不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


マンションQ&Aサイトの「質問件数」に見る購入マインド

震災後、マンション購入マインドはどのように変化したのか?
3社(HomePLAZA・長谷工アーベスト・有楽土地)が発表した最近の調査結果は、三者三様であった「6月13日(月) 購入マインド調査結果の三者三様」。
これらの調査結果は、マンション供給サイドが実施した調査だから、「ひょっとするとバイアスがかかっているかもしれない」という疑いの目で見ておく必要があるだろう。


客観的なデータから、震災後のマンション購入マインドを把握する方法はないのか――
いろいろ考えているうちに、専門家が新築マンションの悩みに答えるマンションQ&Aサイト「マンションってどうよ?」の質問件数の多寡が「マンション購入マインド」の代替指標になるのではないかと思い当った。
同サイトはNPO法人が運営しているマンション購入者支援サイトで、関西版と関東版がある。関東版は約5年前(06年2月17日)にスタート。


そこで、震災後のマンション購入マインドを把握すべく、「マンションってどうよ?(関東版)」の月間質問件数の変化を追ってみた。


月間質問件数の推移(マンションってどうよ?関東版)
月間質問件数の推移(マンションってどうよ?関東版)
過去2年と比べて、今年の2月から5月の件数は明らかに少ない。
よって、過去2年と比べて、購入マインドが落ちているとは言えそうだ。


4月から5月にかけて昨年は上向いていたのに、今年は71件(4月)、61件(5月)と減少している。
ただ、これだけで震災の影響があるのか、ないのか、明言することは困難だ。
6月・7月のデータを待つこととしたい。


ところで、09年の2月に質問が大幅に増えているのはなぜか?
震災後の影響よりも、そちらのほうが気になったので、さらに調べてみた。


「質問件数」と「販売在庫数・発売戸数(首都圏)」の推移
「質問件数」のグラフに、不動産経済研究所が毎月発表しているデータの中から首都圏の「販売在庫数」と「発売戸数」のグラフを重ねてみたところ――
「質問件数」と「販売在庫数・発売戸数(首都圏)」の推移
特に09年は「質問件数」と「販売在庫数」がよく相関している。
「販売在庫数」が漸減するにつれて「質問件数」も減少しているのだ。


業界あげて販売在庫の圧縮に取り組んでいたこの時期は、大幅な値引き販売が横行していた時期でもあるので、買い急いだ人たちが、様々な疑問を解消したがっていたということなのだろう。


では、10年に入って、「販売在庫数」が漸減を続けるも、「月間質問件数」のほうは減少せず、どちらかといえば多い傾向にあるのはなぜか?
この現象は、「発売戸数」のほうから説明できるかもしれない。
すなわち、「販売在庫数」の減少と相対するカタチで「発売戸数」が増加し、業界上げての販売攻勢に、買いを煽られた消費者が疑問を解消しようとしたのではないだろうか。


そして今年(11年)に入って、「販売在庫数」は底を打つが、購入マインドが上がらず、「発売戸数」が低迷する中で、「質問件数」が少ない状態が続いていると見たのだが・・・・・・。


関連記事

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.