不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「東京駅から歩いて帰れるわが家」ってか


本日、マンション広告6枚。

【最終期(第7期)1次 予告広告】銀座一丁目駅直通5分、駅徒歩6分。総戸数1,063戸、48階建×2棟。販売戸数/未定、2LDK(77.54m2)〜3LDK(129.84m2)。販売価格/未定。平成21年3月19日竣工済み(S棟)・6月19日竣工済み(N棟)(本チラシ掲載日の1年2カ月前・11カ月前)。

  • ※08年6月20日(金)・7月19日(土)・8月1日(金)・8月15日(金)・12月5日(金)、09年1月1日(木)・5月4日(月)・6月19日(金)・7月25日(土)・8月14日(金)・9月12日(土)、10年1月16日(土)・1月23日(土)・1月30日(土)、11年4月15日(金)の物件と同じ。

外観がオフィスビルのような、大規模な超高層ツインタワー・マンション。


B3判チラシのオモテ面に大震災を意識したキャッチコピー。

  • 東京駅から歩いて帰れるわが家。
    • 万が一の事態にも、家族の待つわが家まで1時間弱で歩いて帰れる。
    • 東京駅から直線距離に位置する○○(=地域名)、この街が選ばれる理由は、ここにもあります。

「直線距離ではなくて、道のり(道に沿った距離)で表現してね」と突っ込みを入れようと思ったら、次の記載が。

  • △△(物件名)まで徒歩57分
    • (東京駅から徒歩57分/約4,550m)

道のりが4,550mだから、不動産表示ルール(施行規則第11条(10)号)に則り、分速80mで計算すれば、たしかに57分(=4,550m÷80m)となる。
でも、この計算には、信号の待ち時間や歩道橋の上り下りの余分な時間が考慮されていない。


実際には、どれくらい時間がかかるのか?
Google マップの「徒歩ルート案内」機能を使って、調べてみた。
徒歩ルート案内(Google マップ)
東京駅八重洲口から本物件前まので道のり時間・距離は「58分 4.8km」と表示された。
1分当たり82.8m(=4.8km÷58分)だから、不動産表示ルールの分速80mよりも若干速足だ。


「徒歩ルート案内」の「ルート一覧」を見ると、途中途中の距離とともに、「左折する」「右折する」「横断歩道を渡る」などのガイドも表示されている。
この「横断歩道を渡る」を数えると、全部で10カ所。
信号の待ち時間を平均1分とすると、合計ロスタイムは10分。
よって、東京駅から本物件までの、信号待ち時間を含む徒歩時間は1時間8分(=58分+10分)となる。
チラシが謳う1時間切りの「57分」とは受ける印象が異なるではないか!


まあ、大震災時には、徒歩で帰宅する人が歩道に溢れかえるから、もっと時間がかかるだろうし――
何とかエントランスホールにたどり着けたとしても、48階建ての超高層マンションのエレベータが動いていなかったら、疲れた体に鞭打って、階段を上がる困難が待っている。


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