不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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新築マンション価格動向(1都3県)、鑑定評価員コメント(11月22日)

国土交通省が11月22日、全国主要都市の計150地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。
比較的バイアスのかかっていない、新築マンション市況を知り得る数少ない情報。
1都3県の新築分譲マンションの価格動向を中心に、「鑑定評価員のコメント」を拾ってみた。


埼玉

  • さいたま市(新都心))【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当期のマンションの分譲価格は横ばいで推移している。分譲マンションは当地区を含め、浦和、南浦和、武蔵浦和で大量に供給されることが予想されているため、今のところ大きな影響はないものの、今後の価格の変化が注視される。





千葉

  • 千葉市(中央区/千葉港)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 東日本大震災の影響は根強く、いまだに湾岸エリアのマンションについては需要が少なく在庫が多い状況が続いているため、マンション分譲価格の下落傾向が続いている。一方、内陸部については、需要増までは至らないが、比較的需要は安定している。


  • 千葉県(浦安市/新浦安)【マンション分譲価格:下落(0%超3%未満)】
    • 中古マンション、中古戸建住宅については、浦安市外からの需要は引き続きほとんどなく、浦安市内居住者及び居住者の親族中心の需要が値頃感のある物件に集まっている。在庫物件が増加し、買手市場が継続しているため、特に総額の張る物件を中心に値下げ圧力は強い。取引数は未だ低水準であり、まとまった住宅需要は見込めず、当分新規分譲需要もないことから、マンション分譲価格は下落傾向にある。


  • 千葉県(柏市/柏の葉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 柏市外からのファミリー層の需要は回復していないが、市内顧客によるマンション、戸建住宅の取引量はやや増加傾向が見られており、駅前の大規模マンション分譲価格についても概ね横ばいで推移している。





東京

  • 千代田区(番町)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 優良な新築もしくは築浅物件を求める需要は引き続き堅調である。計画が公表済みのものを含む新規物件の販売情報をにらみながら、一方で中古の優良物件を物色する動きも続いている。需要者の購買希望価格帯は、総額によりいくつかのグループに分かれているが、いずれの価格帯についても一定数の需要者が存在していると見られる。これらの動向を総合的にとらえると、マンション分譲価格は横ばいで推移している。




  • 中央区(佃・月島)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 新築・中古共に取引件数自体は減少傾向にあるが、都心へのアクセス性等の立地の優位性から当地区のマンションに対する需要者は底堅く、取引市場において見受けられるマンション分譲価格は横ばい傾向である。ただし、当地区周辺における分譲マンションの新規供給が今後も多数予定されていることから、需要との兼ね合いで今後の価格下落に対する懸念も存在する。消費税増税の影響については、駆け込み需要等の影響は不透明であることから、分譲価格の動向には今後も注視が必要である。


  • 港区(南青山)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 専有面積が小さく分譲単価を低く設定した新築マンションの供給が増えており、これらに対する個人の需要は堅調である。このため、新築マンションの分譲価格は横ばいで推移している。ただし、専有面積が大きく分譲時の単価の高かった中古マンションに対する需要は低調で、これらの価格は下落している。


  • 港区(高輪)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 東京メトロ南北線沿線では、大手・中堅デベロッパーにより中・小規模のマンション供給が続いており、販売状況も堅調でマンション分譲価格は概ね横ばいである。都営浅草線高輪台駅周辺ではタワーマンションの供給が続いているが、来期には大規模な高級タワーマンションが販売される予定であり注目されている。


  • 港区(芝浦)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区の超高層中古マンションの供給は前期と概ね同程度であるが、隣接する湾岸地区において中古マンションの供給が増加しているため、当地区の価格にも下落圧力が働いているものの、当期のマンション分譲価格は概ね横ばいである。


  • 渋谷区(代官山)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 高額マンションの買受需要は弱いが大幅な需給バランスの崩れは見られないため、値頃感のあるマンション分譲価格は横ばいで推移している。


  • 文京区(石川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 住宅ローンの低金利、消費税増税前にマンション購入を検討する世帯の増加等によりマンション販売は好調である。なお、当地区は、播磨坂を中心とする比較的高級な住宅街であることから、新築マンションについては、比較的グレードの高いものが計画され、また、デベロッパーによるやや高めの用地取得状況も反映してマンション分譲価格は、高水準の横ばい傾向にある。


  • 品川区(品川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 近年、当地区において新規の大型マンション分譲はない。築5〜9年の大型中古マンションが価格の指標で、当該中古マンションの成約専有単価は200万円/坪程度でほぼ安定していることから、マンション分譲価格は横ばい傾向であるが、売り希望価格と買い希望価格にギャップが出始めている。


  • 江東区(豊洲)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区を含む周辺エリアの高層・超高層の新築マンションは各販売期において即日完売しており、前期と同様、その売行きは好調である。したがって、新築の分譲販売にあっては計画通りの価格で販売されているため実質的な価格調整もなく、マンション分譲価格は前期と同様横ばいで推移している。




  • 世田谷区(二子玉川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 当地区に新規分譲物件は無いが、当地区周辺の瀬田の販売物件は当初価格を引き下げることはなく完売した。その他に、老朽化した既存物件建替えによる新規供給計画(平成27年以降竣工予定)の動きがあり、事業主体となるデベロッパーも内定して準備段階にある。中古マンションについては、売れ筋の徒歩10分圏内・築10年以内で、5,000万円〜6,000万円程度の物件が市場に出てきておらず価格弱含みの一因となっている。ただし、新築マンションについて現在分譲中物件がないが、売れ筋となる分譲物件が販売されれば、新規分譲価格は従前価格と同水準の価格で販売可能と思われる。したがって、マンション分譲価格は横ばいで推移している。




  • 武蔵野市(吉祥寺)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 御殿山地区の大型マンション分譲は、売り出し早々に完売した。最寄駅から徒歩10分で住環境等が良好であるため、売出価格は戸当たり1億円半ばを最高に最多価格帯7,000万円前後ながら、需要を押し上げる形となった。東京圏全体では、マンション価格が低下傾向にあるが、吉祥寺駅周辺においては新築物件の供給が少ないことも有利に働いて、当地区の新築マンションの分譲価格は横ばいで推移している。中古マンション価格は、景気を反映した需要の減速傾向により前期同様やや下落傾向にあり、比較的築浅の物件でもやや苦戦が続いている。


  • 立川市(立川)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 立川駅を最寄りとする新築分譲マンションは、駅からやや遠く環境条件が見劣りする地域での立地が多いため、既に竣工していても完売に至らず現在も販売が続いていて苦戦を強いられている物件が多い。駅から比較的近く、環境条件も比較的良好な地域では、築浅の中古マンションの取引価格は堅調に推移していることから、新築マンションの分譲価格は横ばい状態にある。







神奈川

  • 横浜市(都筑区/筑区センター南)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 2年後の消費税増税を見越した1次取得層を中心とする購入層が増加しているものの、先行きの給与所得の上昇は期待できず、また、田園都市線沿線の新築マンションの供給が多いが、分譲価格に変化は見られないため、マンション分譲価格は前期に比べ横ばいで推移している。


  • 横浜市(青葉区/美しが丘)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 市が尾駅徒歩圏の完成済マンションや青葉台駅徒歩圏外の11月入居予定マンション、そのほか数次に分割販売中のマンション分譲価格に変動状況は見られない。以上から、マンションの分譲価格は横ばいで推移している。なお、今後供給予定のたまプラーザ駅やあざみの駅徒歩圏物件の売れ行きが注目される。


  • 川崎市(中原区/元住吉)【マンション分譲価格:横ばい】
    • 元住吉駅から徒歩10分内外の数物件が売り出されており、駅から徒歩圏内で、住環境の良好な物件は平均価格5,500万円でも完売している。また武蔵小杉駅に近接した物件は販売時に完売又は90%以上の成約率となっており、依然として根強い人気がある。しかし交通利便性に優れ、隣接する東京と比べて割安感がある当地区においても、6,000万円台を超える高額物件の販売や、平均分譲価格の引き上げにはデフレ経済下の現状から抵抗が強い。そのためマンション分譲価格は横ばい傾向で推移している。


  • 川崎市(麻生区/新百合ヶ丘)【マンション分譲価格:上昇(0%超3%未満)】
    • 新築マンション市場については、住宅取得支援策(住宅取得資金に係る贈与税の非課税枠の拡充)等の政策効果により、市況・需給ともに回復基調にある。新百合ヶ丘駅徒歩5分の立地で定期借地権付分譲マンションが分譲中であったがほぼ完売した。駅周辺では他に分譲マンションの供給余地はほとんどない。利便性及び品等良好なマンションについては需要が根強く、マンション分譲価格は上昇傾向で推移している。



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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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