが得策か――。


(ブリリア有明 シティタワー)

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