「予告広告」でモデルルームに集客し、“即日完売”できる見通しが得られた段階で「本広告」を出して短期間で受付・抽選に走るという、最近はやりの“即日完売”。
「第1期 即日完売 御礼」といった煽り広告や、営業マンのセールストークを鵜呑みにしていることはないだろうか。
「この住戸は、抽選倍率が高くなりそうですよ」などと耳打ちされると、かえって欲しくなるのは人の常。
本当のところは、どうなのか?
不動産経済研究所が毎月中旬に発表している「首都圏マンション市場動向」の資料の中に、「即日完売物件」として、3〜5物件の「即日完売戸数」とそれぞれの「平均抽選倍率」「最高抽選倍率」が掲載されている。
そこで、掲載されている物件の「平均抽選倍率」の加重平均を計算し、2008年1月以降の数値をグラフ化してみた。
“即日完売”戸数は2010年3月以降急増しているが、「平均抽選倍率」のほうは09年の9月・11月を例外(※1)とすれば、1倍と2倍の間にシッカリ収まっている。
このことは、“即日完売”できる見通しが得られた(購入予定客が確保された)段階で抽選を実施していることの証左ではないのか。
※1:09年の9月は、「ザ・晴海レジデンス 3期(終)」の“即日完売”27戸に対して平均抽選倍率8.7倍。同年11月は、「タマレジデンス中野島リバーコート」の“即日完売”55戸に対して平均抽選倍率5.3倍の影響が大きい。
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本日、マンション広告1枚。