【第2期 予告広告】大手町駅直通9分、駅徒歩13分。総戸数110戸、13階建。販売戸数/未定、2LDK(62.04m2)〜3LDK(87.16m2)。販売価格/未定。平成23年2月中旬竣工(本チラシ掲載日の8カ月後)。
- ※5月3日(月)の物件と同じ。
倉庫業者の跡地に建つ、親水公園に面した大規模マンション。
チラシのオモテ面の右下隅に、10ポイント程のあまり目立たない大きさの文字で“即日完売”が謳われている。
- 第1期(70戸)
- 即日完売御礼
チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、どこか不自然な注釈が。
- ※6/26(土)に第1期2次(5戸)の販売を実施致しました。予めご了承ください。
なぜ、わざわざこのようなことを注釈しているのか?
これまの販売履歴を確認すべく、『マンション・チラシ定点観測データベース』とリクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」のバックナンバーをひも解いてみた。
この物件の第1期(販売戸数70戸)の「本広告」が出されたのは、SUUMO(首都圏版)の6/8号(火曜日)。
同号によれば、その週末の6/13(日)まで登録受付し、当日の17時に抽選することになっている。
その次に新たな動きがみられるのは、6/29号の第2期の予告広告。
つまり、6/8号の第1期(本広告70戸)から6/29号の第2期(予告広告)の間に、「第1期2次(5戸)」の広告が出された形跡がないのだ。
なぜ、「第1期2次(5戸)」の広告が出されていないのか?
過去の販売履歴を追跡すると、その理由が見えてくる。
この物件の広告が最初に出たのは、SUUMO(首都圏版)の2/16号。
この号では、「4月下旬」に販売開始予定とされていた。
ところが、その4月下旬である4/27号になると、「5月下旬」に販売開始時期を1カ月延伸。
さらにその5月下旬が近づいた5/18号では、「6月上旬」にまた延伸。
そうして、販売時期を2回延伸して6/8号の第1期(70戸)の販売に至ったのだ。
つまり、「予告広告」でモデルルームに集客し、“即日完売”できる見通しが得られた段階で「本広告」を出して短期間で受付・抽選に走るという、とっても巧妙に仕組まれた、最近はやりの販促ワザであると筆者は考えている。
このやり方であれば、よほどのヒドイ物件でなければ、“即日完売”を演出することができそうだ。
かくして、完売戸数を見誤った結果(業者にとっては嬉しい誤算)、SUUMOに掲載されていない「第1期2次(5戸)」という、次数の販売が行われているのだ。
第1期(70戸)の広告で集客した顧客に、70戸を超えて販売することはルール違反となるから、「第1期2次(5戸)」という新たな次数を挟むことでルール違反の誹りを免れた、というのが筆者の見立てだ。
(本日、マンション広告2枚)